作品紹介
公開年月 | 2017/01/21 |
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ジャンル | ホラー/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | イサーク・エスバン |
脚本 | イサーク・エスバン |
製作 | イサーク・エスバン、エルサ・レイエス、ほか |
製作国 | メキシコ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
世界中が未曾有の激しい豪雨に見舞われた夜、そこへ“何か”が紛れてやって来ていた。
時を同じく人里離れたバス・ステーションに居合わせた8人の男女が奇妙な現象に巻き込まれ、1人の女性がウイルス感染したような症状を見せて狂っていく。
ラジオの情報では雨による原因不明の伝染病で世界中でも同様の混乱が発生しており、残った者たちは生きる為にサバイバルを展開するのだった。
登場人物&出演者
・ウリセス・マルティネス(演:グスタフォ・サンチェス・パッラ)
バス停留所にいた男。妻が出産間近で町へ行こうとする。バスが来なくてイライラしている。
グスタフォ・サンチェス・パッラは代表作に『マイ・ボディガード』『レジェンド・オブ・ゾロ』などがあります。
マルティンに何度もバスの到着を聞くが、結局は雨のせいで遅れていて更にイライラする。
何かのウイルスでマルティンやシャーマンが自分と同じ顔になり、アルバロが危険だと判断。
元凶だとしてずっと捕まっていたが、本当の黒幕であるイグナシオに脅されて銃を取る。
最後はイグナシオに操られたマルティンに撃たれ、ヒゲ面は自分の顔じゃないと言って死亡。
・イレーヌ・エスクデロ(演:カサンドラ・シアンゲロッティ)
バス停留所に来た女。妊娠8ヶ月。暴力夫を殴って気絶させ、逃げる為に町へ行こうとする。
カサンドラ・シアンゲロッティは代表作に『The Hours with You』、『ザ・ウォーター・ウォー』などがあります。
バスが来ないと知ってタクシーを呼び、パニック状態だったがウリセスにより落ち着いた。
元々は教師だったが、3年前に結婚して町に来ていたが、暴力夫のせいで悲惨な目に遭う。
ついにウリセスの顔になってしまい、彼と話していたイグナシオをかばっていた。
最後はイグナシオが元凶だと知って迫るが、お産が近づいて子供を産むも死んでしまう。
・マルティン・アギラ(演:フェルナンド・ベセリル)
バスセンターの券売係。もうすぐ定年。窓口では堂々とエロ雑誌を真剣な眼差しで読む。
フェルナンド・ベセリルは代表作に『マスク・オブ・ゾロ』、『キック・オーバー』がある。
何度もバスの到着を尋ねるウリセスに同じような答えを出し、エロ雑誌を真剣に読む。
30年も真面目に働いていたが、20年前に妻を亡くし、あと2週間で定年を迎えようとした。
ウリセスを悪魔呼ばわりしたが、本当の黒幕のイグナシオに操られて彼を射殺する。
最後は停留所の入り口に近づくと、イグナシオにより突っ込んできた車に撥ねられて死亡。
・アルバロ・ガルシア・エラソ(演:ウンベルト・ブスト)
バス停留所に来た男。医学生。タクシーでやって来てイレーヌの声を聞いて駆けつけた。
ウンベルト・ブストは代表作に『ディノシャーク』、『パラドクス』などがあります。
発作を起こしていたローザをすぐに見るが、症状は不明でどうする事もできずに見守る。
マルティンやシャーマンがウリセスの顔になり、彼がどこかのスパイとして暴力で制する。
自身もウリセスの顔になって状況を把握し、元凶がイグナシオだと分かるも何もできず。
最後は雨が止んで駆けつけた警察に大麻所持と、殺害した容疑をかけられ逮捕されてしまう。
・ローザ(演:カタリナ・サーラス)
バス停留所の券売係。住み込みで働いていて、マルティンは素晴らしい人間だと言っている。
カタリナ・サーラスは代表作に『Canela』、『Ladies Buchonas』などがあります。
トイレにいたイレーヌに声をかけて、町に行こうとした彼女をなぜか必死に止めていた。
すると突然、発作を起こして倒れ込むと、駆けつけたアルバロが診断するも症状は不明に。
気がつくと顔がウリセスのヒゲ面となっていて、なんとか取ろうとハサミで自分の顔を切る。
最後はトイレに行ったイグナシオの叫びでマルティンたちが駆けつけが、出血多量で死亡。
・シャーマン(演:マリア・エレーナ・オリヴァレス)
バス停留所にいた年老いた女性。苛つくウリセスを見て停留所の端っこで何か呟いていた。
マリア・エレーナ・オリヴァレスは代表作に『Nada Personal』、『El Violin』があります。
元々は近所でも変な人として有名であり、スペイン語とは違う言語をずっと口にする。
妻が危篤状態と聞き電話ボックス内で脱力したウリセスを心配して声をかけていた。
マルティンに続けて顔がウリセスとなってしまい、またしても端っこで何か呟き始める。
イグナシオが正体を現すと、どうする事もできずに他のウリセスたちと棒立ちとなっていた。
最後は倒れたイグナシオに呪文をかけるも通じず、ウリセスの顔だと一人だけ認識していた。
・ゲルトルディス・レディス・マルクス(演:カルメン・ベアト)
バス停留所に来た女性。母子家庭で外食関係の仕事をする。病気持ちの息子を気遣っている。
カルメン・ベアトは代表作に『Aro Tolbukhin – En la mente del asesino』、『猟奇的な家族』などがあります。
息子が発作を起こすとすぐに薬を打って落ち着かせるが、周りの疑問に一切答えない。
実は有名なレストランの共同経営者だったが、イグナシオが問題を起こした噂があった。
イグナシオの発作を抑える薬を投与していたが、アルバロに止められてしまい悲劇が始まる。
最後は自身もウリセスの顔になるが、警察のお咎めもなく町の病院へ向かう事になった。
・イグナシオ(演:サンティアゴ・トレス)
バス停留所に来た少年。首には医療器具を装着していて、突然奇声を発する病気の持ち主。
サンティアゴ・トレスは代表作に『Por mis bigotes』、『Rumbos Paralelos』があります。
水は大の苦手で雨の日はいつも奇声を上げるが、母親はその度に薬を投与して落ち着かせる。
過保護な母親に行動を制限されるが、ローザを見つけて全員をトイレに閉じ込めてしまう。
縛られたウリセスを前にして正体を明かし、彼を暴走させるように脅迫をしていた。
最後は殺人をアルバロに押しつけ、自身は母親とともに町にある病院へと向かっていく。
感想
個人的な評価
本作は『シッチェス・カタロニア国際映画祭』を含めて多くの映画祭にて上映された作品。
話題となった『パラドクス』のイサーク・エスバンが監督を務めた最新作となります。
雰囲気を重視した本作は全編においてモノクロであり、独特な世界観が広がっています。
これは『パラドクス』でも言える事ですが、監督であるイサーク・エスバンはかなり個性の強い作品を手がけています。
正直言って『パラドクス』はインパクトがある作品だが、エンターテイメント性は決して高いとは言えません。
つまり、イサーク・エスバン監督の作品は物好き、もしく自分は普通と違うと言いたい人が好きそうな作品を作っています。
本作についてはジャケットは完全なる詐欺で、包帯を巻いた顔のキャラクターはほとんど一瞬しか出てきません。
物語はイサーク・エスバン監督らしく、ソリッド・シチュエーションであり、同じ場所で展開していきます。
序盤では雨の影響で色々と不安な気持ちを抱かせ、登場人物たちはずっとイライラしていような描写となります。
中盤から多少落ち着いていくが、そこにまたも徐々に不気味な何かが始まっていくが、なんだかコメディのような描写が強くなる。
終盤に差しかかると黒幕が正体を暴いて、コメディっぽさからファンタジーになっていき、もうなんでもアリ状態となります。
やはり、本作も『パラドクス』で感じた抽象的な描写が多く、一見して複雑怪奇のようで実は中身がほとんどないという感じでした。
もちろん、本作にはエンターテイメント性はあまりなく、なんだか監督の自己満足を見ているような印象を受けました。
物珍しさで観るのはいいですが、決して面白い作品ではないし、自己満足でほとんど完結しているので、それに付き合いきれるか分かれる作品でした。