パージ:大統領令 RE-2573

作品紹介

公開年月  2017/04/14
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  ジェームズ・デモナコ
脚本  ジェームズ・デモナコ
製作  ジェイソン・ブラム、マイケル・ベイ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

大統領選の年を迎えたアメリカ、パージの夜を二日後に控えたワシントンDC。
幼い頃に家族がパージで殺されたチャーリー・ローン上院議員が反パージを訴えて大統領選に立候補し、支持を広げていた。
そんなチャーリーの警護に当たるのは二年前のパージの夜に亡き息子の復讐を遂げた元警察官のレオだった。

登場人物&出演者

レオ・バーンズ(演:フランク・グリロ)
元警察官。ローン上院議員の警備主任を務める。上院議員の勝手な行動に頭を悩ませている。
フランク・グリロは近年の出演作に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『ダークハウス』などがあります。
普段から命を狙われる事が多い上院議員を警護し、自ら危険な行動する彼女に振り回される。
パージの当日は無防備な自宅で待機する上院議員の言葉に頭を抱えるも警備を固める。
裏切り者によってローンが殺されかけるが、なんとか切り返してジョーの店に逃げ込んだ。
最後はローンの救出を成功させ、傭兵のアールを倒し、大統領選での勝利を見守った。

チャーリー・ローン(演:エリザベス・ミッチェル)
上院議員。過去にパージで家族を目の前で殺される。パージをなくすべく大統領選に出馬。
エリザベス・ミッチェルは代表作に『オーロラの彼方へ』、『サンタクロース・リターンズ!クリスマス危機一髪』などがあります。
誰よりもパージの残酷さを知っていて、それをなくす為に命を狙われる覚悟で訴えている。
パージの当日ではシェルターでの避難を拒否し、支持者たちと同じく自宅で待機する。
裏切り者によって危うく暗殺されるが、レオがすぐに対処してジョーの店に逃げ込んだ。
最後は新しい建国の父たちに捕まるが、レオたちの救出で助け出され、大統領選に勝利した。

ジョー・ディクソン(演:ミケルティ・ウィリアムソン)
雑貨屋の店主。従業員のマルコスや常連客のレイニーを大切にする。万引きには厳しい。
ミケルティ・ウィリアムソンは代表作に『フォレスト・ガンプ/一期一会』、『ファイナル・デッドサーキット』などがあります。
パージの前日で保険会社から法外な保険料を請求されるが払えず、自分で店を守ろうとする。
店の屋上に陣取り、パージの当日では一人で命を懸けて守ろうと覚悟を決めていた。
マルコスが合流して襲ってきた不良女子学生を撃退し、ローンとレオとともに安全な場所へ。
最後はローン救出で乱入してきた処刑人と相打ちになり、店をマルコスに託して死ぬ。

マルコス・ダリ(演:ジョセフ・ジュリアン・ソリア)
ジョーの店の従業員。ローン上院議員の熱烈な支持者で、彼女が政治を変えると信じている。
ジョセフ・ジュリアン・ソリアは代表作に『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』、『ロック・ミー・ハムレット!』などがあります。
保険会社から見放されたジョーが自分で店を守ろうとして、レイニーとともに反対をした。
フアレス出身で日常茶飯事で撃ち合いがあって、そのおかげで射撃の腕が磨かれた。
逃げていたローンとレオを店に迎え入れ、最後まで守るのが運命だとジョーを説得した。
最後はローンの救出を成功させ、ジョーの遺志を引き継いで店をレイニーとともに修繕する。

レイニー・ラッカー(演:ベッティ・ガブリエル)
ジョーの店の常連客。昔は伝説のギャング“ピケーニャ・ムエルテ”と呼ばれていた。
ベッティ・ガブリエルは代表作に『In Memoriam』、『Experimenter』などがあります。
不良学生の間でも有名だが、今はすっかりと足を洗って普通の生活を送っている。
ジョーを大切な家族のような存在だと思い、パージで彼が自ら店を守る事に反対していた。
パージの夜ではパトロールをして、助けを求める人たちと拾って安全な場所に移送する。
最後はローンの救出を成功させ、ジョーの店を引き継いだマルコスと修繕をする。

不良女子学生(演:ブリタニー・ミラビル)
ジョーの店に来た不良女子学生。友達と悪ふざけをして、チョコバーを盗もうとした。
ブリタニー・ミラビルは本作が長編映画デビュー作となっています。
パージの夜に両親を殺し、次にジョーの店をぶっ潰す為に仲間を引き連れてくる。
そこに連絡を受けたレイニーがやって来て、車で撥ねられ、最後は頭を撃ち抜かれる。

ダンテ・ビショップ(演:エドウィン・ホッジ)
パージ反対派グループのリーダー。過去にパージで命を狙われるがとある家族により助かる。
エドウィン・ホッジは代表作に『レッド・ドーン』緒、『パージ』シリーズなどがあります。
パージは新しい建国の父らによって、貧困層がターゲットにされている事を強く訴える。
新しい建国の父を抹殺する計画を立て、彼らがパージで行うミサを襲撃しようとする。
結果的にローンが生け捕りにされてしまい、レオの提案で暗殺計画から救出計画へ変更した。
最後は襲ってきた傭兵部隊と対峙し、数人を車で轢き殺すもアールに射殺されてしまう。

アール(演:テリー・セルピコ)
新しい建国の父が雇った傭兵。部隊を引き連れてローンの生け捕りの任務を行う。
テリー・セルピコは代表作に『フェイク』、『フィクサー』などがあります。
全身に入れ墨をしていて、あくまで任務に忠実な傭兵として疑問を持たずに行動する。
最後はレオと一対一となり、殴り合いからナイフでの格闘をして敗北してしまう。

エドウィッジ・オーウェンズ(演:カイル・セコー)
牧師。新しい建国の父から大統領選に出馬する。パージを強く推し進める主流派。
カイル・セコーは代表作に『愛がこわれるとき』、『ドロップ・ゾーン』などがあります。
宗教家であるが、熱烈なパージ支持者でパージ・ミサでローンを生贄にしようとする。
最後はダンテが殺さない事を選択して生き残り、大統領選では当然のように敗北してしまう。

ケイレブ(演:レイモンド・J・バリー)
新しい建国の父の指導者。反パージ派として台頭するローンを痛烈に批判して処分を決める。
レイモンド・J・バリーは代表作に『フォーリング・ダウン』、『トレーニング・デイ』などがあります。
大統領選に出馬する牧師の活躍を評価する一方で、ローンを倒すべく手段を選ばない。
最後はパージ・ミサでローンを殺そうとするが、レオやダンテの襲撃で最初に殺された。

感想

個人的な評価

本作は監督のジェームズ・デモナコによるシリーズの三作目となります。
一作目では斬新な設定、二作目で新たな主人公を提示し、本作に突入しています。
一年に一回、夜の7時から翌日の7時まで警察署、消防署、救急医療サービスが停止して殺人が合法になる祝日はアメリカンな発想だと言える。
倫理的な問題が非常に多く、実現する事は不可能に近いけど、本作ではアメリカは一度崩壊しているという設定となります。
それを立て直した「新しい建国の父」という政党が国を支えているが、これは決して架空の話しじゃないとも言える。
現実的に不可能であるが、一度社会が崩壊してしまうと、パージのような制度が作られてもおかしくないと思う。
だからこそ一作目や二作目がヒットしていて、その上に本作がシリーズ最大のヒットになったのも面白いところです。
何より本作はサブタイトルから分かるように政治が色濃く関わっていて、公開当時はヒラリー・クリントンとドラルド・トランプの大統領選が注目されていた影響もあったのだろう。
本作は実際の政治と何かしらリンクしていた点、前作で活躍した主人公が本作でも活躍する点が最大のヒットに繋がったと思います。
本来ならば、こういうタイプの作品はシリーズを重ねるごとに陳腐となって、予算が大きく削られるが、大ヒットした作品と遜色ない雰囲気になっています。
一作目はイーサン・ホークというハリウッドスターを起用しながらも作品は地味でした。
二作目で知名度が少し落ちるフランク・グリロを起用したが、作品との相性が非常に良くシリーズの主人公とも言える存在になる。
そして、本作ではフランク・グリロが引き続き出演し、新たな顔ぶれも増えているが、彼らもちゃんと一つの目的で共闘する事になります。
この展開は非常に熱く、アメリカの未来をかけて護衛官のレオ、一般市民であるジョーを筆頭にした従業員のマルコスや常連客のレイニーたちの活躍が非常に良かったです。
相変わらず展開は非常に早い作品であるが、それは本作に上手く連動して、テンポ良く進んでいく構成、それと仲間が増えていく段階はまるでゲームのような感覚。
頼もしい仲間が増えていき、みんなが一つの目的に向かって生き抜こうとするサバイバルはシリーズの中で最も意味のあるモノになっています。
更に物語の核心部分である「パージ」自体がテーマとなっているので、前作までの単なるサバイバルと違った深みがちゃんと出ています。
本作で感じた点として、ジェームズ・デモナコ監督が作品を重ねるごとに成長している点。
普通なら陳腐になっていくパターンの作品なのに、単純な「パージ」というアイデアから上手く世界観を膨らませていると思います。
何より本作をゲームのような感覚にしながらも、政治に対する皮肉を訴えているところも薄っぺらな内容から脱しているのも大きいと感じました。
ジェームズ・デモナコ監督は四作目の製作を熱望しているが、前日譚なのか、単純な続編なのか分からないが、この成長力を見ると期待できると思います。