オリエント急行殺人事件/2017年版 RE-2759

作品紹介

公開年月  2017/11/10
ジャンル  サスペンス
原作  アガサ・クリスティ 『オリエント急行の殺人』
監督  ケネス・ブラナー
脚本  マイケル・グリーン
製作  リドリー・スコット、マーク・ゴードン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

エルサレムで事件を解決した名探偵のエルキュール・ポアロは、イギリスでの事件解決を依頼され、豪華寝台列車オリエント急行に乗車する。
アメリカ人富豪ラチェットから脅迫を受けている理由からポアロに身辺警護を頼むが、あっさりと断れてしまう。
その夜、雪崩で立ち往生してしまった車内でラチェットが何者かに殺され、ポアロは乗客から犯人探しを始めるのだった。

登場人物&出演者

エルキュール・ポアロ(演:ケネス・ブラナー)
主人公。世界一の名探偵を称する。ベルギー人。病的なまでにバランスを重要視している。
ケネス・ブラナーは近年の出演作に『ダンケルク』、『シンデレラ』などがあります。
常に観察と洞察をしていて、相手が名乗る前から大体の正体を見破るほどの才能を持つ。
事件を忘れて休暇を取りたいと思っていたところで、旧友のブークに出会って列車に乗る。
ラチェットの殺人事件を推理する事となるが、人生で最大の難題に頭を抱えていた。
最後は今回の事件に善悪の判断がつかないとして、ハバード夫人たちを見逃す事となった。

メアリ・デブナム(演:デイジー・リドリー)
家庭教師。船着き場でポアロに出会う。ポアロから聡明だと高く評価されている。
デイジー・リドリーは代表作に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』などがあります。
ハードマンがアースバットとマルケスと同じ食事の席で文句を言って、それに説教をした。
ラチェットが殺され、それが分かった時は列車内に殺人鬼がいるとして心配していた。
実は殺されたデイジー・アームストロングの家庭教師で、ハバード夫人の計画に参加した。
最後は打ち合わせ通りにポアロを欺く為に芝居を打つも、結局は見破られてしまう。

アースバット(演:レスリー・オドム・Jr)
医者。ロンドンで患者が待っていて、オリエント急行まで行く船の修理を手伝っていた。
レスリー・オドム・Jrは代表作に『Supreme Courtships』、『レッド・ステイルズ』などがあります。
ラチェットが殺された時、その状態をみるべくポアロに呼び出されて検死を行った。
実は元狙撃兵で、アームストロング大佐の助力で医大を卒業して医者になる事ができた。
殺人事件の真相を知ってメアリに迫ったポアロを銃撃するも、意図的に外してしまう。
最後はハバード夫人のカセッティ殺害計画に乗り、彼をナイフで刺して復讐を果たていた。

ピラール・エストラパドス(演:ペネロペ・クルス)
宣教師。何かあると宗教的な言葉を使っている。酒は罪だとしてブークの酒を断った。
ペネロペ・クルスは近年の出演作に『あなたのママになるために』、『悪の法則』がある。
ラチェットが殺された時、またも宗教的な物言いで例えるが、意味深な言葉となった。
実はアームストロング家の乳母であり、デイジーを目の前でカセッティにさらわれている。
その強い罪悪感から自分を許せず、信仰の道を見つける事でなんとか生きていた。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、過去の罪悪感を晴らすべくナイフを突き立てた。

ゲアハルト・ハードマン(演:ウィレム・デフォー)
工学部の教授でオーストリア人。ドイツの栄光と誇りを取り戻すには科学技術だと豪語する。
ウィレム・デフォーは近年の出演作に『Death Note/デスノート』、『セブ・シスターズ』などがあります。
ポアロがアンドレニ伯爵たちに尋問して暴力を振るわれた時、すぐに駆けつけて助け出した。
その正体は大学教授ではなく、探偵社に勤める探偵だと主張するが、元警官だと見破られた。
実はアームストロング事件でフランス人メイド・スザンヌの恋人だとポアロに知られる。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、カセッティを抑え込む役を担い殺しを手伝った。

シュミット(演:オリヴィア・コールマン)
ドラゴミロフ公爵夫人のメイド。常にワガママな態度で振る舞う公爵夫人を気遣う。
オリヴィア・コールマンは代表作に『ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!』、『カムバック!』などがあります。
二匹の犬にブラッシングをするが、毎度のように公爵夫人からやり方が違うと注意される。
実はアームストロング家の料理人で、娘が殺されて一家が崩壊した事実に胸を悼んでいた。
最後はポアロがドイツ語で語りかけると、車掌に扮した何者かの制服を彼女の部屋で発見。

ドラゴミロフ公爵夫人(演:ジュディ・デンチ)
ロシア人貴族。高貴な立ち振る舞いをして、一等車両では寝泊まりする部屋を選んでいた。
ジュディ・デンチは近年の出演作に『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』、『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』などがあります。
二匹の犬とメイドのシュミットを引き連れて、他の乗客を見下すような視線を送っていた。
実はアームストロング事件で妻のソニアの母親と知り合いで、彼女の名付け親であった。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、カセッティにナイフを刺した一人となった。

マックイーン(演:ジョシュ・ギャッド)
ラチェットの秘書。約一年間に渡ってラチェットの秘書を務めている。弁護士の資格を持つ。
ジョシュ・ギャッドは代表作に『ピクセル』、『僕のワンダフル・ライフ』などがあります。
アメリカ人で弁護士としての仕事が合わず、禁酒法もあってヨーロッパにやって来ている。
ラチェットが殺された事を知るも特に悲しまず、ポアロによって横領を突き止められる。
実はアームストロング事件でフランス人メイドを間違えて訴えた弁護士の息子である。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、全員が順番にナイフで刺していく一人だった。

マスターマン(演:デレク・ジャコビ)
ラチェットの執事。ラチェットにこき使われても、忠実に執事として立ち回る初老の男性。
デレク・ジャコビは代表作に『ゴスフォード・パーク』、『英国王のスピーチ』があります。
何者かの脅迫状を受け取ったラチェットが恐怖を抱き、その犯人だと疑われてしまう。
ラチェットが殺された事が発覚した時にポアロと一緒にいて、アースバットを連れて来た。
実はアームストロング大佐の従者であり、ハバード夫人の殺害計画に参加して執事を演じた。
最後はポアロの推察でコーヒーに睡眠薬を仕込み、殺害計画を始動させる重要な役を担った。

ピエール・ミシェル(演:マーワン・ケンザリ)
オリエント急行の車掌。寝台車において夜の間、ずっと見張りをして安全を確認していた。
マーワン・ケンザリは代表作に『アウトバーン』、『ベン・ハー/2016年版』があります。
実はデイジー殺人の嫌疑がかけられたフランス人メイド・スザンヌの父親であった。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、カセッティ殺害の為に全員へ合図を送っていた。

ビニアミノ・マルケス(演:マヌエル・ガルシア=ルルフォ)
ラテン系。自動車の販売をしている。ショールームを三つ持つほど成功を収めている。
マヌエル・ガルシア=ルルフォは代表作に『マグニフィセント・セブン』などがあります。
ラチェットが殺され、ポアロの尋問が始まると陽気に話して自らの無実を宣言していた。
実はアームストロング家の運転手で、多額の援助を受けて自動車販売に乗り出した恩を持つ。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、アームストロングへの恩を返すべく手伝った。

ルドルフ・アンドレニ伯爵(演:セルゲイ・ポルーニン)
世界的に有名なダンサー。写真を撮られるのが嫌い。気に食わないと暴力を振るう短気さ。
セルゲイ・ポルーニンは代表作に『オペラ座の怪人/25周年記念公演 in ロンドン』がある。
光を恐れて夜も眠れないエレナを大切に思い、癇癪を起こしても彼女の前では大人しくなる。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、エレナの為にカセッティを殺す手伝いをした。

エレナ・アンドレニ伯爵夫人(演:ルーシー・ボイントン)
世界的に有名なダンサーの妻。かつて自身もダンサーだったが、今は病んでいる生活。
ルーシー・ボイントンは代表作に『ミス・ポター』、『シング・ストリート/未来へのうた』などがあります。
夜は起きていて昼に寝る生活を送り、薬なしでは眠れず外にも出られない日常を送っている。
実はソニア・アームストロングの妹で、姉を失った悲しみで薬に頼る生活を送っている。
最後はハバード夫人の殺害計画に参加し、姉の無念を晴らすべくカセッティを殺した。

ハバード夫人(演:ミシェル・ファイファー)
未亡人。世界中を旅している女性。各国を旅するが、自分のベッドが一番だと話していた。
ミシェル・ファイファーは近年の出演作に『マザー!』、『嘘の天才/史上最大の金融詐欺』などがあります。
隣部屋のラチェットに見られ、下品な言葉で彼に誘われていたが、難なく断っていた。
ラチェットが殺された時、何者かが自分の部屋をすり抜けて逃げだとポアロに証言した。
実は娘を殺したラチェットに扮したカセッティの殺害計画の首謀者で元女優だと判明する。
最後は自分が首謀者として罪を一人で被るつもりだったが、ポアロの温情で罪に問われず。

ブーク(演:トム・ベイトマン)
オリエント急行の重役。たまたまレストランのキッチンにいたポアロと再会を果たす。
トム・ベイトマンは代表作に『クレイジー・バカンス/ツイてない女たちの南国旅行』ある。
なんとか手を回してポアロのオリエント急行に乗せて、彼をロンドンまで連れて行く。
一等車両の乗客には自ら酒を振る舞い歓迎して、楽しい旅を演出しようと努めていた。
ラチェットの殺害が発覚すると、事件を解決できるのはポアロしかないとして彼に頼んだ。
事件当時に違う車両に乗っていた事もあって、ポアロを手伝う助手的な役目を果たした。
最後は事件の真相を知るも、全員が悪人じゃないと分かって真実を警察に黙っていた。

エドワード・ラチェット/カセッティ(演:ジョニー・デップ)
アメリカ人ギャングで富豪。美術商として駆け出しながら、大金を得るほどの大成功をする。
ジョニー・デップは近年の出演作に『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などがあります。
何者かの脅迫状をもらっていて、常に不安な状況に立たされ、執事や秘書まで疑っている。
イタリア人との商談でイライラしているところに、ハバード夫人を見て誘うも断られた。
たまたま乗り合わせた世界一の探偵であるポアロに警護を頼むが、あっさり断られた。
最後は眠らないようにコーヒーを飲んだが、ハバード夫人の殺害計画で敢えなく殺された。

感想

個人的な評価

本作はアガサ・クリスティの小説『オリエント急行の殺人』を基に二度目の実写映画化となった作品です。
一度目は1974年にライオンが咆哮するトレードマークで知られるMGMが主役級のキャストで当時話題となりました。
そんな本作も一度目の実写映画化に負けないほどの豪華なキャストで話題となりました。
アガサ・クリスティは作品を知らなくても名前だけは聞いた事のある人物であり、彼女の生み出した探偵たちもまた有名である。
その中の一人である本作の主人公を務めるエルキュール・ポアロは特に人気が高い人物です。
まずはその見た目に特徴があって、常に「バランス」を気にしていて、細かいところまで観察眼及び洞察眼を張っている。
フランス語をしゃべるけど、ベルギー人であり、何度もその事を強調していました。
このようにエルキュール・ポアロというキャラクターが物語を引っ張っていくだけの魅力を備えた人物だと分かります。
本作では密室で起きた殺人が主題となりますが、日本のドラマなどでも使い古されたパターンだと言えるでしょう。
その点では新鮮味がないのですが、敢えてリメイクした本作は豪華なキャストを楽しむという一面を含んでいると思います。
主役級のキャストを揃え、それぞれが脇役に徹しているところも逆に新鮮味を与えるだろう。
しかしながら、本作の殺人事件を解いていく醍醐味というのがあるけど、残念ながらポアロさんよりも早く分かってしまいました。
やはり、こういう作品というのは観ている側も一緒に謎解きをしていくモノだが、答えを先に分かってしまうと面白さ半減となります。
逆に答えだと思っていたモノがミスリードで、実は違った仕掛けがあって、観ている者すら騙してしまうならば大満足を得られると思います。
ですが、本作は予想した通りの流れになってしまい、そのオチが部外者以外が犯人という何でもアリ状態だと少し萎えました。
あとはポアロの決断がどうなるのか気になったが、こちらも予定調和すぎて面白味がない。
本作はあくまで豪華なキャストで魅せるだけであって、内容についてはそこまで練りに練ったようなモノではなかったです。
案外、ジョニー・デップがすぐに退場してしまうが、さすがに存在感のある役柄でした。