作品紹介
公開年月 | 2018/03/23 |
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ジャンル | アクション/SF |
原作 | なし |
監督 | スティーヴン・S・デナイト |
脚本 | エミリー・カーマイケル、キラ・スナイダー、ほか |
製作 | ジョン・ボイエガ、ケイル・ボイター、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
突如現れた“KAIJU”群と巨大兵器イェーガーの戦争終結から10年、世界は混沌しながらも平和を取り戻そうとしていた。
自らの命を引き換えに人類を救った英雄スタッカー・ペントコスト司令官の息子ジェイクは、周囲の期待に応えられず違法行為に手を染めていた。
ある日、環太平洋防衛軍(PPDC)の会議が開催された時、正体不明のイェーガーから襲撃を受けると、それは新たな戦いの幕開けを告げるのだった。
登場人物&出演者
・ジェイク・ペントコスト(演:ジョン・ボイエガ)
主人公。英雄スタッカー・ペンコストの息子。半壊した豪邸に住み、パーティ三昧と過ごす。
ジョン・ボイエガは近年の出演作に『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『デトロイト』などがあります。
普段はイェーガーの部品を盗んで食料を確保するなど、英雄の息子とは思えない生活を送る。
アマーラとともに逮捕され、マコの処置によって逮捕を免れ防衛軍の教官へ復職を果たす。
マコが正体不明のイェーガーに殺されると、それがプリカーサーの仕業と知って戦う事に。
最後はアマーラとドリフトして怪獣を倒して、父親のように世界を救った英雄となった。
・アマーラ・ナマーニ(演:ケイリー・スピーニー)
ヒロイン。復興している街に住む少女。過去に襲撃した怪獣により家族を亡くしている。
ケイリー・スピーニーは本作が長編映画デビュー作となります。
またやって来る怪獣の為にスクラップからイェーガーを一人だけで製造している。
ジェイクとともに逮捕されると、その才能を見込まれて環太平洋防衛軍の訓練兵となる。
ニュートンの計画で基地が襲われると、ジェイクがパイロットとして復帰を許可した。
最後はネイトの代わりにジプシーへ乗り込み、見事に怪獣を倒して世界を救う事となる。
・ネイト/ネイサン・ランバート(演:スコット・イーストウッド)
ジェイクの同期。環太平洋防衛軍で教官を務めている。規則に厳しく訓練兵を教育する。
スコット・イーストウッドは代表作に『グラン・トリノ』、『スーサイド・スクワッド』などがあります。
ジェイクが環太平洋防衛軍に戻ってくると、憎まれ口を叩いて過去の事を恨んでいた。
シャオ産業による無人イェーガーが配備される事に不満を持ち、リーウェンに主張していた。
正体不明のイェーガーと対決するも完敗するが、二度目の遭遇では見事に撃退した。
最後は負傷して途中でイェーガーを降り、逃げようとしたニュートンを捕まえた。
・森マコ(演:菊地凛子)
ジェイクの義理の姉。現在は事務総長として働く。問題を起こすジェイクを常に心配する。
菊地凛子は近年の出演作に『テラフォーマーズ』、『ディアーディアー』などがあります。
立入禁止となったイェーガーの廃墟侵入と無断操縦でジェイクを防衛軍に戻す処置をした。
最後は無人イェーガー採用可決の会議で正体不明のイェーガーに襲われて死亡した。
・ハーマン・ゴットリーブ博士(演:バーン・ゴーマン)
環太平洋防衛軍の科学士官。怪獣が戻る事を懸念して独自に推進装置を開発していた。
バーン・ゴーマンは代表作に『ジョニー・イングリッシュ/気休めの報酬』、『クリムゾン・ピーク』などがあります。
怪獣の血液とレアアースを混合する事で爆発的な推進力を得られる事を発見している。
久々に再会したニュートンに推進装置開発の協力を頼む込むが、忙しさで断られてしまう。
ニュートンがプリカーサーに洗脳されている事を知り、すぐにジェイクたちへ報告した。
最後は推進装置でイェーガーを日本へ飛ばし、司令官の代理として作戦の指揮を執っていた。
・リーウェン・シャオ(演:ジン・ティエン)
環太平洋防衛軍と協力関係にあるシャオ産業の女社長。常に自信満々で無理難題を提案する。
ジン・ティエンは代表作に『グレートウォール』、『キングコング:髑髏島の巨神』がある。
全世界にシャオ産業の無人イェーガーを配備するべく奔走し、部下をこき使っている。
無人イェーガーを開発する為にヘッドハンティングしたニュートンもその例外ではない。
洗脳されたニュートンのせいで地球が危機に瀕し、環太平洋防衛軍に全面的に協力する。
最後はスクラッパーでジプシー・アベンジャーを助け、、ジェイクとアマーラを救出した。
・ニュートン・ガイズラー(演:チャーリー・デイ)
元環太平洋防衛軍。シャオ産業の研究チームのトップとしてドローン・イェーガーを開発。
チャーリー・デイは代表作に『モンスター上司』シリーズ、『お!バカんす家族』がある。
シャオ産業にどっぷりと浸かっていて、久々に会ったハーマンを適当にあしらっていた。
実はプリカーサーに洗脳されていて、シャオ産業の無人イェーガーで怪獣を寄生させていた。
無人イェーガーで裂け目を作り出すと、怪獣を三体出現させて世界の滅亡を実行した。
最後は計画が失敗して逃げるところでネイトに捕まり、ジェイクが反撃のメッセージを送る。
感想
個人的な評価
本作はギレルモ・デル・トロの怪獣や巨大ロボットに対する偏愛から生まれた作品の続編となります。
しかしながら、製作会社のレジェンダリー・ピクチャーズと配給元のユニバーサル・スタジオとの意見が対立して延期してしまう。
レジェンダリー・ピクチャーズを中国の企業が買収して、そこから資本金を得て製作をするもギレルモ・デル・トロは監督を降板している。
その代わりとしてスティーヴン・S・デナイトが監督として引き継ぎ、デル・トロのアイディアをいくつか採用しているようです。
このように本作は紆余曲折があって、ようやく公開にこぎ着けた作品となっています。
やはり、中国企業の資本が入っているせいで大々的に中国人がクローズアップされていて、しょうがないとは言え違和感がありました。
まるで中国企業が世界で最も優れているような描写は、資本を入れているせいで製作側も入れざる得なかったのでしょう。
前作はギレルモ・デル・トロが描きたかったロボット対怪獣を描ききった作品だが、本作は明らかにその良さを上手く潰しています。
なんだか途中で実写版『ガッチャマン』を思い出してしまうほど、全体的に人物の描写が薄かったです。
まず、怪獣は最後の方しか出ないし、登場人物が多すぎて視点が定まらないし、中国の偉大さが悪目立ちしていました。
そんな安っぽい人間ドラマを観たいのではなく、怪獣に対する人間の負けない意志を観たいだけなのです。
その為には視点を定めるべきであり、脇役はあくまでも主人公を際立たせる為だけにいるべきだと思っています。
しかし、本作は主人公よりも中国という点が強すぎたし、ヒロインの存在もなんだかバランスが取れていなかったです。
安っぽくなった事でマイルドな物語になって、ロボット映画や怪獣映画が苦手な人も取っ付きやすくなったのだろう。
でも、ギレルモ・デル・トロはそんな方向性を目指したと思えないし、彼が手がけたらもっとコアな部分にこだわって面白くなるはず。
何よりスルメみたいに噛めば噛むほど味が出てくるような演出をギレルモ・デル・トロは絶対にやるだろうと思う。
その点、本作は中国資本に買われて実現したせいで、前作とはまったく違う雰囲気になったのも残念としか言えない。
ロボット映画や怪獣映画に疎い人は楽しめるが、コアなファンにとっては物足りないのは言うまでもないだろう。