チャーリー・モルデカイ/華麗なる名画の秘密 RE-2287

作品紹介

公開年月  2015/01/23
ジャンル  コメディ/アクション/アドベンチャー
原作  キリル・ボンフィリオリ 『チャーリー・モルデカイ(1) 英国紳士の名画大作戦』
監督  デヴィッド・コープ
脚本  エリック・アロンソ
製作  アンドリュー・ラザー、ジョニー・デップ、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

貴族にして美術商のチャーリー・モルデカイは、ロンドン郊外に大きな屋敷を構え、優雅な暮らしを送っている。
しかし、その実態は火の車で破産寸前で、妻のジョアンナは家計を支える為にモルデカイの財産を売ろうと考えていた。
そんなモルデカイの元に、MI5のマートランド警部が現れ、修復中に盗まれたゴヤの幻の名画を探索して欲しいと要請される。
高額な報酬につられ、最強の用心棒ジョックとともに名画追跡に乗り出すモルデカイだった。

登場人物&出演者

チャーリー・モルデカイ(演:ジョニー・デップ)
主人公。イギリスの貴族。裏では美術商として詐欺紛いの商売をする。破産寸前でもある。
ジョニー・デップは近年の出演作には『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』、『ブラック・スキャンダル』などがあります。
完全なるジョニー・デップの演技に囚われたキャラクターとなってしまった。
キャラクターに魅力があるのではなく、演じているジョニー・デップに魅力がある。
逆であればストーリーも面白くなるけど、そうじゃないから薄っぺらに見えてしまう。
ジョニー・デップのベースを越えられないキャラクター性能では限界がありました。

ジョアンナ・モルデカイ(演:グウィネス・パルトロー)
ヒロイン。チャーリーを戒める人物。何かと首を突っ込みたがる。
グウィネス・パルトローは近年の出演作には『アイアンマン3』、『恋人はセックス依存症』があります。
何かと上手く立ち回って情報を聞き出しているが、今一つキャラクターのオリジナリティが感じられなかった。
どうしても、グウィネス・パルトローが演じているキャラクターにしか見えない。

ジョック(演:ポール・ベタニー)
モルデカイの忠実な召使い。寡黙で無骨な男だが、精力は馬並みでトラブルを度々起こす。
ポール・ベタニーは近年の出演作には『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』があります。
設定やポール・ベタニーの演技は非常にいいが、どうにも活かしきれていない。
精力絶倫のトラブルもストーリーは関係ないので、蛇足だとしか思えなかった設定でした。
もう少し彼の設定を物語で意味のあるモノにすれば、もっと魅力的な人物になったはず。

アラステア・マートランド(演:ユアン・マクレガー)
MI5の警部補。チャーリー、ジョアンナと同窓生。ジョアンナにずっと片思いしている。
ユアン・マクレガーは近年の出演作には『われらが背きし者』、『ジェーン』があります。
ジョアンナにずっと惹かれているが、それを逆に利用されるだけの役目となった。
もう少し活躍しても良かったが、後半の扱いは少しもったいないと思った。

エミル・ストラーゴ(演:ジョニー・パスボルスキー)
国際的なテロリスト。ゴヤの絵画の裏に書かれたスイス地下銀行の口座番号を狙っている。
ジョニー・パスボルスキーは30作に出演し、テレビドラマや映画で活躍しています。
悪役として登場するも、今一つパッとせず、重要性があまり感じられなかった。

感想

個人的な評価

本作はジョニー・デップの為にあるような映画だと言えます。
主人公であるチャーリー・モルデカイはジョニー・デップの作り上げたキャラクター。
そのように感じさせるほど、ジョニー・デップの軽快なノリが反映されています。
もうジョニー・デップが楽しんで演じているようにしか見えなかったです。
冒頭はなんだか『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』を連想させるような展開でした。
そこにチャーリー・モルデカイという軽いノリの男、その召使いジョックの無骨なアクションが絶妙な雰囲気を出している。
コミカルな場面にはチャーリー・モルデカイ、アクションにはジョックが担当しています。
こういう無骨な役はポール・ベタニーは上手いし、そこにやたら女性と関係を持つ設定は面白いと言える。
次の場面では旅行中だったモルデカイ夫人のジョアンナが登場するが、相変わらずグウィネス・パルトローは美しいです。
いくら強がりを言っても、チャーリーが心底ジョアンナに惚れ込んでいるのが分かる。
そこへチャーリーとジョアンナの同窓生で警部補のマートラントとの三角関係が出てくる。
とは言っても、ジョアンナにいいように情報を引き出されてしまう役目となってしまう。
ユアン・マクレガーのちょっと損した役柄は悪くないが、インパクトがないのが残念。
全体的には主人公のように軽いノリで展開され、謎解きも非常に軽い展開である。
あまり深く考えずに鑑賞するタイプの作品であるが、基本的にジョニー・デップ好きじゃないと楽しめないかもしれない。
純粋にストーリーだけをみてしまうと、あまりにも幼稚で退屈、演出はオシャレにしようとしているところがあった程度です。
どうしてもストーリーが弱いので、主人公のチャーリー・モルデカイがすべてになります。
確かに良いキャラクターをしているが、所詮はジョニー・デップが演じているレベル。
他の俳優が演じてしまうと深みがないキャラクターだと分かるので、ジョニー・デップという箔があるから成り立っている感じでした。
それでも、最後まで軽いノリで突き進んでテンポもいいので、粗がバレる前に終わって、悪い印象は受けなかったです。
もう少しチャーリー・モルデカイにクセがあればいいが、キャラクターの潜在能力ではこの程度になったのだろう。