トリプル9/裏切りのコード RE-2451

作品紹介

公開年月  2016/02/16
ジャンル  サスペンス/アクション/犯罪
原作  なし
監督  ジョン・ヒルコート
脚本  マット・クック
製作  キース・レドモン、バード・ドロス、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アトランタである日、特殊部隊の元兵士や悪徳警官で構成された武装グループによる銀行強盗事件が発生する。
リーダーのマイケルはこれを最後にロシアン・マフィアとの関係を絶とうと考えていた。
だが、女ボスのイリーナはそれを許さず、マイケルの息子を人質に新たな要求を突きつける。
それは警戒厳重な国土安全保障省の施設を襲撃するという無謀なミッションだった。

登場人物&出演者

クリス(演:ケイシー・アフレック)
主人公。新人警官。ギャング対策班所属。配属されたばかりでギャングと揉める。
ケイシー・アフレックは代表作に『オーシャン』シリーズ、『ジェシー・ジェームズの暗殺』などがあります。
注意するマーカスに対して嫌悪感を持ち、自分の捜査を邪魔する容赦なく罵声を浴びせる。
マイケルたちの新たな計画に殺される事となるが、悪運のおかげで無傷で生き残る。
結局は何もしていない状態になって、周りだけが次々と死んでいく主人公補正を発揮。

マイケル(演:キウェテル・イジョフォー)
武装グループのリーダー。元ネイビーシールズ。ロシアン・マフィアと手を切ろうとする。
キウェテル・イジョフォーは近年の出演作に『ドクター・ストレンジ』、『シークレット・アイズ』などがあります。
銀行強盗の作戦失敗によって、ロシアン・マフィアから新たな依頼を受ける事になる。
新しい計画を実行しようとするが、ゲイブの行動でまたも失敗を恐れて女を使って恫喝する。
見事のイリーナを葬るも、仲間であったはずのフランコに裏切られて呆気なく殺される。

マーカス(演:アンソニー・マッキー)
武装グループの一員。汚職警官。ギャング対策班所属。失敗の原因であるゲイブにキレる。
アンソニー・マッキーは近年の出演作に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『クーパー家の晩餐会』などがあります。
新人警官のクリスと組む事に反対するが、仕方なく組んで街をパトロールする。
新たな依頼を完成する為にクリスを殺す事になるが、それに対して臆さないと強気に出る。
しかし、ゲイブが止めようとするせいで作戦がバレる事を恐れてボコボコにする。
計画を実行する直前に良心が咎められ、やって来たゲイブに撃たれ重傷を負ってしまう。

ゲイブ(演:アーロン・ポール)
武装グループの一員。元警官。冒頭の銀行強盗で欲張って作戦を台無しにする。
アーロン・ポールは代表作に『エクソダス:神と王』、『パパの遺した物語』があります。
成功していれば褒められると調子に乗るが、兄のラッセルに心配されている。
兄が死んで自暴自棄になり、ジャンキーの恋人とともにヤク漬けの毎日を送っている。
ただ、新たな計画の為に警官を殺すのは間違っていると訴える良心が残っていた。

フランコ(演:クリフトン・コリンズ・Jr)
武装グループの一員。汚職警官。殺人課所属。作戦失敗で威嚇射撃して市民を負傷させる。
クリフトン・コリンズ・Jrは代表作に『処刑人Ⅱ』、『パシフィック・リム』があります。
作戦失敗でリーダーのマイケルに銃を向けるも、すぐに注意されて黙って引き下がる。
連絡係として多数の携帯電話を所有し、新たな計画では躊躇いもなく参加する。
なぜか武装グループの中で最後に生き残り、ジェフリーと相打ちになって終わる。

ラッセル(演:ノーマン・リーダス)
武装グループの一員。元ネイビーシールズ。銀行強盗を外から冷静に指示を送っていた。
ノーマン・リーダスは近年の出演作に『お!バカんす家族』、『AIR/エアー』があります。
作戦が失敗した事で弟のゲイブが責められ、彼の無茶な行動を心配している。
ロシアン・マフィアを見返そうと集まる直前に彼女の部下によって致命傷を負わされる。
なんとかメンバーと合流するも、助からない重傷でマイケルがラクにしてやった。

エレナ(演:ガル・ガドット)
マイケルの恋人でイリーナの妹。マイケルの息子フェリックスの面倒をみている。
ガル・ガドットは近年の出演作に『ワンダーウーマン』、『クリミナル/2人の記憶を持つ男』などがあります。
恋人であるマイケルとは微妙な距離感を持ち、更に微妙な関係の姉と暮らしている。

ジェフリー(演:ウディ・ハレルソン)
ベテラン警官。重大犯罪課所属。クリスの叔父。銀行強盗の武装グループを追っている。
ウディ・ハレルソンは近年の出演作に『猿の惑星:大戦記』、『グランド・イリュージョン/見破られたトリック』などがあります。
汚職警官ではないが、平然と現場にある麻薬などを吸入するマトモじゃない人物。
甥であるクリスに目をかけており、何かあるとすぐに駆けつけていく身内贔屓。

イリーナ(演:ケイト・ウィンスレット)
ロシアン・マフィアの女ボス。夫であるヴァシリは刑務所に服役中で代わりに組織を動かす。
ケイト・ウィンスレットは近年の出演作に『素晴らしきかな、人生』、『スティーブ・ジョブズ』などがあります。
妹のエレナをバカにしながらも大切にし、更にマイケルの息子フェリックスも愛している。
マイケルに対して反吐が出るほど嫌っているが、夫を刑務所から出すには彼の協力が必要に。
最終的に目的のブツを手に入れるが、マイケルの仕掛けた爆弾によって爆死してしまう。

感想

個人的な評価

『ザ・ロード』や『欲望のバージニア』で知られるジョン・ヒルコート監督の作品。
以前から本作の出演者たちの経歴から本作の存在を知って、ずっと気になって借りてみた。
タイトルである“トリプル9”は警察の緊急コードで、警官が撃たれた時に発動するモノです。
発動された際、すべての警官は職務をストップし、現場へ急いで駆けつけるのが決まり。
ロシアン・マフィアと手を組む武装グループは、依頼された仕事を完遂する為に“トリプル9”を利用する事になります。
本作は某邦画ではないが、登場するほとんどの人物は悪人でマトモな人間はいません。
武装グループは基本的に汚職警官と元軍人がいて、銀行強盗としては訓練された動きをする。
ただ、その中には元警官でヤク中のゲイブという存在によって計画が見事に失敗する。
グループのリーダーであるマイケルはなぜか息子を人質に取られ、ロシアン・マフィアと手を切ろうとしている状態。
だからずっとイライラしている感じだけど、直接的な行動はロシアン・マフィアとの交渉と息子の心配だけとなる。
武装グループにいる他のメンバーも汚職警官でも所属がバラバラで、まとまりがありません。
本作は犯罪をテーマにしているが、最初から最後までスッキリしない展開となっている。
とにかく、構成や登場人物の相関図が複雑なせいで何が起きているのか分かりづらい。
本題となるロシアン・マフィアからの依頼で利用する“トリプル9”は終盤になって、ようやく使うというテンポの悪さ。
もうワザと分かりづらくしていると思うぐらい、観ている側にとって不親切な構成です。
何より終盤まで引っ張った“トリプル9”も思ったほどの効力がなく、タイトルにするようなインパクトがなかった。
登場人物も全員揃って悪人ばかりで、誰一人として感情移入ができません。
だから誰が死んでも特になんとも思わず、逆になんでそんなヤツが生き残ったのか、と思わせるぐらい魅力のない登場人物ばかり。
アカデミー賞女優のケイト・ウィンスレット、ベテラン俳優のウディ・ハレルソンがいるのに使い捨てみたいな感じで残念です。
アメコミ原作映画で存在感を出すガル・ガドット、アンソニー・マッキーも微妙な立ち位置で魅力を潰している。
あまりにも下手な演出と稚拙なストーリー、魅力のない登場人物で出演者が損しているようにしかみえなかった作品でした。