フィフス・ウェイブ RE-2368

作品紹介

公開年月 2016/01/22
ジャンル  SF/アクション/青春
原作  リック・ヤンシー 『フィフス・ウェイブ』
監督  J・ブレイクソン
脚本  スザンナ・グラント、アキヴァ・ゴールズマン、ほか
製作  トビー・マグワイア、グレアム・キング、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

謎の地球外知的生命体が地球上空に飛来し、世界中の電子機器を電子パルスで破壊する。
アザーズと名付けられた彼らは、続く第2波として大地震と津波を引き起こし、第3波ではウイルス感染を蔓延させ、第4波では生存者への寄生を開始する。
平穏な日々を送っていた女子高校生のキャシーは、アザーズの4度に渡る攻撃で両親を亡くし、弟のサムと生き別れてしまう。
誰が敵なのか分からない中、生き残ったキャシーはサムを迎える約束を守る為に奮闘する。

登場人物&出演者

キャシー・サリヴァン(演:クロエ・グレース・モレッツ)
主人公。普通の女子高生だったが、地球外生命体アザーズによって日常を奪われてしまう。
クロエ・グレース・モレッツは近年の出演作に『ダーク・プレイス』、『かぐや姫の物語』などがあります。
父親のオリヴァーは軍に殺され、弟のサムは基地に連れて行かれ独りとなる。
サムを救いだそうと単独に基地へ向かうが、ただの女子高生に何ができるのだろうか。
そこで登場した便利なキャラクターであるエヴァンによって実現していく。
クロエ・グレース・モレッツは素晴らしい肩幅のおかげで生き残っても不思議じゃない。
本作では監督が彼女の演技を使いたがっているようで、感情を表すシーンを多くしている。

エヴァン・ウォーカー(演:アレックス・ロー)
撃たれたキャシーを助けた青年。家族全員を失っている。農場に住むもアウトドアは苦手。
アレックス・ローはイングランド出身で代表作に『ディアブロ/悪魔生誕』があります。
虫が苦手でインドア派。大学の専攻も機械工学だが、なぜか筋肉ムキムキである。
一週間昏睡状態だったキャシーの日記を勝手に読んで、どう見ても最初から気があった。
実は半分人間で半分アザーズだが、キャシーとの愛に目覚めて人間側につく。

ベン・パリッシュ/ゾンビ(演:ニック・ロビンソン)
キャシーの同級生。典型的なモテる人気者。アザーズの攻撃によって家族を失っている。
ニック・ロビンソンは代表作に『フレネミーズ』、『ジュラシック・ワールド』があります。
一度はウイルスに冒されるが、そこから回復した事で“ゾンビ”と呼ばれている。
貴重な戦力として軍にスカウトされ、ヴォーシュから一目置かれている。
絵に描いたような順調な人生を台無しにされた事でアザーズに対する憎しみを持つ。

サム・サリヴァン/ナゲット(演:ザカリー・アーサー)
キャシーの弟。常に熊のぬいぐるみベアを持ち歩き、何かと姉のキャシーを頼る。
ザカリー・アーサーは13作に出演し、劇場映画として本作が初となります。
キャンプ場から基地へ移送される時にキャシーと別れてしまう。
軍によって戦う兵士として訓練を受ける。最初の実戦でベンによりトイレに閉じ込められる。

リンガー(演:マイカ・モンロー)
問題児として班を追い出された。訓練を受ける前は単独で生き抜いていた気の強い女。
マイカ・モンローは代表作に『イット・フェローズ』、『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』などがあります。
最初から班や訓練に不満を持ち、ベンに突っかかっているが、最後は頼りになるメンバー。

ヴォーシュ(演:リーヴ・シュレイパー)
ライト・パターソン空軍基地の陸軍大佐。各地のキャンプから若者たちを集めている。
リーヴ・シュレイパーは近年の出演作に『クリード/チャンプを継ぐ男』、『スポットライト/世紀のスクープ』などがあります。
実はアザーズで生き残った人間たちを狩る為に若者たちを訓練していた。

感想

個人的な評価

原作はリック・ヤンシーの同名ヤングアダルト小説が基になっています。
アメリカでは数多くのヤングアダルト小説があって実写映画化されている作品も多い。
有名どころでは『トワイライト・サーガ』シリーズなどがあります。
主人公は高校生と限定している点では、日本で言うライトノベルと同系統だろう。
ただ、ライトノベルではファンタジックな要素が多い分、ヤングアダルト小説はあくまで等身大の若者が活躍する。
基本的にヤングアダルト小説は若者の好みに合わせているので、実写映画としては色々と物足りない。
本作はエイリアンによって地球が侵略されるが、なぜか大人はほとんど登場しない。
あくまで若者たちが主人公であるので、緊張感や迫力が欠けてしまっている。
主人公のキャシーを演じているクロエ・グレース・モレッツはアクションのイメージはあまりない。
『キック・アス』ではヒットガールとして有名だが、戦争のようなアクションとは違う。
本作では監督がどうしてもクロエ・グレース・モレッツの感情を引き出そうとする演出にこどわっているようです。
原作は世界的にはあまり知られていないので、ここは知名度の高いクロエ・グレース・モレッツで盛り上げています。
小説の方はシリーズ物になっているはずだろうけど、それを1本の映画に収めるのはムリ。
本作は中途半端に終わっていて、まだ続くような展開になっています。
結局は本作が物語の土台を語るだけの作品となり、実際には何も解決していない。
でも、シリーズ化するには決定的な面白さがないのが致命的だと言える。
特に地球を侵略したアザーズの姿は人間そのものだからまったく実感が湧かない。
もっと分かりやすい敵の描写をしないと侵略されている状況が伝わってこない。
本作はクロエ・グレース・モレッツに頼っているだけで内容についても微妙なモノです。