グレートウォール RE-2591

作品紹介

公開年月  2016/12/15
ジャンル  アクション/ファンタジー
原作  なし
監督  チャン・イーモウ
脚本  カルロ・バーナード、ダグ・ミロ、ほか
製作  トーマス・タル、チャールズ・ローヴェン、ほか
製作国  中国、アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

金と名声の為に強力な武器を求めて世界を旅する傭兵のウィリアムは、ある時、中国で正体不明の獣に襲われるも相手の腕を切り落として難を逃れる。
その後、万里の長城で中国の警備隊に拘束されるが、ウィリアムが切り落とした腕に興味を持った軍師ワンの取りなしで処刑を免れる。
ウィリアムが遭遇した獣は饕餮(とうてつ)と呼ばれ、60年に一度現れて人類を襲うという伝説の怪物だと知るのだった。

登場人物&出演者

ウイリアム(演:マット・デイモン)
主人公。欧州から黒色火薬を求めてきた傭兵。道中で饕餮と遭遇して腕を切り落とす。
マット・デイモンは近年の出演作に『ダウンサイズ』、『ジェイソン・ボーン』があります。
物心がついた時から軍にいて、拾い屋から岸の見習いとなり、現在は金で雇われる兵士に。
当初は禁軍に捕まって処刑される運命だったが、饕餮に勝てる要素をもたらしたとして助命。
その後、故郷に火薬を持ち帰るトバールと決別し、リン隊長たちを助けるべく残った。
最後は饕餮の女王を倒し、その見返りに捕虜となったトバールを助け故郷へ帰っていった。

リン隊長(ジン・ティエン)
ヒロイン。禁軍では壁を守る鶴軍の一人として戦う。5歳の時から禁軍で兵士として育った。
ジン・ティエンは代表作に『ポリス・ストーリー/レジェンド』、『キングコング:髑髏島の巨神』などがあります。
外界を知らずに育った為、外部の者であったウィリアムに多大な興味と似た性質で惹かれる。
知性を身につけた饕餮の罠でシャオ将軍が倒され、その後任として指揮を任される。
磁石が勝利のカギだと知り、ワン軍師とともに首都へ女王を倒す為に乗り込んでいった。
最後はウィリアムとともに女王を倒し、その功績で北西将軍に出世する事となった。

トバール(演:ペドロ・パスカル)
傭兵。スペイン人。ウィリアムとは戦友。あくまで黒色火薬が目的で人助けはしない。
ペドロ・パスカルは代表作に『アジャストメント』、『キングスマン:ゴールデン・サークル』などがあります。
ウィリアムの弓の才能を誰よりも認めており、彼の行動力を信頼して付いていく。
何度もウィリアムと戦場を駆け抜けた経験による連携で饕餮を何体かの倒していた。
バラードの言葉に乗って火薬を持ち出して一度は逃げ出すが、裏切られて置き去りに。
その後、禁軍の追ってによって捕らわれるが、ウィリアムにより解放され故郷へ帰った。

バラード(演:ウィレム・デフォー)
火薬を求めて25年前に兵士を引き連れてやって来た。リンに英語とラテン語を教えた。
ウィレム・デフォーは近年の出演作に『オリエント急行殺人事件』、『Death Note/デスノート』などがあります。
禁軍に囚われの身となっていたが、ワン軍師の信頼を得て自由に行動していた。
やって来たウィリアムたちと結託をして、長城を脱出する計画に二人を迎え入れた。
禁軍と残って戦うウィリアムを見捨て、トバールとともに長城を見事に脱出した。
トバールを置き去りにしてさまようが、馬賊に捕まり、彼らが火薬で遊んで爆死した。

ポン(演:ルハン)
禁軍の歩兵。饕餮が長城を攻めてきた時に怖じ気づくが、ウィリアムの叱咤で戦った。
ルハンは代表作に『20歳よ、もう一度』、『タイム・レイダーズ』などがあります。
不器用なせいで歩兵としての能力が低く、そのせいで飯当番に回されてしまう。
裏切ったバラードとトバールを止めようとした事を証言してウィリアムを助けた。
最後はウィリアムたちと同行して首都に乗り込み、饕餮を止めるべく自爆して散った。

ワン軍師(演:アンディ・ラウ)
禁軍の作戦を立案している。英語が話せる。ウィリアムたちの処刑を一時保留させた。
アンディ・ラウは近年の出演作に『レイルロード・タイガー』、『おじいちゃんはデブゴン』などがあります。
万里の長城を突破しようとする饕餮たちを食い止める作戦を次々と繰り出していく。
ウィリアムたちの持ってきた磁石が勝利のカギだと知り、その為の作戦を練った。
首都へ雪崩れ込んだ饕餮を倒すべく、解放されたウィリアムとともに向かった。
最後は饕餮たちを磁石で止めるが、それも突破されてリン隊長に託して殉職した。

シャオ将軍(演:チャン・ハンユー)
万里の長城で禁軍を指揮する将軍。60年に渡って準備をして迎え撃とうとした。
チャン・ハンユーは代表作に『戦場のレクイエム』、『追補/MANHUNT』などがあります。
ウィリアムたちを捕らえるが、処刑するところでワン軍師の提案を理解して助命する。
リン隊長とともに警備が手薄となった箇所へやって来るが饕餮の罠で落命する事に。

感想

個人的な評価

本作は万里の長城を舞台にしたチャン・イーモウ監督の作品となります。
チャン・イーモウ監督と言えば、『HERO/英雄』、『LOVERS』などの歴史劇アクションが特に有名でしょう。
特に『HERO/英雄』ではジェット・リーを主演に迎え、豪華なキャストと色彩豊かな映像で話題を呼びました。
万里の長城は世界遺産であり、新・世界七不思議にも選ばれた有名な建造物である。
その歴史は紀元前214年の秦代まで遡り、中国を初めて統一した始皇帝が建設をした。
本来の目的は遊牧民である匈奴を含めた異民族の侵攻を迎撃する為に建てられていました。
そこに着目したチャン・イーモウ監督がアイデアを出してファンタジーと組み合わせた。
近年は中国の豊富な資金でハリウッドに迫る規模の大作を生み出しているが、本作はその一つだと言えるだろう。
舞台は万里の長城であるが、主人公をマット・デイモンが演じ、他にウィレム・デフォーやペドロ・パスカルと言った白人が主要人物を務めています。
あくまで中国が舞台となっているけど、そこで白人が救世主となった構図は多少なりとも批判を集めていたようです。
個人的には「白人の救世主」という見解じゃなく、たまたま助けてもらったのが外の知識を持った者だと解釈しています。
過剰に反応する一部の人間はどうでもいいので、純粋に本作はアクション映画として良作だと思っています。
実際に現存する万里の長城をこのように脚色するのは面白いし、異国の者が協力して巨悪に立ち向かう構図は単純に楽しめました。
もちろん、ハリウッドを代表するスターであるマット・デイモンの存在感は圧倒的です。
そこに『キングコング:髑髏島の巨神』でちょい役だったジン・ティエンが中国側のヒロインとしても負けず劣らずの存在感がありました。
ただ、個人的に女性である必要性が感じられなかったが、作品に華を添える意味で起用されたのだろうと思います。
本作は非常にスッキリした構成であり、特に難しい事や余計な事をしているのも良かった。
ハリウッド映画ならば、主人公とヒロインがロマンスを繰り広げるが、本作では戦友として関わったのは良かったと思います。
もし、中途半端なロマンスを繰り広げてしまったら、本作の良さを潰していたので、チャン・イーモウ監督の判断は正しかったです。
それに主人公と昔の戦友であるスペイン人傭兵との関係性も悪くない感じでした。
ですが、裏切る事になるウィレム・デフォーが演じたキャラクターが微妙な立場で、もう少し掘り下げるべきだったと思います。
あとはアンディ・ラウの軍師役は似合っていたが、思っていたほどの活躍がなかったのはちょっと残念でした。
それでも本作はスッキリした作品となっていて、単純に鑑賞するならば良作であった。