ブルークラッシュ RE-2333

作品紹介

公開年月  2003/06/21
ジャンル  スポーツ/ドラマ/青春
原作  スーザン・オーリアン 『Maui Surfer Girls』(モチーフ)
監督  ジョン・ストックウェル
脚本  リジー・ウェイス、カレン・ケーラ
製作  ブライアン・グレイザー、カレン・ケーラ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ハワイのオアフ島にあるノースショアはサーファーたちにとって聖地である。
巨大なチューブが形成されるパイプラインは、サーファーにとって憧れである同時に一歩間違えれば死にも繋がるポイント。
子供の頃から天才サーファーと呼ばれたアンは数週間後に、ノースショアで開かれる世界最高峰の大会“パイプライン・マスターズ”での優勝を目指していた。
しかし、以前サーフィンで味わった事故で恐怖心を克服できず、そんな時にフットボールのスター選手と恋に落ちる。
次第にサーフィンへの情熱が薄れていくアンに親友のイーデンとリーナは歯痒い気持ちを抱くのであった。

登場人物&出演者

アン・マリー(演:ケイト・ボスワース)
主人公。天才サーファーとして注目される。以前の事故で波に乗る恐怖心を抱いている。
ケイト・ボスワースは近年の出演作には『タイム・トゥ・ラン』、『パーフェクト・メモリー』などがあります。
当初はサーフィン一筋だったが、誰にも言えない恐怖心で徐々に遠ざかっていきます。
そこに登場するフットボールのスター選手に口説かれ、一気に現実逃避をしてしまいます。
完全に色ボケとなった彼女はサーフィンの情熱がなくなっていくのです。
それなのに、大会で優勝したいふざけた事を抜かし、主人公補正で勝ってしまいます。
感動もないもないし、こんなビッチが勝ってしまう大会のレベルが疑われる。

イーデン(演:ミシェル・ロドリゲス)
アンの親友。小さい頃にアンに惨敗する。誰よりもアンの才能を認めている人物。
ミシェル・ロドリゲスは近年の出演作には『ワイルド・スピード/SKY MIISION』、『ターボ』などがあります。
ずっとアンがサーファーとして有名になる事を願い、彼女よりも彼女の将来を心配する。
だからこそ、男にうつつを抜かしている時に、誰よりも厳しい態度で注意をする。
本作の中で一番の常識人でありながら、アンからの詫びの言葉がなくても応援するいい人。

リーナ(演:サノー・レイク)
アンの親友。常にマイペースで金欠。金の為なら誰よりも積極的になる。
サノー・レイクは女優の他にサーファーやモデルとしても活躍しています。
アンの才能よりも、付き合っているスター選手とのイチャイチャを聞きたい罪なヤツ。
頼れる常識人のイーデンとは違って、自由奔放な性格はアンにとって毒である。

ペニー(演:ミカ・ブーレム)
アンの妹。多少サーフィンをやる。姉のせいで母親が出て行った事に恨みを持つ。
ミカ・ブーレムは代表作に『パトリオット』、『ザ・ウォード/病棟監禁』などがあります。
姉に対して反抗期で許さない。しかし、大会で優勝すると、鮮やかに手のひらを返す。

マット(演:マシュー・デイヴィス)
フットボールのスター選手。休暇でハワイに来ている。アンにひと目惚れしている。
マシュー・デイヴィスは代表作に『キューティ・ブロンド』、『イントゥ・ザ・サン』などがあります。
フットボールの花形であるクォーターバックなのに恋人がいない時点でおかしい。
現地で女を作る為に口説いているように見えるが、実は本当に恋をしたというワケの分からない設定でした。
アンを大切に思っているように見えないのは、描写の時間が足りすぎるからだろうか。

感想

個人的な評価

ジョン・ストックウェル監督はこれまで『イントゥ・ザ・ブルー』、『ダーク・タイド』と言った海をテーマにした作品を手がけている。
ある意味、海を舞台にした作品のスペシャリストとも言える映画監督である。
そんな本作はジョン・ストックウェル監督にとって初の海をテーマにした作品です。
さすがに海の作品を手がけているだけに、演出や映像は迫力と美しさを表現しています。
サーフィンというスポーツの魅力を充分に伝えており、更にノースショアの凄さも同時に伝えています。
ノースショアはサーファーにとって聖地であり、本作で開催された大会も実際にあります。
映像としては申し分ないし、大会の目玉であるパイプラインの美しさも目を見張る。
しかし、本作の脚本は個人的に最も嫌いなタイプの作品となりました。
主人公のアン・マリーはもの凄い才能を持っていて、誰よりも努力してきました。
だが、事故でケガをしてしまい、それ以来恐怖心で今一つ実力が出せない状態だった。
そこに休暇でやって来たフットボールのスター選手と出会って恋に落ちる。
別に恋するのは問題ではないが、大会まで数日しかない中でマトモに練習をせず男とずっと一緒にいる。
誰よりもアンの才能を認め、将来がかかった大会に熱心な親友の言葉すら無視する。
それなのに、大会当日になって恐怖心はあるけど、なぜか途中で克服して優勝してしまう。
マトモに練習もしていないし、恐怖心もなぜか克服し、極めつけは対戦相手がサポートするという展開となる。
すべては主人公の為に用意された舞台であり、情熱も消えかかっているのに優勝する。
この流れは努力している人たちをバカにしているようにしか感じなかったです。
前夜まで男と寝て遊びまくっているヤツが大会で優勝するなんて、逆に大会のレベルを疑ってしまう悪い構成だと思います。
やはり、主人公は苦悩して、恐怖を乗り越えて、それまで信頼してくれた親友たちの為に優勝する意気込みなら理解できます。
だが、本作では口で優勝したいと言っているけど、行動が伴っていないから説得力がない。
最後は主人公補正で勝つけど、これほど喜べない優勝はないと感じました。
優れた映像や演出だが、脚本がクソすぎて個人的にはもったいないと思った作品でした。