ハンガー・ゲーム2 RE-2207

作品情報

公開年月  2013/11/22
ジャンル  アクション/サスペンス/SF
原作  スーザン・コリンズ 『ハンガー・ゲーム2/燃え広がる炎』
監督  フランシス・ローレンス
脚本  サイモン・ボーファイ、マイケル・アーント
製作  ニーナ・ジェイコブソン、ジョン・キリク
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

第74回“ハンガー・ゲーム”で奇跡の優勝を遂げ、無事に故郷の第12地区に凱旋を果たした“炎の少女”カットニス。
そんな彼女を待っていたのは民衆の熱狂的な歓迎であり、それは圧政に苦しむ彼らはカットニスの戦いに勇気を得て、政府に対する反乱の機運が高まっていた。
しかし、独裁者のスノー大統領はこの状況にただ静観せず、反乱の中心人物となっているカットニスを抹殺する為にある秘策を用意する。
それは次回の大会に歴代の優勝者24名による史上初の“グランドチャンピオン・バトル”を開催するというモノだった。
こうして、自らの意に反して再び戦いの場へと引きずり出されたカットニスは、もう一度生きて帰る為、百戦錬磨の最強チャンピオンたちに立ち向かうのだった。

登場人物

カットニス(演:ジェニファー・ローレンス)
主人公。前作の活躍によってキャピトルの人々に希望をもたらした。
ジェニファー・ローレンスの代表作には『ウィンターズ・ボーン』、『ハンガー・ゲーム』シリーズ、『アメリカン・ハッスル』があります。
『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー主演女優賞を受賞している実力派の女優。
前作ではディストピア映画らしく、世界を変えられる存在となったヒロイン。
ただ、カットニスには喜びはなく、当然ながら圧政を強いる政府に対して強い不満を持つ。
それで強制的に大会へ参加させられるけど、当たり前のように勝ち抜くのは明白です。
さすがにジェニファー・ローレンスは演技が上手いけど、そもそもディストピア映画は好きじゃないから今ひとつ入り込めない。

ピータ(演:ジョシュ・ハッチャーソン)
前作でカットニスとともに大会で生き残った勝者で設定上の婚約者。
ジョシュ・ハッチャーソンの代表作には『センター・オブ・ジ・アース』シリーズ、声の出演として『ポーラー・エクスプレス』や『ハウルの動く城』があります。
とにかく、本作はジェニファー・ローレンスが前面に出ているから役割は非常に小さい。
前作からのヘタレも本作でもしっかりと主人公のオマケという感じがしています。

ゲイル(演:リアム・ヘムズワース)
カットニスにとって信頼を寄せる数少ない狩猟仲間だが、本作では出番がちょい役。
リアム・ヘムズワースは代表作には『ノウイング』、『エクスペンダブルズ2』、『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』があります。
名前から分かるように『マイティ・ソー』で知られるクリス・ヘムズワースの弟です。
ちょい役だけど、間違った制度に反旗を翻すキャピトルの代表になります。

ヘイミッチ(ウディ・ハレルソン)
前作ではカットニスたちを指導者として勝利に導くが酒浸り。
ウディ・ハレルソンの近年の出演作には『ファーナス/訣別の朝』、『グランド・イリュージョン』、『セブン・サイコパス』があります。
どんな作品でも存在感をしっかりと残す名脇役だが、本シリーズでも主人公をサポートする役に徹しています。

スノー大統領(演:ドナルド・サザーランド)
もう見ているだけでも悪そうな雰囲気があって、本シリーズにおけるラストボスである。
ドナルド・サザーランドの近年の出演作には『鑑定士と顔のない依頼人』、『トレジャー・アイランド』、『モンスター上司』があります。
ベテラン俳優として数多くの作品に出演していますが、やはり、悪役こそがドナルド・サザーランドの真骨頂でしょう。

プルターク(演:フィリップ・シーモア・ホフマン)
本作より新たなゲームメイカーのチーフとして登場する。
フィリップ・シーモア・ホフマンは2005年に公開された『カポーティ』では主演男優賞を受賞した実力派俳優で、2007年『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』と2008年『ダウト/あるカトリック学校』ではアカデミー助演男優賞にノミネートされています。
本シリーズの3作目が彼の遺作となりましたが、新たなキャラクターとして多い登場人物の中でもしっかりと印象に残る。

エフィー(演:エリザベス・バンクス)
前作では第12地区の付き添い係で本作でも同じように登場する。
エリザベス・バンクスの代表作には『スパイダーマン』シリーズ、『幸せのセラピー』、『崖っぷちの男』です。
まさにキャピトルの市民として代表的なキャラクターだが、なぜか憎めないところがある。
カットニスたちとは生きる世界が違っても、気持ちを分かち合った貴重な人物でした。

感想

個人的な評価
ディストピア映画のヒット作として知られる。
原作も同様にアメリカで大ヒットしており、特に電子書籍として驚異的な売上げを記録しています。
2014年には三部作として完結していますが、個人的には微妙な印象しかない。
そもそも1作目は大昔に鑑賞しているせいでほとんど内容を覚えていない。
なので、本作はリセットされた状態からの鑑賞でも、それなりに分かりやすい内容になっていると感じさせる薄さです。
そもそもヤングアダルト小説なので、専門用語は当たり前のように出るけど基本的には小難しいストーリーではない。
他のディストピア映画と比べて、2作目という事もあって、そこまで置いてきぼりを食らわない優しい作りになっていると思います。
ただ、肝心のゲームは中盤以降から始まるので、それまではダラダラとグダグダの展開に緊張感は一切ない。
だからそのまま突入したゲームにも緊張感がなく、そもそも主人公が必ず生き残るから尚更退屈に感じてしまう。
ジェニファー・ローレンスの演技力で主人公として目立っているが、残念ながらキャラクターに面白味はない。
それに本シリーズの最大の魅力と言えたゲームの方向性が完全に守りとなってしまった。
本来はその気がないが強制的に人と人が殺し合う悲しい設定が魅力だったのに、本作ではそれを簡単に捨ててCGの映像に頼ってしまった。
生き残りのサバイバルの代わりとして、闘技場に仕掛けられたトラップから逃げるサバイバルに主点が置かれている。
こうなってしまうと、本作は『ハンガー・ゲーム』である必要性がなくなってしまっている気がした。
基本として三部作の2作目は繋ぎ役になる事が多く、本作はまさにその典型と言える作品。
ハッキリ言って、3作目の為の布石になっている上に予算が増えてやりたい事が多くなって本来の魅力から乖離した。
上映時間が150分と非常に長いワリに内容がスカスカなのは、余計なエピソードや登場人物が多い証拠です。
とりあえず、3作目の布石という意味で本作を鑑賞しないとダメだろうが、本来なら90分に凝縮できる内容だと思います。