ザ・クロコダイル/人喰いワニ襲来 RE-3180

作品紹介

公開年月  2012/06/08
ジャンル  パニック/アクション
原作  なし
監督  リン・リーシェン
脚本  リン・リーシェン
製作  リー・ルイ
製作国  中国
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

少年シンは知り合いのおじさんが経営するワニ牧場にいつも来ていたが、借金を返す為にワニたちは高級食材としてレストランに売られてしまう。
その中にはシンがお気に入りの巨大ワニのマオが含まれていたが、引き取ったコックたちがワニを次々と殺してきた。
仲間のワニたちが無残にも殺されていくと、マオは殺される寸前に目を覚ましてコックたちに襲いかかって逃走するのだった。

登場人物&出演者

ワン巡査(演:グォ・タォ)
主人公。地元の警察官。シンと二人暮らししている。シンの成績が悪くて何度も注意をする。
グォ・タォは代表作に『鳳凰/わが愛』、『妻への家路』などがあります。
職場に来て着替える前にウェンがやって来て事情を話すも最初は信じていなかった。
警察署では落ちこぼれとして扱われており、射撃の腕は絶望的に下手で弄られている。
リウに連絡を取って一緒に捕獲する事となり、護身用として署長から仕方なく銃を渡される。
最後はリウの指示でコケた拍子にマオを銃殺し、なぜかウェンと結婚して三人で暮らす事に。

ウェン・イェン(演:バービー・スー)
ヒロイン。イタリアで8年働いて10万ユーロを貯金して、恋人が待っていた中国に帰国した。
バービー・スーは代表作に『カンフーシェフ』、『レイン・オブ・アサシン』があります。
恋人が浮気していると知って車から降りるが、茶畑でマオに遭遇してバッグを食われた。
すぐにワン巡査の元に行き、バッグを取り戻すように説得するもなかなか信じてもらえず。
なんとか10万ユーロを取り戻すべくシンと向かうが、ジャオたちに捕まり囮にされてしまう。
最後はマオの胃袋から未消化のユーロを取り出し、ワンと結婚してシンたちと暮らす事に。

シン(演:ディン・ジャーリ)
ワンの息子。リウのワニ牧場に通って巨大ワニのマオと友達。母親はイタリアにいるらしい。
ディン・ジャーリは本作が長編映画デビュー作となります。
リウが経営難でワニ牧場のワニたちを売る事に反対し、抵抗するも結局は傍観する事に。
成績が悪くいつも友達からからかわれてしまい、ワンにもバレて遊びを禁じられてしまう。
マオが逃げ出してしまい、繁殖期のせいで凶暴化しても、なんとか助けようとしていた。
最後はマオを殺さないよう懇願するも叶わなかったが、ウェンが母親になってくれた。

リウ(演:シー・ジャオチ)
ワニ牧場の経営者。長らくワニ牧場を経営していたが、経営難のせいでワニを売る事に。
シー・ジャオチは代表作に『ウルフ・オブ・ウォー/ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』などがあります。
誰よりもワニを理解していて、ワニ牧場の中で最も巨大ワニであるマオを知っている。
マオが逃げ出した事を知り、責任を感じて止める娘を制して捕まえようと一人で旅立った。
犠牲が出る前にやって来ると、ワン巡査たちに助言をしながら一緒に捕まえようとする。
最後はマオを説得するも邪魔が入り、ワンに任せようとして尻尾で吹き飛ばされてしまう。

ジャオ(演:ラム・シュー)
ワニ料理を経営するオーナー。材料となるワニがなかなか手に入らなくてずっと困っていた。
ラム・シューは代表作に『カンフーハッスル』、『アイスマン』などがあります。
20年に渡ってマオを狙っていて、経営破綻したリウからようやく買い取って料理をさせる。
コックがマオを捌こうとした時に暴れ出し、一人が犠牲になるも隠そうとして結局はバレる。
10万ユーロが胃袋の中にあると知り、部下たちを引き連れて退治しようと勝手に動き出す。
最後は捕まえようとして水の中に落ちてしまい、油断したところで背後から食われてしまう。

感想

個人的な評価

本作はサメ映画に並びそうな固有のジャンルに近づこうとするワニ映画となります。
近年では豊富な資金を使って映画業界に殴り込みをする中国産のワニ映画となっています。
アメリカンなワニ映画だと、都市伝説をベースにしているので、下水道と化学物質によるコンボが基本になっています。
しかしながら、本作における巨大ワニは自然の状態で飼われて8メートルを越える巨体という設定になっています。
シン少年とは仲良しであるが、繁殖期で卵を産む状態のせいで凶暴化して次々と人を襲うような状況になってしまう。
アメリカのワニ映画とはかなり違っていて、そもそも中国人はワニを食べるという点でも大きく違っています。
オーストラリアとかでもワニを食べているようですが、さすがはなんでも食材にしてしまう中国人らしい設定だと言えるだろう。
ワニ映画というのはどうしてもB級映画で扱いが雑だが、意外にも本作のCGは良くてリアルに近いような質感になっています。
ただ、本作はシリアス一辺倒にせず、ワニに知恵があって情もある事を表現しようとコミカルな要素を入れて雰囲気を柔らかくしています。
これに関しては後半になると雰囲気が一辺倒になってしまい、前半のコミカル要素に意味はあまり感じられなかった。
本作ではマオには知恵と情があるという事を言っているが、それを見せるようなエピソードはほとんどありません。
せっかく独自性が出せる部分なのに、これをセリフで簡単に説明してしまったのは非常に残念としか言えない。
やはり、これは実際にエピソードとして描写するべきであり、そうすれば本作はバランスの取れた作品になっていたと思います。
アメリカンなワニ映画と違う雰囲気の作品でしたが、かなり惜しいところまで作って、そこさえ穴埋めできた良作になり得た作品でした。