呪怨館 VD-344

作品紹介

公開年月  2016/11/06
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  マック・カーター
脚本  アンドリュー・バレル
製作  ビル・ブロック、ポール・ハンソン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

アッシャー家の三人は子供と人里離れた美しく広大な一軒家に引っ越してきた。
新居に引っ越してきたエヴァンは、隣家の美少女サマンサとすぐ仲良くなっていた。
ある日、サマンサが家の屋根裏で霊と交信できるボックスを興味半分で動かすが、その瞬間から次々と怪現象が起きるのだった。

登場人物&出演者

エヴァン・アッシャー(演:ハリソン・ギルバートソン)
主人公。18歳の少年。両親の都合でド田舎に引っ越してきた。不満を持つも正直に言わない。
ハリソン・ギルバートソンは代表作に『バージニア/その町の秘密』、『アップグレード』などがあります。
散歩していたら泣いていたサムに出会い、次の日には無断でベッドにいるも受け入れる。
モレロの残した霊と交信するボックスを作動させ、そのせいで過去の出来事を見てしまう。
サムの誘惑に何度も負けてしまい、幽霊に取り憑かれ、モレロの言葉に従いボックスを処分。
最後は母親に憑依されたサムが真実を知り、ボックスを燃やした怨みでトンカチで殺された。

・サム/サマンサ(演:リアナ・リベラト)
ヒロイン。エヴァンたちの隣に住んでいる。母親が家を出て酒浸りで暴力的な父親と暮らす。
リアナ・リベラトは代表作に『ブレイクアウト』、『かけがえのない人』などがあります。
毎日のように父親から暴力を振るわれ、外で泣いているとエヴァンと出会ってメンヘラ発動。
次の日には無断でエヴァンのベッドに上がり込み、霊と交信するボックスを面白半分で作動。
憑依された事で自分の父親がモレロの夫で、不倫で生まれたと知って母親を探していた。
最後は母親に憑依され、エヴァンをトンカチでぶっ殺し、掘り起こそうとするも捕まった。

サラ・アッシャー(演:ダニエル・チャクラン)
アッシャー家の長女。もうすぐ大学へ進学するのか、いつでも家から出られる状態にある。
ダニエル・チャクランは代表作に『オゾンビ』、『デビルズ・シティ』などがあります。
屋根裏の部屋を狙っていたが、前の住人が残した自画像を見て、エヴァンに軽く譲った。
エヴァンとサムの関係を微笑ましく見ているが、その裏では彼女に対して厳しい視線を送る。
霊との交信を軽く考えている両親やエヴァンに厳しく注意し、二度しないように約束させる。
最後は両親とアニータと出かけて、帰って来たらエヴァンが殺されていて言葉を失った。

アニータ・アッシャー(演:エラ・ハリス)
アッシャー家の次女。下見に来た一軒家ですぐに自分の気に入った部屋を見つけていた。
エラ・ハリスは代表作に『The Boathouse Detectives』、『ヘブンズ・ドア』があります。
実際はジャネットの次女が使っていた部屋で、エヴァンたちより先に何かを見ていたらしい。
エヴァンのベッドで寝ていたサムに声をかけると、挨拶してそのまま自分の部屋に戻った。
自分の部屋で人形と話していたが、それは前の住人だった次女で床が水浸しになっていた。
最後は出かけていた両親とサラたちと帰り、エヴァンが殺されて悲しみの号泣をした。

エミリー・アッシャー(演:アイオン・スカイ)
アランの妻でエヴァンたちの母親。曰く付きの一軒家でも幽霊を信じないから気に入った。
アイオン・スカイは代表作に『リバース・エッジ』、『XOXO』などがあります。
なぜかエヴァンの事を心配しているが、今回の引っ越しは正解だとアランと話しをしていた。
エヴァンがサムを部屋から連れて来ると、上っ面だけしか話しを聞かずに受け入れていた。
ようやくエヴァンがサムに振り回されていると察知するが、深くは咎めない詰めの甘さ。
最後はモレロに殺された母親に憑依されたサムにエヴァンが殺され、ただ泣き崩れるだけ。

・アラン・アッシャー(演:ブライアン・ウィマー)
アッシャー家の大黒柱。医者。サラと同じく幽霊を信じないので一軒家を即決で購入した。
ブライアン・ウィマーは代表作に『エルム街の悪夢2/フレディの復讐』、『ワイルド・トレジャー/ブッチ・キャシディの秘宝』などがあります。
サラとエヴァンについて心配しているが、長い目で見れば彼にとって悪くないと話していた。
シャワーを浴びていたサムが悲鳴を上げると、幽霊を見たと聞いても真に受けていない。
エヴァンとサムが付き合っている事には無関心で、あとは全部エミリーに任せていた。
最後は家に帰るとエヴァンが殺されているのを発見し、母親の亡骸を探すサムを止めた。

・ジャネット・モレロ(演:ジャッキー・ウィーヴァー)
アッシャー家が引っ越す前の住人。元小児科医。夫と三人の子供を自殺と事故で亡くす。
ジャッキー・ウィーヴァーは代表作に『アニマル・キングダム』、『バード・ボックス』などがあります。
夫が亡くなった事で家に住みづらくなって、アッシャー家に明け渡して様子を見ていた。
過去に夫がサムの母親と不倫をしていた事を知っていて、様子を見る為に診察をしていた。
ボックスのせいで取り憑かれたエヴァンたちが相談に来ると、燃やして処分しろと言い放つ。
最後はアッシャー家の悲劇を聞いても何も感じず、エヴァンが家族とさまよっていると話す。

感想

個人的な評価

本作は『呪怨』というタイトルが付いていますが、当然のように『呪怨』シリーズとはまったく関係ありません。
しいて言えば、アメリカ版『呪怨』シリーズのプロデューサーが参加している程度でしょう。
近年になった無意味に大量生産されている低予算ハウス系ホラー映画の1本となります。
ただ、本作のオリジナリティとして霊と交信するボックスが登場して、チャンネルを合わせると招き入れる事になる。
そう思わせるような展開であるけど、結局はモレロ家が死んだ一軒家だけでしか起きていないから単なるトリガー程度の道具だと思われる。
残念ながら怖さはまったくないし、恐怖を煽るような場面は典型的なアメリカン・ホラーなので音と映像で驚かせるだけでした。
登場する幽霊は直接的な作用をせず、憑依する事で近くにいる人間を支配する程度でした。
最近のハウス系幽霊は物理攻撃や筋力に任せた攻撃を仕掛けてくるが、本作は予算がなかっただろうからできなかったと思います。
しかしながら、本作で一番の恐怖はメンヘラなヒロインであり、不自然に積極的な彼女に別の意味の怖さを感じました。
エヴァンと初めて会って会話もロクにしていないのに、別れ際に彼の頬にキスをする魔性さ。
次は夜に許可もなくエヴァンの部屋に入って、ベッドに潜り込んで急接近していきます。
三度目は家のプールサイドでタバコを吸うエヴァンの隣に来て、いきなり「私のこと好き?」と唐突に聞いてくる。
まだマトモに自己紹介もしていないし、素性も分かっていないはずなのに、そんな質問している時点で恐怖しかないです。
本作はサムにそのような魔性の女を活用してくれればいいけど、なぜか前の住民であるジャネットもまたワケありのヤバイ人間にしてしまう。
そのせいでサムの怖さとジャネットの怖さがぶつかり合ってしまい、結果的にどっちつかずの中途半端な感じになりました。
サムのメンヘラぶりに振り切るべきか、ジャネットのヤバさに振り切るべきか、どっちかにすれば本作は盛り上がっただけに惜しいと感じました。