X-MEN:フューチャー&パスト MY-244

作品紹介

公開年月  2014/05/23
ジャンル  SF/アクション
原作  クリス・クレアモント(原作)、ジョン・バーン(作画)

『デイズ・オブ・フューチャーパスト』

監督  ブライアン・シンガー
脚本  サイモン・キンバーグ
製作  ローレン・シュラー・ドナー、ブライアン・シンガー、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  購入ブルーレイ

あらすじ

2023年、地球はバイオメカニカル・ロボット“センチネル”の暴走によって滅亡へ向かっていた。
それはミュータントを危険視したボリバー・トラスクにより開発されたが、次第にセンチネルは人間にも攻撃を加えるようになる。
そこでプロフェッサーXとマグニートーは手を組み、トラスクが開発を始める1973年に遡って危機の根源を絶つ事を決断する。
再生能力を持つウルヴァリンは意識を50年前へ送り込み、未来と過去で世界の運命を分ける戦いが始まるのだった。

登場人物&出演者

ローガン/ウルヴァリン(演:ヒュー・ジャックマン)
全身に破壊不能な金属アダマンチウムを埋め込まれ、驚異的な治癒能力を持っている。
ヒュー・ジャックマンは近年の出演作に『プリズナーズ』、『ウルヴァリン:SAMURAI』などがあります。
シリーズの主人公的な立場であるが、本作はあくまで物語のきっかけとして機能しています。
肝心なところで行動不能になり、マグニートーを前にして何もできず退場してしまう。
しかし、今回は彼が主人公ではないので、こういう役回りになったのは逆に良かったです。

【1973年】

チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(演:ジェームズ・マカヴォイ)
世界で最も強力なテレパス。セレブロという装置で全世界の人間やミュータントと繋がる。
ジェームズ・マカヴォイは近年の出演作に『フィルス』、『トランス』などがあります。
この時代では多くの仲間を失い、脊髄治療の副作用で能力が使えない状態になっている。
更に能力で過酷な現実から逃げる為、学校も閉鎖して酒を飲む自堕落な生活を送る。
しかし、ローガンや未来の自分の言葉により、ミュータントたちを守る為に立ち上がる。

エリック・レーンシャー/マグニートー(演:マイケル・ファスベンダー)
磁力であらゆる金属を操る。地球上で最も強力なミュータントの一人で人間を敵視している。
マイケル・ファスベンダーは近年の出演作に『それでも夜は明ける』、『悪の法則』などがあります。
大統領殺害の罪でペンタゴンの地下に収容され、死んだような毎日を過ごしていた。
未来を守る為にチャールズたちによって解放されるが、やはり、人間を敵視している。
試作段階のセンチネルを操り、野球場を移動させるなど、スケールの大きさを見せます。

レイヴン・ダークホルム/ミスティーク(演:ジェニファー・ローレンス)
自由自在にどんな姿にも変身できる能力を持つ。高い身体能力も備わり素手でも強い。
ジェニファー・ローレンスは近年の出演作に『アメリカン・ハッスル』、『ハンガー・ゲーム2』などがあります。
本作ではヒロインだけじゃなく、運命を変えるような主人公的なポジションとなります。
これまでは守られるだけの存在に甘んじていたが、本作は大胆な行動を持っている。
その為、かなり重要な役目を担っていて、彼女の決断により未来が変わっていく。

ハンク・マッコイ/ビースト(演:ニコラス・ホルト)
野獣のような姿と怪力や俊敏性を発揮する。天才的な頭脳の持ち主で色々と開発している。
ニコラス・ホルトは近年の出演作に『マッド・ガンズ』などがあります。
自堕落的な生活を送っていたチャールズのお守りとして彼に黙って付き従っていた。
普段は開発した薬で人間の姿であるが、自発的に碧い野獣へ変身して戦いに身を投じる。

アレックス・サマーズ/ハボック(演:ルーカス・ティル)
太陽エネルギーを吸収し、プラズマブラストとして放出能力を持つ。ベトナム戦争に従軍。
ルーカス・ティルは近年の出演作に『パワー・ゲーム』などがあります。
前作と違って能力を制御し、片手から衝撃波のようにプラズマブラストを発射できる。

ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー(演:エヴァン・ピーターズ)
超高速で移動する能力を持つ。能力を使って好き放題に盗み、一度も捕まった事がない。
エヴァン・ピーターズは近年の出演作に『グッド・ドクター/禁断のカルテ』などがあります。
ウルヴァリンに見出され、マグニートーをペンタゴンから逃がす大役を担う事になる。

ボリバー・トラスク(演:ピーター・ディンクレイジ)
トラスク・インダストリーズの社長。ミュータントを狩るロボット「センチネル」を開発。
ピーター・ディンクレイジは近年の出演作に『私だけのハッピー・ウェディング』がある。
ミュータントに対して敬意を表する一方、その恐ろしさをいち早く訴えていた。

ウィリアム・ストライカー(演:ジョシュ・ヘルマン)
ミュータントは人間の敵だと信じている軍人。トラスクに雇われ、ミュータントを捕獲する。
ジョシュ・ヘルマンは代表作に『アニマル・キングダム』、『アウトロー』などがあります。
要所で登場して色々と邪魔し、何度もミスティークに殴られ利用される損な役回りに。

【2023年】

チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX(演:パトリック・スチュワート)
未来では車輪のない車椅子を使い、過去を変えられる事を知って行動を起こす。
パトリック・スチュワートは近年の出演作に『ウルヴァリン:SAMURAI』、『テッド』などがあります。
若い頃のチャールズと対面した時の安心感と説得力はさすがだと言える存在でした。

エリック・レーンシャー/マグニートー(演:イアン・マッケラン)
敵対していたチャールズと和解し、ミュータントを滅ぼうとするセンチネルと戦う。
イアン・マッケランは近年の出演作に『ホビット/竜に奪われた王国』、『ウルヴァリン:SAMURAI』などがあります。
仲間になれば頼もしい存在であるが、センチネル軍団の前ではさすがに勝てなかった。

オロロ・マンロー/ストーム(演:ハル・ベリー)
天候を自由自在に操る能力を持つ。未来ではウルヴァリンの恋人となっている。
ハル・ベリーは近年の出演作に『ザ・コール/緊急通報指令室』などがあります。
センチネル軍団の船を沈める活躍をするが、奇襲を受けて最初の犠牲者になってしまう。

キティ・プライド/シャドウキャット(演:エレン・ペイジ)
物体をすり抜ける能力を持つ。対象者の意識だけの過去にある肉体へ送り出す事ができる。
エレン・ペイジは近年の出演作に『ザ・イースト』、『ローマでアモーレ』などがあります。
センチネルに追われる未来で生き延び、ミュータントたちを救うカギを握る事になる。

ボビー・ドレイク/アイスマン(演:ショーン・アシュモア)
全身を氷の結晶へ変え、冷気や氷を自由自在に操る。足場を凍らせながら移動できる。
ショーン・アシュモアは近年の出演作に『THE DAY/ザ・デイ』などがあります。
シャドウキャットと恋人関係であり、最後の守り手としてセンチネルの攻撃を受ける。

感想

個人的な評価

『X-MEN』のシリーズとして5作目となり、スピンオフを含めて7作目となります。
前作よりシリーズに復帰したブライアン・シンガーが監督を務めています。
一時はブライアン・シンガー監督は『スーパーマン・リターンズ』に寝返ったが、やはり、古巣に戻ってきました。
アメコミ原作映画と言えば、『アベンジャーズ』や『ジャスティス・リーグ』がメジャーだが、第三の勢力として『X-MEN』のシリーズがあります。
その中で『ウルヴァリン』がスピンオフで二作、新たに『デッドプール』が製作されました。
その母体となっているのは20世紀フォックスで、ミュータントを扱ったアメコミ原作映画を実写化しているという感じです。
本作は前三部作の前日譚として描かれ、キャストも一新されたが、今回でクロスオーバーする事になります。
主人公的な立ち位置にウルヴァリンが置かれているけど、過去の物語ではプロフェッサー、マグニートー、ミスティークが主軸となる。
未来の世界と過去の世界で同時に進行していく構成であるが、上手く連動させています。
ブライアン・シンガー監督の演出はあまり上手くないけど、さすがに本作は手慣れた事もあってリンクしています。
特にクライマックスで未来はセンチネルの集団、過去ではマグニートーの襲撃を上手く連動させ、ハラハラとドキドキを与えてくれています。
相変わらず戦闘シーンは中途半端だが、一応の見せ場はそれぞれに作っています。
本作は特に未来のチャールズを演じるパトリック・スチュワート、過去のチャールズを演じるジェームズ・マカヴォイが対面するシーンは震える。
新旧のプロフェッサーが出会い、お互いに「チャールズ」と呼び合うセリフは良かった。
様々なキャラクターが登場する中で、鮮烈なデビューとなったのはクイックシルバー。
こちらは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』にも登場しているが、実質的な別人だと言えるだろう。
本作のクイックシルバーを演じるエヴァン・ピーターズは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で演じたアーロン・テイラー=ジョーンズとは『キック・アス』で共演している。
クイックシルバーの体感している時間をちゃんと観ている側にも見せるのは良いサービスだったと思います。
ただ、どうしても個人的に大前提となっているキティ・プライドがタイムトラベルを可能にする能力の拡大解釈に納得できない部分がある。
それを否定したら本作の意味合いがなくなるので、ここら辺は納得するしかないが。
本作はかなり踏み込んだヒューマンドラマになっていて、これまでのシリーズよりも深い物語になっているのは納得できました。
やはり、新三部作になってからのブライアン・シンガー監督は理解度が増している分、登場人物たちの心情をより豊かに表現しているのは大きい。
ブライアン・シンガー監督の成長が見て取れるシリーズだと感じられます。