作品紹介
公開年月 | 2018/01/30 |
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ジャンル | サスペンス |
原作 | なし |
監督 | ジョナサン・ベイカー |
脚本 | クロエ・キング |
製作 | ランドール・エメット、ジョージ・ファーラ、ほか |
製作国 | カナダ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ブライアンとアンジェラの夫妻は、数回の流産の末にドナーから卵子の提供でやっと授かった一人娘のコーラと平穏な日々を過ごしていた。
公園にいたアンジェラは、街に引っ越ししてきたばかりのシングルマザーであったケイティと知り合う。
意気投合したアンジェラたちは医師の仕事へ復帰を見据えて、シッターとしてケイティ母娘を家に迎え入れるのだった。
登場人物&出演者
・アンジェラ(演:ジーナ・ガーション)
医者。四度の流産を経験し、娘のコーラは代理の卵子で妊娠した過去を持っている。
ジーナ・ガーションは『レッドブル』、『フェイス/オフ』などがあります。
コーラが1歳になるまで病院に入院していたが、現在はなんとか克服するも精神は不安定。
代理母となったケイティの素性に疑いを持つけど、すべての行動が裏目に出てしまう。
DNA鑑定で子供の卵子提供者だと分かるが、その前に捨てた薬を盛られて殺されそうになる。
最後はケイティに包丁を向けるも逆に刺され、ブライアンが真実を知って子供を取り戻す。
・ブライアン(演:ニコラス・ケイジ)
医者。妊娠できない体のアンジェラを気遣い、授かった一人娘のコーラを溺愛している。
ニコラス・ケイジは近年の出演作に『ダークサイド』、『マッド・ダディ』などがあります。
大家族に憧れていたが、アンジェラが妊娠できない体だと分かっても彼女を気遣っていた。
しかし、ケイティが代理母になって精神が不安定となったアンジェラに対して疑念を持つ。
ケイティの策略に見事ハマってしまい、完全にアンジェラが薬物中毒さと誤解する。
最後はDNA鑑定でケイティと卵子が一致した事実を知り、彼女の凶行を警察に通報した。
・ケイティ(演:ニッキー・ウィーラン)
過去に夫を刺し殺し、素性や姿を変えて娘のマディとモーテルを転々として暮らしている。
ニッキー・ウィーランは代表作に『レフト・ビハインド』、『7500』などがあります。
アンジェラと出会って孤独な生活から解放されるが、ウソをついて自身の素性を隠している。
実はすでに卵巣がダメになり、提供した自分の卵子から生まれたマディを奪っている。
三つ目の卵子を手に入れて代理母となるが、子供より仕事を選んだアンジェラに失望する。
最後は男の子を産むが、DNA鑑定で素性がバレてしまい、ブライアンが通報して逮捕された。
・リンダ(演:ナタリー・エヴァ・マリー)
アンジェラのトレーナー。リトミックの指導者。アンジェラとは彼女が妊娠中に出会った。
ナタリー・エヴァ・マリーは本作が長編映画デビュー作となります。
ハーフマラソンを完走するほど運動神経が良く、常に体を鍛えて子供たちの指導にあたる。
実はケイティとは肉体関係を持っていたが、アンジェラには話さず単なる友達としていた。
最後は代理母になるとケイティに話すが、許せない彼女によって事故死に見せかけ殺された。
・ドナ(演:フェイ・ダナウェイ)
ブライアンの母親でアンジェラの義母。国民の祝日に来るが、アンジェラとは仲が良くない。
フェイ・ダナウェイは代表作に『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』、『タワーリング・インフェルノ』などがあります。
新しく友達となったケイティについて「不気味」だと判断し、彼女の素性を知ろうとする。
以前使った卵子で代理出産をケイティに頼むが、アンジェラの薄っぺらな考えに懸念を抱く。
最後はケイティの策略にハマってしまい、それまでの鋭い疑念がウソに消えてしまう。
感想
個人的な評価
本作は『未体験ゾーンの映画たち2018』にて上映された作品です。
代理母と卵子提供者をテーマにした非常に重い内容であり、ずっとシリアスな雰囲気が漂う。
大々的にニコラス・ケイジの名前が出ていますが、残念ながら物語の主人公ではない。
どっちかと言えば、主人公はジーナ・ガーションと、彼女に敵対する事となるニッキー・ウィーランという構図になります。
強い母性が生み出した行きすぎた行動を象徴するニッキー・ウィーランの演じるケイティは正しくも間違っている。
子供を大切にする事は母親として当然だが、いくらなんでも行動が極端に走りすぎている。
もう自力では妊娠できないが、過去に提供した卵子ならば可能という不思議な状況に置かれている彼女の精神状態はかなり危険だと言えます。
その結果、子供だけの事を考えた行動は人殺しすら平然と行ってしまう危険な母性を本作では描いています。
ケイティという存在は非常に悲しいけど、それ以上にエリート医師の夫妻があまりにも頭が悪いというのが納得できず。
相手の裏を掻くというケイティのキレる頭に、高い教育を受けてきた医者が対応できないのは少しおかしい。
なぜかずっと後手に回っていて、行動がすべて裏目に出ているのは都合が良すぎました。
確かにアンジェラは過去に薬を使っていたが、克服したはずの今ならもっと冷静に行動ができたはずでした。
それなのに、やっている事は非常に頭が悪い上に分かりやすいぐらい後々問題になる。
医者ならば冷静に物事への対処ができるはずだが、それをやらないという伏線があまりにも弱すぎました。
すべてを薬だけのせいにして、疑われるのはおかしいし、あまりにもケイティが有利すぎる展開も都合が良すぎた。
とにかく、本作には夫妻の設定が医者の必要性がないどころか、足を引っ張ってしまった。
期待のニコラス・ケイジもそこまで出番はなかったが、ラストでは一応の役割を果たした。
ジーナ・ガーションも年を取ったと感じさせ、逆に若いニッキー・ウィーランとの差を感じさせる作品でした。