作品紹介
公開年月 | 2012/10/17 |
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ジャンル | アクション/ホラー |
原作 | なし |
監督 | エリック・マッティ |
脚本 | エリック・マッティ、ロナルド・スティーヴン・モンテヴェルデ |
製作 | ホセ・マリア・バカン、トリナ・ダンテス=ケマ |
製作国 | フィリピン |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
自分に愛想をつかし、子供を身籠もったまま田舎町に戻った恋人ソニアとヨリを戻すべく、マッコイは首都マニラからやって来た。
ソニアの父ネスターと使用人バートの協力を得て、彼女の誕生日にサプライズを仕掛けようと森の奥で暮らす大家族の子供たちから子豚を買う。
しかしその夜、子豚は恐ろしい姿となってソニアに襲いかかり、マッコイやネスターたちは家族を守る為に立ち上がるのだった。
登場人物&出演者
・マッコイ(演:ディンドン・ダンテス)
主人公。首都マニラ出身。自称・仲介業をしているが、実質的には無職と同じである。
ディンドン・ダンテスは代表作に『Forward March』、『Segunda mano』があります。
遊び人でソニアとの結婚を真剣に考えておらず、そのせいで別れを告げられて追いかけた。
ソニアの父親ネスターに同情され、一緒に娘の誕生日を祝うべく食事の席に行くも失敗する。
吸血鬼たちに毅然と立ち向かい、疑っていたバートにも認められ、ネスターと戦っていく。
最後は主人公補正を発揮してバケモノと化した吸血鬼や族長をアカエイの尾のムチで倒した。
・ソニア(演:ロヴィ・ポー)
ヒロイン。田舎町出身。唯一の大卒として母親フェリーに期待されるも妊娠して落胆される。
ロヴィ・ポーは代表作に『Shake, Rattle & Roll 9』、『The Significant Other』がある。
マッコイに愛想をつかして実家に帰ると、過保護な母親の助言を聞いて彼を遠ざける。
寝ている間に子豚から変身した吸血鬼に襲われそうになるが、マッコイたちに助けられる。
必死に戦うマッコイに昔の事を思い出し、彼が申し込んだ結婚を快く承諾していく。
最後はマッコイが赤ん坊を取り上げ、タタンに塩を撒いてサポートする活躍を見せた。
・ネスター(演:ジョーイ・マルケス)
ソニアの父親。妻のフェリーには頭が上がらない。マッコイを見て同情して彼を励ます。
ジョーイ・マルケスは代表作に『牢獄処刑人』、『バルセロナ:ある愛の物語』があります。
家での立場が非常に弱く、妻フェリーに尻を敷かれっぱなしで買い出しなどもしている。
なんとかマッコイを娘とのヨリを戻させようと協力するが、妻の絶対的な主張で失敗する。
吸血鬼にフェリーが殺されると、発狂してリンゴの前で彼の息子の内臓を食っていた。
最後はバケモノと化した吸血鬼たちを農薬散布機に入れた塩で次々と退治して生還した。
・フェリー(演:ジャニス・デ・ベレン)
ソニアの母親。大黒柱であるネスターよりも立場が上。帰ってきた娘を大事にしている。
ジャニス・デ・ベレンは代表作に『Flor de Liza』、『I Love You To Death』があります。
ネスターとの結婚を失敗だと考えていて、娘の将来を台無しにしたマッコイを敵視する。
なんとか理解させようとするネスターの行動も制し、食事の席に着いたマッコイを非難する。
吸血鬼一族がやって来ると、すべてはマッコイのせいだとしてずっと彼を敵視していた。
最後は家に侵入した吸血鬼に腕をもぎ取られ、死ぬ間際までマッコイと娘の結婚を許さない。
・アベル(演:ヤン・ハーレイ・ヒカナ)
ネスターの弟の息子。市場で働く父親の手伝いをしている。ネスターにも可愛がられる。
ヤン・ハーレイ・ヒカナは代表作に『Si Baning, si Maymay at ang asong si Bobo』、『Liars』などがあります。
市場へ買い出しにしたネスターたちに商品を仕分けし、ソニアの誕生日に送り届ける事に。
ネスターの家にやって来ると、吸血鬼たちに囲まれていて、父親が犠牲になってしまう。
子供が生まれそうになっていたソニアの傍にいて、なんとか彼女を励ましていた。
最後はニンニク入りのお菓子を口に含んで、吹き矢の如きバケモノと化した吸血鬼を倒した。
・ペーシング(演:リナ・レイズ)
町の郊外で雑貨屋を営んでいる女性。電話も置いてあってマッコイが友人と連絡をしていた。
リナ・レイズは代表作に『Bagets 2』、『Ang tag-araw ni Twinkle』などがあります。
ネスターの家が吸血鬼に襲われると、その光景を見て胸の前で十字を切って祈っていた。
族長によって家が侵略され、避難してきたネスターたちを仕方なく店へ入れてしまう。
吸血鬼たちを倒す塩やアカエイの尾を渡して、店の裏にある塩田に避難する提案をした。
最後はタタンに追い込まれると、赤ん坊を全員で回して撹乱し、マッコイがトドメを刺した。
・バート(演:ラモン・バティスタ)
使用人。ネスターの家で雑用をしている。やって来たマッコイを不審な目でずっと見ている。
ラモン・バティスタは代表作に『Keka』、『Kubot: The Aswang Chronicles 2』がある。
町から離れた森の奥に親戚が養豚場を経営し、ソニアの誕生日に出す料理の為に紹介した。
子豚が吸血鬼に変身すると、その一族だとしてマッコイに激しく責め立てられてしまう。
駐屯地まで助けを求めるべくマッコイに縛られ、その際に噛まれて吸血鬼に感染する。
最後はマッコイを認め、ネスターとの別れを惜み、自爆して多くの吸血鬼を道連れにした。
・リンゴ(演:マイク・ガヨソ)
バートの従兄弟。町から離れた森の奥で一族でひっそりと暮らし養豚場を経営している。
マイク・ガヨソは代表作に『Guwapings: The First Adventure』、『Tumbok』がある。
ソニアの為に豚を買いに来たネスターたちを出迎えるが、子供たちの無礼を詫びていた。
豚の値段が高いとしてケチをつけたマッコイの言葉に機嫌を損ね、割引せずに追い出した。
子供の一人がマッコイに殺されると、復讐の為に他の子供たちを引き連れてやって来る。
最後は一族の長で父親のタタンがやって来るが、情けない姿に心臓をもぎ取れて死亡した。
・タタン(演:ロイ・ヴィンソン)
吸血鬼の一族を束ねる族長。子供たちが殺されたリンゴの為に一族を引き連れてくる。
ロイ・ヴィンソンは代表作に『アメリカン忍者』、『Boy Golden 』などがあります。
泣きついてきたリンゴを最初は労るが、情けない姿に呆れて彼の心臓をもぎってしまう。
一族たちに自分の体液を与えると、全員がバケモノの姿になってマッコイたちを襲う。
無職の若者、オッサン、子供の三人にバケモノと化した一族が倒されても動揺せず。
最後は吸血鬼のバケモノになって赤ん坊を狙うが、主人公補正の前に真っ二つにされた。
感想
個人的な評価
本作は『ゴールデンスクリーンアワード』、『PMPC映画スターアワード』、『FAPアワード』にて多数の受賞とノミネートされています。
フィリピン本国では大ヒットしており、地元で伝わる吸血鬼伝説を基に作られています。
世界中で数多くの吸血鬼映画が製作されていますが、まさかフィリピンでも独自の伝説があるとは思いませんでした。
ただ、そのベースが欧米の吸血鬼と同じく、ニンニクと塩が苦手で朝日を浴びると死んでしまうという設定です。
本作では森の奥にひっそりと暮らしているが、なぜか胎児や赤ん坊が好きで、主人公から話しを聞いて出てきてしまいます。
吸血鬼としての設定は思っていたよりも少しばかり雑で、高い身体能力を持っているのに情けないオッサンすら殺せない微妙な強さでした。
数は劣っているワケじゃないし、身体能力は高いし、相手の武器も貧相なモノばかりなのになかなか襲撃しないところも少しおかしい。
残念ながら吸血鬼としての魅力はあまりなく、終盤では単なるバケモノになってしまい、更に魅力をなくしていました。
主人公は単なる無職の胡散臭いヤツだが、なぜか吸血鬼相手に一歩も引かない度胸を持っていて、劣勢なのに勝てる自信を持っているという。
確かに主人公補正があるのは仕方ないだろうけど、あまりにも引き立て役になっている吸血鬼たちが不憫に感じてしまう。
物語としても103分となっているが、いらないエピソードや演出が多くて、もう少し短くできると思いました。
フィリピンの映画という事であまり期待していなかったが、序盤から凝った演出があってイメージがちょっとだけ変わりました。
しかし、それに気を良くしたのか、同じような演出を何度もしつこくやるので、さすがにワンパターンすぎて逆効果のような印象を持ちました。
ラストボスについても吸血鬼一族の長だが、いきなりのポッと出として登場して、主人公たちを追い詰めていく展開も雑なように思えました。
盛り上げる為にラストでのバトルはそれなりの迫力があるけど、やればやるほどバケモノになってまで戦う吸血鬼一族の弱さを余計に演出してしまう感じになってしまった。
せっかくスタイリッシュな演出を目指そうとしているのに、ストーリー展開が大味すぎると滑稽に映ってしまう感じが残念でした。