アドベンチャー・オブ・アラジン RE-3141

作品紹介

公開年月  2019/05/13
ジャンル  ファンタジー/アドベンチャー
原作  なし
監督  G・アラン・キャンベル
脚本  G・アラン・キャンベル、タミー・クライン
製作  デヴィッド・マイケル・ラット
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

古代アラビアのバグダッドで曲芸師の若者アラジンは、王位継承者のシャーザディ王女に恋をしてしまう。
アラジンはあらゆる願いが叶うという“魔法のランプ”を求めて伝説の洞窟を探検する。
数々のトラップを潜り抜けて“ランプの精”であるジーニーの魔力を手にするが、それは王国の大臣マグレブの陰謀だと判明するのだった。

登場人物&出演者

アラジン/アリ・アバッバ王子(演:アダム・ホリック)
主人公。大道芸人で曲芸師。バグダッドの町に来て泥棒を捕まえた事で王女に褒められる。
アダム・ホリックは本作が長編映画デビュー作となります。
見事な体のこなしに目をつけたマグレブに洞窟へ連れられると、魔法のランプを手に入れる。
ランプの精霊であるムラトを友人だと話し、無限にできる願い事で王子に変装した。
マグレブに捕まった王女を助けようと仲間をほとんど犠牲にしながら城へたどり着いた。
最後はランプを破壊してムラトがマグレブを倒し、国王となったシャーザディと結婚をする。

シャーザディ王女(演:ルシア・サイプテラス)
ヒロイン。バグダッド王国の次期国王に父親から指名された。マグレブを信頼していた。
ルシア・サイプテラスは本作が長編映画デビュー作となります。
国王として町を見物していると、アラジンの泥棒を捕まえるところを見て褒美をあげた。
アラジンが王子に扮して正体を受けると、自分の宮殿よりも豪華な城に目を奪われる。
マグレブが精霊を手に入れてやりたい放題すると、口だけで文句を言って一切動かない。
最後はアラジンの主人公補正でマグレブが倒されて、法律を変えて彼との結婚を実現した。

ムラト(演:ロード・クラヴェン)
魔法のランプに封印される精霊。1万年もランプの奴隷で、主人には絶対的な忠誠を誓う。
ロード・クラヴェンは代表作に『Holla』、『The Impaler』などがあります。
マグレブの策略でランプを手に入れたアラジンの召使いとなり、無限に願い事を叶えていく。
フレンドリーなアラジンの対応に感動して、初めて人間に対して名前を教えていた。
マグレブにランプを奪われて仕方なく従う事になり、不本意ながらも彼の願い事を叶える。
最後はアラジンの主人公補正でマグレブを倒す手助けをして、自由の身となって喜んだ。

ナヴィーナ(演:ナヤ・アブー・ムーサ)
アラジンが家族同然だと思っている大道芸の仲間の一人。紅一点でアラジンに片想いする。
ナヤ・アブー・ムーサは代表作に『In me』、『Know Your Enemy』などがあります。
アラジンが王女に惹かれていると察知し、そこからずっと不機嫌な顔と文句しか言わない。
王女に気持ちが傾くアラジンに何度も注意し、仲間に自分の方が彼を知っていると嫉妬する。
仲間が次々と犬死にしても王女を助けるアラジンを理解できず、一緒に助ける事を止める。
最後はアラジンがピンチになって助け出し、失った仲間を忘れて結婚を普通に祝った。

ザミール(演:モンロー・ロバートソン)
アラジンが家族同然だと思っている大道芸の仲間の一人。仲間の中では最年長に見える。
モンロー・ロバートソンは代表作に『アイ・アム・キューブリック!』、『Buttercup Bill』などがあります。
行動的なアラジンのフォローをしながら、仲間のバランスを保つ重要な役目を担っている。
ずっと文句を言っているナヴィーナをなんとか落ち着かせ、アラジンを引き立てていく。
最後は犬死にしていく仲間と違い、なんとか城にたどり着くも、アラジンの為に犠牲となる。

サマド(演:マニー・ザルディバー)
アラジンが家族同然だと思っている大道芸の仲間の一人。ナヴィーナの実の兄というだけ。
マニー・ザルディバーは本作が長編映画デビュー作となります。
他の仲間と比べて存在感がまるでなく、ナヴィーナの兄という立場以外の要素はない。
最後は竜巻に襲われていた竜巻から助け出し、結局は身代わりとしてあっさりと死んだ。

ダリウシュ(演:ハボン・バラカ)
アラジンが家族同然だと思っている大道芸の仲間の一人。黒人でなぜか哲学者みたいな口調。
ハボン・バラカは代表作に『President Evil』、『Skyvault』などがあります。
回りくどい言葉の使い方に他の仲間が辟易するが、それでも本人は楽しみながら発言する。
アラジンが王女を助けようと決めると、最初はナヴィーナの意見に賛同するも多数派に従う。
最後は闇の力で仕掛けられた竜巻に囚われると、少しだけ抵抗して結局は死んでしまう。

マグレブ大臣(演:ダニエル・オライリー)
バグダッド王国に長らく仕えてきた助言者。シャーザディ王女が国王になり不満を漏らす。
ダニエル・オライリーは代表作に『Celine』、『Vermin Town』などがあります。
闇の者と通じていて、その力を借りて魔法を使うけど、国を支配するほどの威力はない。
アラジンを使ってランプを奪おうとするも失敗してしまうが、機転を利かして奪う事に成功。
ムラトを使って国王になって王女を妻にしようとするが、アラジンの主人公補正に勝てず。
最後は自由になったムラトの起こした竜巻で崖から落ちて、呆気なく死んでしまった。

感想

個人的な評価

本作はみんな大好きアサイラム製作とアルバトロス配給という黄金コンビの作品となります。
当然のように本作はウィル・スミスが出演している『アラジン』ではありません。
アサイラムが早速と便乗作品を低予算と短期間で作って、アルバトロスが本家に寄せるようなジャケットと宣伝を作ってくれる。
まさに黄金コンビとも言える仕事人ぶりに目を見張る一方で、いつも通りの残念なクォリティーで楽しませてくれます。
今回はちゃんと本家を鑑賞した後に本作を鑑賞しているが、同じ題材を扱ってもディズニーとアサイラムでは雲泥の差があると再認識させられました。
本家ではアラジンを苦労人であってチャンスを手にしたメナ・マスード、ランプの魔神であるジーニー役にウィル・スミスという新人とベテランの組み合わせです。
それに対して、本作ではアラジンを無名のムキムキなマッチョアダム・ホリック、ランプの精霊であるムラトをメタルバンドのボーカルのロード・クレイヴンが演じます。
本家と便乗作品だけでも主要人物たちの差が明らかすぎて、そのままディズニーとアサイラムの違いをマザマザと見せつけられます。
設定も若干変わっていて、アラジンがコソ泥じゃなく曲芸師になっているが、あの筋肉では軽業よりも鍛冶職人にしか見えない。
ジーニーも名前がムラトになって、魔法の“魔神”じゃなくランクが下の“精霊”になっているのも興味深いです。
ただ、格下の精霊なのに願い事はまったく制限がなく、ランプから解放されるには破壊すればいいだけという。
ラストでは当たり前のようにランプは破壊されるが、本家ではジーニーは人間になるけど、ムラトは魔法を使える状態で自由になっているという。
とにかく、全体的にチープな作りになっているのは言うまでもないが、アラジンの仲間の扱い方があまりにもヒドイです。
仲間のその1は竜巻に巻き込まれて犬死にし、その2も竜巻に巻き込まれて犬死にし、その3もアラジンを助けて代わりに焼かれる。
唯一の紅一点の仲間も王女に惹かれるアラジンに怒っていて、物語のほとんどイライラしている顔しか見せていなかった。
何よりスゴイのは、あれだけアラジンが仲間を家族だと話していたのに、犬死にした彼らの事を忘れて王女との結婚で頭がいっぱいになる薄情さは笑えた。
結局、仲間は紅一点を除けば犬死にして報われず、アラジンだけがいい思いをするという悪役のマグレブも驚くようなラストでした。