タイム・ループ/7回殺された男 RE-2596

作品紹介

公開年月  2016/12/07
ジャンル  SF/サスペンス/アクション
原作  なし
監督  フィリップ・コヴァチェヴィッチ
脚本  フィリップ・コヴァチェヴィッチ、マサ・セニシック
製作  フィリップ・コヴァチェヴィッチ
製作国  セルビア
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ありふれた街角の広場、ある男がベンチで目を覚ますが、彼は自分の名前も覚えていない。
そこへ突然現れた白いマスクを被った四人の殺し屋から追われ、男は必死に逃げるも射殺されてしまう。
再び同じ男が同じベンチで目を覚まし、夢だったのかと呆然としているところに、同じ四人の殺し屋が現れ、彼はまたも殺されるのだった。

登場人物&出演者

主人公(演:ストヤン・ジョルジェヴィッチ)
主人公。ベンチで目を覚ますも記憶がなく、白いマスクの男たちに呆気なく射殺される。
ストヤン・ジョルジェヴィッチは代表作に『Za kralja i otadzbinu』などがあります。
二度目は夢だったと考えるが、状況を理解する前に白いマスクの男たちから逃げるも射殺。
三度目は自分の顔すら覚えておらず、逃げ出して病院で目を覚ますも結局は射殺される。
四度目はベンチを殴るが四角形の石を見つけ、更に博士を追い、数字を見つけ出すも射殺。
五度目は数字から突破口を導き出し、白いマスクを撒いて手がかりを探すも結局は射殺。
六度目は残された道を歩き、白いマスクを一人捕まえてすべての記憶を取り戻し自殺した。
七度目は逃げる事を止め、すべてを受け入れた事でようやく無限のループを終わらせた。

博士(演:デヤン・チクミロヴィッチ)
主人公が四度目に目覚めた時、逃げている途中で入った建物で出会う事になる。
デヤン・チクミロヴィッチは代表作に『Ringeraja』、『Crna Zora』などがあります。
電話がかかって主人公の記憶を消すように言われ、それ以外は知らないと言って立ち去る。

刑事(演:ティホミル・スタニッチ)
主人公が三度目にポールにぶつかって意識をなくし、病院にいた時に身元調査をした。
ティホミル・スタニッチは代表作に『Progon』、『Falsifikator』などがあります。
混乱している主人公に携帯電話とマッチを見せるが、直後に白いマスクの男の殺される。

医者(演:ジャルコ・ステパノフ)
主人公が三度目にポールにぶつかって意識をなくし、その担当を務めていた医者。
ジャルコ・ステパノフは本作が長編映画デビュー作となっています。
錯乱状態の主人公に鎮静剤を打とうとするも阻まれ、撃たれた刑事のケガを診ていた。

感想

個人的な評価

本作は南東ヨーロッパにある内陸国であるセルビア製作の作品となっています。
セルビアのイメージとしてはスポーツに強く、特に球技が世界レベルという感じです。
逆に映画は本作が初めてみると思われるが、タイトルからすぐに内容が分かります。
いわゆるループ映画で、主人公が死んでリセットしてスタート地点からやり直すという。
この手法は過去に何作もあって、代表的な作品に『恋はデジャ・ブ』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『ラン・ローラ・ラン』などがあります。
これらの作品は共通して主人公は死んだ時に記憶を保持したまま、スタート地点に戻ってやり直すという構成になっています。
そんな本作も同様の手法を取っていて、主人公が記憶をなくしていて、それを取り戻すべく色々と探っていくというミステリー要素を含めている。
毎回のように白いマスクをした男たちに追われ、結局は追いつめられて射殺されてしまう。
それでも、記憶を保持しているので次の段階に進んでいき、ついに真実を見出していく。
この流れについては特に珍しいモノじゃないが、毎度違った流れになっているので飽きない展開になっています。
更に主人公の正体が分かっていくので、同時に予想しながら楽しめる部分もあります。
最後には主人公がなぜそのようになったのか解明されて、一応はスッキリします。
しかし、大前提となっているループしている事が不明のまま終わってしまう点です。
これこそ、ちゃんと説明しないと作品の意味合いが完全にファンタジーと化してしまいます。
ハッピーエンドならば強引に納得させられるが、本作はそういうタイプの作品じゃない。
だからこそ、ちゃんとした説明でループしている理由を語らないといけないと思う。
ですが、本作はその肝心な部分を気持ちいいぐらいにすっ飛ばしているので、なんだか終わってもスッキリしない感じでした。
ここからネタバレになるのだが、主人公は結局、白いマスクのボスで殺し屋だったという。
だが、そんな殺し屋の人生に嫌気が差し、自分で計画を立てて一度死んで新たな人生を送ろうとしていたのです。
もちろん、計画通りに行かず失敗するけど、そこで主人公は生き方を変えるのではなく、すべてを終わりにするという結末を導き出す。
逃げる事ではなく、面と向かって堂々と向き合う事で終わらせられると気づき、それでようやく物語が完結していく。
結局、本作は言いたいのは逃げる事ではなく、立ち向かっていくべきで、それによって新たな道が開けるメッセージがあったように思えます。