アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅 RE-2369

作品紹介

公開年月  2016/05/27
ジャンル  ファンタジー
原作  ルイス・キャロル 『鏡の国のアリス』(原案)
監督  ジェームズ・ボビン
脚本  リンダ・ウールヴァートン
製作  ティム・バートン、ジョー・ロス、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

美しく成長したアリスは、亡き父が遺したワンダー号の船長となり、世界中の大海原で勇猛な剛拳を繰り広げていた。
だが、ロンドンに戻ったアリスは父の愛した船を手放さないといけない状況になった時、彼女の前に青い蝶へと姿を変えたアブソレムが現れる。
再びワンダーランドへ足を踏み入れたアリスは、ここで帰らぬ家族を待ち続け命の危険に晒されているマッドハッターの姿を見る事に。
白の女王に頼まれ、ハッターを助ける為にアリスは時間の番人“タイム”から“クロノスフィア”を盗み出す危険な旅を始めるのだった。

登場人物&出演者

マッドハッター/タラント・ハイトップ(演:ジョニー・デップ)
物語の中心人物。帽子職人として前作ではアリスとともに赤の女王を倒す手伝いをした。
ジョニー・デップは近年の出演作に『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『ブラック・スキャンダル』があります。
本作では亡くした家族を思い出して重い心の病気になって、なぜか死にそうになっている。
戻ってきたアリスに失った家族を取り戻してくれという無理難題をふっかける。
家族が見つかった後は自分の為にアンダーランドが危険になった事を一切気に懸けていない。

アリス・キングスレー(演:ミア・ワシコウスカ)
主人公。父親の船を受け継いでワンダー号の船長になっていたが、元婚約者に奪われる。
ミア・ワシコウスカは近年の出演作に『クリムゾン・ピーク』、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』などがあります。
マッドハッターを助ける為にクロノスフィアを借りる前提で盗む暴走をしてしまう。
そのせいでアンダーランドを崩壊の危機にさらすが、その悪行に対して反省をみせない。
最後はクロノスフィアを元に戻して国を救った風な感じになるが、どう考えてもアリスの行動が崩壊を招いている。
アンダーランドをもう一歩で崩壊させようとした大罪を犯しているのにお咎めなし。

イラスベス/赤の女王(演:ヘレナ・ボナム=カーター)
前作では悪役。本作では地位を失って再び取り戻そうとタイムのクロノスフィアを狙う。
ヘレナ・ボナム=カーターは近年の出演作に『未来を花束にして』、『シンデレラ』などがあります。
救世主のアリスによってすべてを失い、本作では復讐の機会を窺っている。
本作ではなぜ悪行に走ったのか語られるが、なぜかクライマックスではあっさりと改心する。

ミラーナ/白の女王(演:アン・ハサウェイ)
アンダーランドの女王。前作ではイラスベスから国を救うべくアリスに協力を要請した。
アン・ハサウェイは近年の出演作に『マイ・インターン』、『インターステラー』がある。
見た目は完全なる正義の味方と言えるが、実は本作で一番の腹黒い人物であった。
国を統治する女王であるが、過去にはイラスベスを陥れている最悪の脚色をされた人物。

タイム(演:サシャ・バロン・コーエン)
アンダーランドの時間を司る。すべてを動かす大時計と繋がっている。
サシャ・バロン・コーエンは代表作に『マダガスカル』シリーズ、『ブルーノ』があります。
過去や未来に行き来できるクロノスフィアを所持していてアリスに奪われてしまう。
勝手にクロノスフィアを持ち出されて、アンダーランドの危機を口にする正しい人物。
しかし、正論を言っているのに、アリスの主人公という補正によって悪役にされる。

感想

個人的な評価

有名なルイス・キャロルによる児童文学を派手なCGで実写映画化した前作。
特に注目されたのは監督をティム・バートン、主演にジョニー・デップのタッグでしょう。
そこに抜擢されたミア・ワシコウスカ、ティム・バートン作品の常連であるヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイなどのキャストも話題となった。
まさにティム・バートンの作り出すファンタジー作品という印象があった。
そして、本作ではティム・バートンは製作に回り、監督には『ザ・マペッツ』で知られるジェームズ・ボビンが務めています。
前作はほとんど記憶に残っていないが、個人的にはあまり良い評価ではなかった。
映像は素晴らしいけど、ストーリーが今一つだった事は覚えています。
その中での続編となったが、どうやら原作から大きくかけ離れてしまっているようです。
映画としての続編という色合いが強く、登場するキャラクターが脚色されている。
本来なら主人公はアリスであるが、物語の中心にいるのはマッドハッターなのです。
物語を進める役目はアリスにあるけど、すべてはマッドハッターの為に行動している。
この構成によって本作が成り立っているが、それはアリスにとってマイナスの要素になる。
本作では失った家族を取り戻したいという突然の欲求をするマッドハッター。
口だけで言っているなら彼の狂言で済むが、そのせいでなぜか死んでしまうという。
そこに登場するのはアリスだが、彼を助けるには過去を遡らないといけない。
アリスは時間を遡る為にクロノスフィアを手に入れようとするが、時間を司るタイムによって止められていまう。
それでも諦めずにクロノスフィアを借りるという前提で盗み、色々と大変な事態を引き起こしてしまうのです。
ハッキリ言って、本作のアリスは暴走しすぎていて、マッドハッターを助ける為にアンダーランドを崩壊の危機に陥れる。
でも、最後にはクロノスフィアを元に戻してハッピーエンドとなるが、どう考えてもアリスが悪いのです。
アンダーランドにとって重要な人物でもないマッドハッターを助ける価値があったのか。
どう考えてもタイムの言っている事が正論であり、アリスの暴走は悪役と言っても過言じゃない暴走と言えます。
前作の悪役であったイラスベスがマッドハッターの悲しみの元凶だと言うが、明らかに本作では被害者としか言えません。
本当の悪役はミラーナになってしまうような印象しか残らなかったのです。
とにかく、本作は作るべきではなかったと思うほど原作を蔑ろにしている作品でした。
特にアリスの行動には共感するところがなく、正しい行いをしていたタイムが悪役のような感じに演出しているのも気に入らなかった。
あと、ジョニー・デップの気持ち悪いメイクは子供が見たら絶対にトラウマになると思う。