ザ・リング/リバース RE-2751

作品紹介

公開年月  2018/01/26
ジャンル  ホラー
原作  鈴木光司 『リング』
監督  F・ハビエル・グティエレス
脚本  デヴィッド・ルーカ、ジェイコブ・エステス、ほか
製作  ウォルター・F・パークス、ローリー・マクドナルド
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

「見た者は7日後に必ず死ぬ」という呪われたビデオを恋人ホルトの身代わりとなり、それを見てしまったジュリア。
それ以来、奇妙な出来事がジュリアの周囲で起こり始め、助かるには「ビデオのコピーを取り、誰かに見せる」という方法しかない。
しかし、ジュリアはビデオをコピーする事ができず、それまで存在しない映像が加わり、彼女は迫り来る運命から逃れる為に手がかりを探すのだった。

登場人物&出演者

・ジュリア(演:マチルダ・ルッツ)
主人公。恋人のホルトと楽しく過ごしていたが、大学へ行く彼には付いて行かず残った。
マチルダ・ルッツは代表作に『Summertime/サマータイム』、『Somewhere Beautiful』などがあります。
大学で色々あったホルトからの連絡が途絶え、心配して急いで向かって消息を探す。
そこでサマラの呪いのビデオを知り、ホルトを助ける為に自己犠牲で自らコピーを見る。
サマラから幻覚を見せられ、なんとか彼女の遺体を見つけて自由しようと奔走する。
最後はバークがサマラの父親だと知り、対決して勝利し、サマラの器として復活を手助けた。

ホルト(演:アレックス・ロー)
ジュリアの恋人。ジュリアとは楽しい日々を送るが、大学の為に近くの寮に暮らす事になる。
アレックス・ローは代表作に『ディアブロ/悪魔生誕』、『フィフス・ウェイブ』があります。
ガブリエル教授の特別授業を受けていて、その過程で呪いのビデオを見てしまう事に。
ジュリアとの連絡を絶ったのは彼女を守る為だったが、結局は巻き込むもあまり悲しまず。
形ではジュリアを助けようとするが、どう見ても仕方なく付き合っているように見える。
最後はサマラの父親がバークだと知って駆けつけるも役に立たず、ジュリアが自力で解決。

ガブリエル(演:ジョニー・ガレッキ)
大学の教授。2年前に飛行機事故で亡くなった青年の遺留品であるビデオデッキを買い取る。
ジョニー・ガレッキは代表作に『ラストサマー』、『TIME/タイム』などがあります。
その中に入っていた呪いのビデオを見てしまい、そこから霊界についての研究を始める。
同棲していた大学生のスカイも実験に参加させるが、結局はコピーを見せる人がおらず死ぬ。
警察が大学に来ると知り、ジュリアたちに研究データを手渡して尻尾を巻いて逃げた。
最後はジュリアの点字の意味を解くが、事故に巻き込まれ、落ちた電柱によって感電死した。

ゲイレン・バーク(演:ヴィンセント・ドノフリオ)
墓地を監視している盲目の男。サマラの墓地を無断で壊したジュリアとホルトを出迎える。
ヴィンセント・ドノフリオは近年の出演作に『エル・カミーノ・クリスマス』、『チップス/白バイ野郎ジョン&パンチ再起動!?』などがあります。
サマラの行方を探していたジュリアたちに実体験を話し、幻覚を見たせいで盲目になった。
実はサマラの母親をレイプして教会に監禁した司祭で、その事実をずっと隠していた。
盲目で呪われる事なく、サマラを助けに来た選ばれた人間たちを何人も血祭りにしている。
最後はジュリアを殺そうとするが、サマラが目を治した上で呪いをかけて呆気なく死亡。

感想

個人的な評価

本作はハリウッド版『ザ・リング』シリーズにおける三作目となります。
原作者である鈴木光司が本作は最も原作に忠実で一番怖いというコメントを残しています。
そもそも、過去の二作ともに完全なるアメリカン・ホラーに成り下がり、原作が持っていた本来の怖さが薄かったです。
まだ邦画版の方がジャパニーズ・ホラーとしてジメジメした感じで、怖さという意味ではちゃんとしようとしていました。
しかし、アメリカン・ホラーはジャパニーズ・ホラーと違い、精神的にジワジワと迫る怖さではなく、驚かせるだけの単純なモノばかりです。
そんな本作についてですが、完全なる原作者のリップサービスとして受け止めています。
確かに原作の見所である貞子(本作ではサマラ)が井戸から出てきたり、テレビの画面から出てきたりとインパクトのあるシーンが何度もあります。
本来あるべき「身の毛がよだつ」という怖さはなく、あくまで音だけで驚かそうとしているだけで幼稚な演出でした。
肝心のサマラについても、ジワジワと歩いてくる怖さがほとんどなく、単純に画面から飛び出すだけのギャグにしか見えない。
しかも、今の時代になってビデオテープを媒介にしている点でも、新しい事をやりたいのか、古いやり方で突き通すのか中途半端になっている。
それに加え、現代的なパソコンによる複製を当たり前にして、最後は不特定多数にメールとして動画を送るという分かりやすい展開も意外性がありません。
これまで『リング』は様々な形で映像化されていますが、やはり、邦画はジャパニーズ・ホラーとしてちゃんと再現していました。
本作については薄っぺらすぎるし、本来あるべき魅力がアイコンと化していて、そこに魅力はまったく感じられません。
結局はサブタイトルのようにサマラが復活する為の物語だが、これまでやって来た事をツギハギに合わせただけしかなかったです。
どうせ復活するならば、もっと新しい事に挑戦して欲しいけど、本作がなぜ守りに入ったのか分かりません。
せっかくの三作目でシリーズ化を狙うならば、新たな挑戦をしないと受けないのは当然だと感じた作品でした。