作品紹介
公開年月 | 2017/07/21 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | ピエール・クリスタン、ジャン=クロード・メジェール
『ヴァレリアンとローレリーヌ』 |
監督 | リュック・ベッソン |
脚本 | リュック・ベッソン |
製作 | リュック・ベッソン、ヴィルジニー・ベッソン=シラ |
製作国 | フランス、中国、アメリカ、UAE、ドイツ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
西暦2740年、全宇宙の平和を守るべく銀河をパトロールしている連邦捜査官のヴァレリアンと相棒のローレリーヌ。
ヴァレリアンとローレリーヌは、任務遂行の為に“千の惑星の都市”として知られる「アルファ宇宙ステーション」へ向かう。
そこは長い年月を経て拡張を続け、あらゆる種族が共存する場所だったが、その内部では邪悪な陰謀と秘密が隠されていたのだった。
登場人物&出演者
・ヴァレリアン少佐(演:デイン・デハーン)
銀河パトロールの連邦捜査官。特殊任務を開始する前にパール人からメッセージを受ける。
デイン・デハーンは近年の出演作に『チューリップ・フィーバー/肖像画に秘めた愛』、『キュア/禁断の隔離病棟』などがあります。
惑星キリアンで変換器を奪還する作戦でローレリーヌにプロポーズして返答を待っている。
パール人に拉致された司令官を助ける為に高放射線ゾーンに入って行方不明になってしまう。
ローレリーヌの捜索で見つけられ、パール人の惑星を破壊した司令官の悪事を知る。
最後はローレリーヌの語る愛を信じてパール人たちに変換器を渡し、彼女と結婚をした。
・ローレリーヌ軍曹(演:カーラ・デルヴィーニュ)
ヒロイン。銀河パトロールの連邦捜査官でヴァレリアンの相棒だが、彼をチャラいと貶す。
カーラ・デルヴィーニュは近年の出演作に『チューリップ・フィーバー/肖像画に秘めた愛』、『スーサイド・スクワッド』などがあります。
惑星キリアンで変換器を奪還する作戦で余裕を見せ、ピンチのヴァレリアンを助け出した。
司令官がパール人によって拉致され、追って消息を絶ったヴァレリアンを独自に探す。
ヴァレリアンを探し出すと、パール人に対する人間の仕打ちの反省として変換器を返した。
最後は司令官の殲滅命令にブチ切れて何度も殴り、ヴァレリアンと結婚をする事になる。
・バブル(演:リアーナ)
グラムポッド出身のダンサー。国を出てアルファ宇宙ステーションに違法で移民している。
リアーナは近年の出演作に『ホーム/宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険』、『ディス・イズ・ジ・エンド/俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』などがあります。
ジョリーの店で自由に姿を変えながら、マスターした様々なな踊りを客に披露していた。
ブーラン・バソールに潜入する必要があったヴァレリアンに説得され、同行する事になる。
ローレリーヌを助け出し、なんとかブーラン・バソールから逃げ出すも大ケガを負う。
最後は助からないと悟って、ヴァレリアンにローレリーヌを大切にするように言って死んだ。
・客引きジョリー(演:イーサン・ホーク)
バブルを見世物にして稼いでいる男。グラムポッドを探していたヴァレリアンを客引きする。
イーサン・ホークは近年の出演作に『マグニフィセント・セブン』、『バレー・オブ・バイオレンス』などがあります。
ショーが始まる前に武器を回収し、ヴァレリアンにバブルのダンスを演奏とともに披露した。
最後は正体がバレたヴァレリアンに撃ち殺され、結果的にバブルは自由の身となった。
・ボブ(演:アラン・シャバ)
ガラナ海で漁をしている海賊。ドーガン・ダギーズに依頼されて記憶を読むクラゲを捕獲。
アラン・シャバは代表作に『ナイト・ミュージアム2』、『ミッション・クレオパトラ』などがあります。
一緒にローレリーヌを連れて行くが、あまりにも雑な操縦に代わるよう言われるも拒否する。
最後はブロモザウルスの説明をしてクラゲを捕獲するが、怒った彼らに追いかけられた。
・皇帝ハバン=リマイ(声:エリザベス・デビッキ)
惑星ミュールに住むパール人の王族。原始的で自然に調和した生活を営む平和な種族。
エリザベス・デビッキは代表作に『コードネーム/U.N.C.L.E.』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』などがあります。
30年前に惑星の軌道上で無関係な戦争に巻き込まれ、惑星が核融合爆弾による破壊される。
その時に王族を含めた数十名だけが脱出し、アルファ宇宙ステーションにたどり着く。
ヴァレリアンの中にいた王女リホの存在を感じ取り、良い人選だったと彼を褒めていた。
最後はヴァレリアンとローレリーヌの愛によってすべてを取り戻し、宇宙へと旅立つ事に。
・ネザ軍曹(演:クリス・ウー)
銀河パトロール捜査局の捜査官。常にオクト=バー将軍直属の部下として働いている。
クリス・ウーは代表作に『人魚姫』、『トリプルX:再起動』などがあります。
司令官がパール人によって誘拐されると、指揮官となったオクト=バー将軍の補佐をする。
パール人が司令官の命令で拷問されていた事をオクト=バー将軍とともに調べていた。
ヴァレリアンがパール人たちがいるレッドゾーンから通信をして、彼らは被害者だと訴える。
最後は司令官が爆弾を再起動させ、オクト=バー将軍の命令で解除して爆発を防いだ。
・オクト=バー将軍(演:サム・スプルエル)
銀河パトロール捜査局の現場責任者。アルファ宇宙ステーションの高放射線ゾーンを探知。
サム・スプルエルは代表作に『ディファイアンス』、『96時間/レクイエム』があります。
無事に変換器を入手したヴァレリアンたちを出迎えると、高放射線ゾーンについて説明する。
人間連盟がパール人に襲撃されるが、30年前に滅んだとしてヴァレリアンを信じられず。
ヴァレリアンを助けに行くローレリーヌを制止し、ミュールにアクセス権がない事を疑う。
最後は司令官が過去にあった悪事を知り、ヴァレリアンたちの訴えで彼を逮捕させた。
・アルン・フィリット司令官(演:クライヴ・オーウェン)
銀河パトロール捜査局の最高責任者。アルファ宇宙ステーションの危険をすべて排除する。
クライヴ・オーウェンは近年の出演作に『ラスト・ナイツ』、『マイ・ブラザー/哀しみの銃弾』などがあります。
実は30年前に滅んだ惑星ミュールのパール人を人質に取り、情報を引き出そうとしていた。
人間連盟の会議でパール人の襲撃を受け、変換器を持っているとして彼らに連れ去られる。
目が覚めてから過去の悪事は必要だと訴え、ヴァレリアンにパール人の抹殺を命じた。
最後は殲滅命令を下し、ローレリーヌの鉄拳制裁を何度も食らって将軍に逮捕される事に。
感想
個人的な評価
本作はピエール・クリスタンとジャン=クロード・メジェールの漫画が基になっています。
監督、脚本、製作を務めるリュック・ベッソンは昔から原作のファンで、いつか映画化しようと考えていた。
そこでジェームズ・キャメロン監督の『アバター』が公開され、モンスターが多く登場する本作の実現は可能だと知って製作をしたという。
更に本作は製作費が2億ユーロほどとなり、フランス映画史上最高の製作費となっている。
とにかく、本作は莫大な製作費を使ったCG映像の世界観が『スター・ウォーズ』や『アバター』に迫るぐらいの美しさでした。
特に冒頭で登場する物語のカギを握る惑星ミュールの美しさ、そこに住むパール人たちの不思議な魅力と自然な動きは素晴らしかったです。
本作のタイトルにもなっているヴァレリアンですが、物語の半分ぐらいはヒロインであるローレリーヌの活躍がありました。
映像としては超一流であるし、登場する宇宙人たちの造形も素晴らしく、何よりアルファ宇宙ステーションの壮大な世界観も魅力でした。
主人公であるヴァレリアンは自信家ながら確かな実力を持ち、それを補佐するヒロインのローレリーヌとは良いコンビである。
ここまで書けば名作のような印象を受けるが、残念ながら土台となる物語はあまり面白いとは思えませんでした。
リュック・ベッソン監督の名作『フィフス・エレメント』を引き合いに出すが、それと比べて本作にはエンターテイメント性があまりないです。
『フィフス・エレメント』は基本的に観ている側を楽しませようという意気込みがあって、そこに映像が乗っている感じでした。
しかし、本作はまったくの真逆で映像を魅せる為に作品があるような感じがしてしまった。
そのせいで物語が全体的にシリアスで余裕がなく、せっかくの美しい映像もじっくりと楽しめるような演出ではなかった。
それに壮大すぎる世界観に解決策が単純な「愛」という点でも安直すぎて、それまでの物語が陳腐に感じてしまう。
映像は超一流でありながら、ストーリーが三流とは言わなくても二流なのは間違えない。
このバランスの悪さで本作は今一つ楽しめず、娯楽性の高かった『フィフス・エレメント』の足元にも及ばない作品だと感じました。