作品紹介
公開年月 | 2018/02/22 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | なし |
監督 | ジョコ・アンワル |
脚本 | ジョコ・アンワル |
製作 | ゴープ・T・サムタニ |
製作国 | インドネシア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
リニの母親が原因不明の病に倒れてから3年が経ち、治療費がかさんだ事で生活が困窮し、彼女は田舎の祖母の家で父と幼い弟三人と暮らしていた。
だが、母はある日突然亡くなってしまい、葬儀の翌日から父は遠くの町に働きに出た為にリニが一家の大黒柱となる。
しかし、亡き母と思われる霊が家に現れると、生前に不気味な集団と関わりを持っていた事をリニは知るのだった。
登場人物&出演者
・リニ(演:タラ・バスロ)
主人公。病に伏せて寝たきり生活をする母親の為に大学を辞めて弟たちの面倒を見ている。
タラ・バスロは代表作に『ゴールデン・アームズ/導かれし者』、『黄金杖秘聞』がある。
有名な歌手だった母親のレコードからの印税を頼るが、すでに支払い済みで受け取れず。
父親と相談して家を手放す事を提案するが、お婆ちゃんの所有物だとして頑なに売らずに。
当初は幽霊の存在を信じていなかったが、目の当たりにしてようやく動き出した。
最後はゾンビに囲まれるもお婆ちゃんの同級生に助けられ、都会に引っ越す事となった。
・トニー(演:エンディ・アーフィアン)
リニの弟で長男。バイクで学校へ通っていたが、母親の為に売って徒歩とバスで通う事に。
エンディ・アーフィアンは代表作に『The Perfect House』、『Brandal-Brandal ciliwung』などがあります。
父親以外のみんなが母親の面倒を見るのが怖くなる中、自分から進んで面倒を見ていた。
母親が死んで誰よりも悲しんでいたが、すぐに立ち直ってボンディと違い学校へ通う。
いつも夜はラジオを聞いていたが、そこで母親に似た幽霊を何度か見てリニに話していた。
最後はブディマンの記事を信じて対策をリニに話し、彼の助けによって町に移り住んだ。
・ボンディ(演:ナサール・アヌズ)
リニの弟で次男。やんちゃで良く服が破れる。死人に対する迷信をなぜか信じている。
ナサール・アヌズは本作が長編映画デビュー作となります。
葬儀で最後に去った人が40歩進むと死人が起きると信じて、しばらく動けずにいた。
お婆ちゃんがいなくなった事を知り、リニと探していると井戸で死んでいるのを発見する。
その時から何かの幽霊に囁かれて弟を殺そうよう言われるが、ずっと拒否していた。
最後は弟を一度助けるも実は悪魔だと知り、ブディマンの助けで町へ移り住む事になった。
・イアン(演:M・アディヤット)
リニの弟で三男。耳が聞こえず会話は常に手話で行う。ボンディといつも遊んでいる。
M・アディヤットは代表作に『Kulari ke Pantai』などがあります。
末っ子という事でいつも家にいたが、ボンディを誘って夜トイレに行くと幽霊に遭遇する。
それ以来、ボンディに対して不信感を持ってしまい、別のところで寝ていた。
実は悪魔の子供で耳が聞こえないフリをして、7歳の誕生日を迎えるまで正体を隠していた。
最後は墓場からゾンビを呼び込み、家族を連れ去ろうとするもブディマンが邪魔をした。
・リニの父(演:ブロント・パララエ)
マワルニを療養する為に母親の家に来るが、仕事はなくて印税を頼るも結局はもらえず。
ブロント・パララエは代表作に『ヘッド・ショット』、『Ola Bola』などがあります。
マワルニが死ぬと残った家族の為、仕事を見つけるべく一人だけ村から出て行く事になる。
事情がよく分からないまま家に帰ると、謎の宗教団体を知って町へ引っ越す決意をする。
最後はイアンを助けようとしたが、悪魔だ分かってゾンビに囲まれるもブディマンが助けた。
・マーラ(演:エリー・D・ルーザン)
リニのお婆ちゃん。母親の病気の面倒をみるべく都会から村に来た息子や孫を迎えた。
エリー・D・ルーザンは代表作に『Bujangganong』、『Dukkha 』などがあります。
実は息子とマワルニとの結婚をよく思っておらず、当初から反対していたという。
しかし、ようやく念願の孫ができた事でマワルニとの不仲は解消して仲良くやっていた。
マワルニが謎の宗教団体によって妊娠したと知っていて、イアンを殺そうとしていた。
最後は悪魔の呪いで止められてしまい、井戸で水死するも、幽霊になって家族を助けた。
・ヘンドラ(演:ディマス・アディティヤ)
墓を管理するウスタッドの息子。リニたちを心配しているが、どうやら彼女に気がある様子。
ディマス・アディティヤは代表作に『Drop Out』、『The Clerics』などがあります。
母親を亡くして葬儀をした時、悲しんでいたリニに声をかけて自分の存在を強く主張した。
幽霊によって悩まされていたリニたちを心配し、なんとか力になろうと手伝う事に。
バイクに乗っていた時、リニに頼まれたお婆ちゃんが手紙を出そうとした同級生の元に送る。
最後はブディマンに呼ばれて最新の記事を受け取るが、帰る途中で事故に遭った死亡した。
・ブディマン(演:エジ・フェドリー)
リニのお婆ちゃんの同級生。謎の宗教団体を知っていて記事まで書いている。
エジ・フェドリーは代表作に『Fiction』、『ヘッド・ショット』などがあります。
お婆ちゃんが手紙を出そうとして死亡し、代わりに届けたリニたちに話しをしていた。
最後はゾンビに囲まれたリニたちを助け出し、車で都会まで送って逃がした。
・マワルニ・スオノ(演:アユ・ラクシュミ)
リニの母親。昔は有名な歌手でレコードが売れていた。今は病により家族が介護している。
アユ・ラクシュミは代表作に『Sekarno』、『Sekala Niskala』などがあります。
マトモに会話できない状態で寝たきりであり、用がある時は呼び鈴を鳴らしている。
実はずっと不妊で悩んでいて、なんとか子供を授けるべく怪しい宗教団体に入信していた。
最後は呼び鈴でリニを呼び出すが、外を見ていた時に叫びだしてそのまま死亡した。
感想
個人的な評価
本作は『未体験ゾーンの映画たち2018』にて上映された作品です。
珍しいインドネシア製の映画ですが、インドネシア映画というとヒットした『ザ・レイド』シリーズがあります。
ただ、ホラー映画については本作が初となりますので、これについては未知数となります。
インドネシアというのはイスラム教が母体となっていて、日本では馴染みがないと思います。
しかし、本作ではあまり宗教観が出ず、世界のどこに出しても通用する内容にしています。
ジャパニーズ・ホラーとアメリカン・ホラーを融合させたような怖さの演出となっています。
つまり、ジワジワと襲って来るジャパニーズ・ホラーの怖さをベースにしつつ、アメリカン・ホラーの分かりやすい音で驚かせている。
ただ、アメリカン・ホラーの要素が強すぎるせいで、ジャパニーズ・ホラーの良さを少し打ち消してしまっている。
しかしながら、本作最大の魅力はクライマックスに訪れるオチとなる事でしょう。
それまで狙われる存在だった末っ子だが、実は悪魔の子供で誕生日を迎えると同時に家族を生贄にしようと企んでいました。
その前にいつも遊んでいた兄が命を狙うミスリードが非常に効果的で、ラストのオチはかなり衝撃があると思います。
何より正体を現した時に饒舌となって、笑っている様子が相当の不気味さを生み出している。
本作は予想していたよりもちゃんと作られていて、思っていたよりも怖さを上手く引き出している展開でした。
ですが、クライマックスになってゾンビが大量に出てくる点、謎の宗教団体が謎のまま終わる、最後の意味不明な終わり方が雑すぎると感じました。
それでも期待していなかっただけに、本作がちゃんとしていたホラー映画という点でも悪くない作品でした。