ザ・ファイター RE-1906

作品紹介

公開年月  2010/12/10
ジャンル  ドラマ/伝記
原作  ミッキー・ウォードとディッキー・エクランドの半生
監督  デヴィッド・O・ラッセル
脚本  スコット・シルヴァー、ポール・ダマシー、ほか
製作  デイヴィッド・ホバーマン、トッド・リーバーマン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アメリカ、マサチューセッツ州で低所得者の労働者階級が暮らす寂れた街、ローウェル。
兄ディッキーは、一度は天才ボクサーとしてスポットライトを浴びたもののドラッグで身を崩してしまう。
今まであのシュガー・レイ・レナードからダウンを奪ったというかつての栄光にしがみつくだけで荒んだ日々を送っていた。
一方、対照的な性格の弟ミッキーもボクサーとして活躍するが、トレーナーである自分勝手な兄とマネージャーでマッチメイクに無頓着な母アリスに振り回され連敗が続いていた。
ミッキーの新たな恋人シャーリーンは、悪影響ばかりの家族から離れるべきだとミッキーを説得する。
だが、窃盗で刑務所に収監されたのを機に、ミッキーは新しいトレーナーと組み、頭角を現し始めると連勝を続ける。
ついにミッキーは世界タイトル戦に挑む事となったが、自分こそがミッキーのトレーナーだと自負するディッキーが出所するのだった。

登場人物&出演者

ミッキー・ウォード(演:マーク・ウォールバーグ)
ディッキー・エクランド(演:クリスチャン・ベール)
シャーリーン・フレミング(演:エイミー・アダムス)
アリス・ウォード(演:メリッサ・レオ)

感想

個人的な評価

第83回アカデミー賞にて助演男優賞、助演女優賞を受賞し、作品賞、監督賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞にノミネートされています。
ミッキー・ウォードは実在するボクサーで1985年から2002年まで活躍していました。
ただ、名だたるボクサーというワケじゃなく、メジャーなタイトルには残念ながら縁がなかったようです。
ですが、ミッキーの名を世の中に知らしめたアルツロ・ガッティとのノンタイトル試合は大きく話題となりました。
その縁で2002年度のリングマガジン『ファイト・オブ・ザ・イヤー』に選出されています。
一方のディッキー・エクランドは1970年代で世界ランカーのボクサーで、あのシュガー・レイ・レナードと対戦した経歴を持つ。
監督には脚本家、映画プロデューサーとしても活躍するデヴィッド・O・ラッセルが務めています。
代表作として『スリー・キングス』、『ハッカビーズ』などがあります。
最初に監督を依頼されたのはダーレン・アロノフスキーでしたが、『ロボコップ』のリメイクに取りかかる為に降板し、代役としてデヴィッド・O・ラッセルが監督となりました。
本作において主人公である家庭の事情で連発続きとなるミッキーを演じるのはマーク・ウォルバーグです。
マーク・ウォルバーグは歌手としても活躍しているが、若い頃はかなり問題のある人物で、25回もボストン警察にお世話になっています。
現在では俳優として第一線で活躍し、代表作には『PLANET OF THE APES/猿の惑星』、『ディパーテッド』、『ザ・シューター/極大射程』などがあります。
近年はアクション映画に限らず、コメディ映画などにも出演して活躍の幅を広げているようです。
そんな本作では製作に参加するほど入れ込んでいて、彼としては「非現実的な格闘シーンにしたくない」というポリシーを持っていました。
かなり気合いの入っていた作品であったが、残念ながら映画賞にはノミネートすらしませんでした。
その代わり、異父兄弟の兄ディッキーを演じる事になったクリスチャン・ベールは助演女優賞を受賞しました。
どうやら元々はブラッド・ピットがキャスティングされていたが、事情により降板しての代役となりました。
クリスチャン・ベールは過剰な役作りをする俳優として知られていますが、本作でも彼の持ち味が発揮されています。
とにかく、冒頭でのワンシーンから完全に主人公のマーク・ウォルバーグを食っているのが分かりました。
それぐらいにインパクトがあって、物語を進めていく使命があるマーク・ウォルバーグは逆に引き立て役となってしまいました。
助演女優賞を受賞する事になったミッキーの母アリスを演じるのはメリッサ・レオです。
メリッサ・レオは多くのテレビ映画やインディペンデント映画に出演しているベテラン女優です。
代表作には『21グラム』、『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』、『オブリビオン』などがあります。
クリスチャン・ベールのインパクトには及ばないけど、マーク・ウォルバーグと同じぐらいは目立っていたと思いますね。
他にミッキーの恋人シャーリーンにはエイミー・アダムス、本人役としてシュガー・レイ・レナードも出演しています。
ミッキーは家族を第一に思っているのに、その家族が彼の人生を振り回し、ボクサーとしての才能をムダにさせ、そこから這い上がろうとする内容。
本格的なボクシング映画となっていますが、物語のほとんどはドラッグに溺れる兄と振り回される弟という感じです。
主人公は確かにマーク・ウォルバーグであるけど、物語のほとんどはクリスチャン・ベールの魅力、メリッサ・レオの育ててやった母親という感じでした。
如何にも映画賞が獲れそうな内容であり、オイラとしてはまったく面白いとは思わなかった作品でした。