作品紹介
公開年月 | 2005/09/27 |
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ジャンル | SF/パニック |
原作 | なし |
監督 | テリー・カニンガム |
脚本 | マイケル・マーフィ |
製作 | リチャード・シュレシンガー、トム・ベリー |
製作国 | カナダ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
地下資源調査によって入った太平洋プレートの亀裂が火山の爆発を呼び、絶滅の危機を迎えた人類。元調査隊員・ジェイクは地球を守るために捨て身の作戦を決行する。
登場人物&出演者
・ジェイク博士(演:ルーク・ペリー)
・カレン博士(演:ブランディ・マリー・ウォード)
・ジェン(演:ナタリー・ブラウン)
・ドレイク博士(演:リック・ロバーツ)
・フィルディング将軍(演:マイケル・ドーン)
感想
個人的な評価
本作のイチオシであるCGなんかを観ていると、その安っぽさが露呈しているのはB級以下の作品だとすぐに分かる。
内容は無謀な地下資源開発計画の影響で北米大陸のプレートが崩壊し、環太平洋火山地帯がいっさいに発生し、地球は崩壊の危機に瀕する。
地殻の亀裂を元に戻す為、最初に発見した主人公を中心に亀裂の両端を核爆弾を用いてつなぎ合わせる地球溶接計画が始動する。
この時点でハリウッドで製作された『ザ・コア』とまったく同じ内容と展開になります。
大きく違うのは制作費の額であり、規模や出演する俳優の知名度は『ザ・コア』の方がずっと上である。
だけど、内容が被ってしまう『ザ・コア』は個人的に悪くない作品だと思っているが、世間での評価はそこまでではない。
当時は薄っぺらな人間が感動する『アルマゲドン』や微妙な『ディープ・インパクト』、それに自然災害をテーマにした『ボルケーノ』や『デイ・アフター・トゥモロー』などがある。
そんな流行から十年の時が経ち、なぜか製作された本作の意図がまったく分かりません。
という事で本作に対して予備知識が皆無であっても、『ザ・コア』を鑑賞していれば問題はないです。
展開がまったく同じだけど、人物設定がこっちの方が薄っぺらであり、全てにおいて“安っぽい”という表現が似合う。
『ザ・コア』の主人公は『ダークナイト』でトゥーフェイスを演じたアーロン・エッカート。
本作の主人公はルーク・ペリーであり、彼は『ビバリーヒルズ高校白書』で演じたディランが有名です。
他に彼を見かけた映画では冒頭だけでしたが、リュック・ベッソン監督の『フィフス・エレメント』でちょい役として出演している。
そんなビバリーヒルズ高校白書のディランがプライムウェーブの作品に出るなんて、ちょっとガッカリです。
ドラマでは一流の扱いであっても、映画という枠の中では三流扱いになる。そんな厳しい世界だと分かりやすく体現してくれる。
ヒロインにはブランディ・マリー・ウォードが演じているが、やはり『ザ・コア』のヒロインであるヒラリー・スワンクには勝てません。
容姿はそれなりに対抗できているだろうが、演技の方は圧倒的にヒラリー・スワンクの方が上なのは間違えないですが。
まあ、本作の出来上がり具合はさすがプライムウェーブの送る作品に相応しく、BGMなどで緊張感を与えてくれる。
それは作品自体に説得力がない事を示し、彼らが勝手に緊張感を作っているだけで観ている側はポカーンとしてしまう。
何よりマズイのは『ザ・コア』とそっくりな展開なところで、主人公とヒロインだけが最後に残ってくれる。
本作のオリジナルであるヒロインと三角関係になる博士も、『ザ・コア』の博士と同じように爆弾のスイッチを押して地球を救う。
この作品は『ザ・コア』に対するオマージュなのか分かりませんが、主人公が事象の説明をする時に食べ物を使って例えているところはそのまま引用もある。
ただ、地球内部のCGがここまで差があると、制作費の桁違いが実に分かりやすく、ツッコミどころが満載となる。
出演している他のキャラクターもどこか現実味がなく、まさに「映画をしています」的な感じで他人事のように思える。
それに『ザ・コア』では緊張感があるけど、本作について何事も淡々と進んでしまう辺りが逆にさすがとしか言えないでしょう。
あとは、地球の危機という事なのにマスコミはほとんど動かず、責任者に取材をするのは地元のマイナーテレビ局だけ。
しかもレポーターの吹き替えが酷い点も許せてしまうのは、プライムウェーブの作品という自覚による寛大な心を得た証拠でもある。
本作を観るぐらいならば、絶対に『ザ・コア』を観た方がずっとお得だと思います。
まあ、プライムウェーブの作品が好きな方、ルーク・ペリーが好きな方にはオススメできるかも知れませんが。