作品紹介
公開年月 | 2017/11/22 |
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ジャンル | ファンタジー/アドベンチャー |
原作 | なし |
監督 | リー・アンクリッチ |
脚本 | エイドリアン・モリーナ |
製作 | ダーラ・K・アンダーソン |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ミュージシャンを夢見るギターの天才少年ミゲルは、一族は代々音楽を禁じられていた。
ある日、ミゲルは先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込み、日の出までに元の世界に戻らないと体が消えるという。
そんなミゲルに手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツのヘクターはやがてたどり着く一族の驚くべき秘密を知るのだった。
登場人物&出演者
・ミゲル・リヴェラ(声:アンソニー・ゴンザレス/吹替:石橋陽彩)
主人公。四代に渡って靴職人の家系に生まれる。音楽を聴く事、演奏する事も禁止される。
アンソニー・ゴンザレスは本作が長編アニメ映画デビュー作となります。
石橋陽彩は本作が長編アニメ映画デビュー作となります。
代々の掟を強く守っている祖母エレナの言いつけの守るが、秘かにギターを弾いていた。
すると、家を出て行った曾曾祖父がミュージシャンのエルネスト・デラクルスだと知った。
ヘクターに出会ってデラクルスに会わせると協力するが、実は彼こそが本当の曾曾祖父。
卑怯な手で有名になったデラクルスに落胆し、ヘクターの家族を愛する心を知って喜んだ。
最後は生者の国に戻ってココにリメンバー・ミーを聞かせ、ヘクターは消えずに済んだ。
・ヘクター・リヴェラ(声:ガエル・ガルシア・ベルナル/吹替:藤木直人)
死者の国にいた男。なんとか生者の国へ行こうとするが、祭壇に写真がなくて行けない。
ガエル・ガルシア・ベルナルは代表作に『アモーレ・ペロス』、『モーターサイクル・ダイアリーズ』などがあります。
藤木直人は代表作に『花より男子』、『LAST COP THE MOVIE』などがあります。
デラクルスを曾曾祖父だと思い込んでいたミゲルを見つけ、会わせようと協力を申し出る。
実はミゲルの本当の曾曾祖父であり、生者の国に固執していたのは娘のココに会う為だった。
ママ・ココの記憶がなくなっていくと消えかかり、ミゲルを頼っていたが途中で断念する。
最後はイメルダと和解し、ココも彼の思い出を語り、一年後には生者の国へと行く事に。
・ダンテ
町にいる野良犬。リヴェラ家では飼う事を禁じられているが、ミゲルに名前をつけられる。
ミゲルの存在を嗅ぎつけると喜んで一緒に行動し、何かと彼にヒントを与える重要な役割に。
祭壇の供え物を食べてミゲルとともに死者の国へ行って、そこでヘクターの正体を見破る。
死者の国に適応していくと、魂を導く「アレブリ」に変化して空を飛べるようになる。
最後はミゲルとともに生者の国へと帰還して、野良猫と仲良くなってリヴェラ家で飼われる。
・エレナ・リヴェラ(声:レニー・ヴィクター/吹替:磯部万沙子)
リヴェラ家の祖母。リヴェラ家のリーダー的な存在であり、代々伝わる掟を強く守っている。
レニー・ヴィクターは代表作に『ドクター』、『愛と暗殺のタンゴ』などがあります。
磯部万沙子は代表作に『ブレンパワード』、『コイ☆セント』などがあります。
特に音楽への嫌悪感が凄まじく、ミゲルが少しでも影響を受けるような状況を追い払う。
ミゲルが隠れて音楽をやっていた事に腹を立て、彼が自分で組み立てたギターを破壊する。
そのせいでミゲルがいなくなって必死に探していたが、それでも音楽は絶対禁止だと主張。
最後は戻ってきたミゲルがママ・ココにリメンバー・ミーを披露し、語る母親に涙した。
・ママ・ココ(声:アナ・オフェリア・ムルギア/吹替:大方斐紗子)
ミゲルの曾祖母。過去に父親が音楽を求めて家を出たが、母親が靴職人として育てられた。
アナ・オフェリア・ムルギアは代表作に『グッド・ハーブ』などがあります。
大方斐紗子は吹替の代表作に『イン・ハー・シューズ』、『翼をください』などがあります。
最近ではすっかりと認知が衰えていたが、大昔にいなくなった父親の事を思っている。
ママ・イメルダはずっとヘクターを嫌っていたが、年を取っても父親の帰りを待っていた。
認知が進んでヘクターの事を忘れようとして、死者の国の彼が消えそうになってしまう。
最後は戻ってきたミゲルがリメンバー・ミーを聞かせ、思い出して饒舌に語り出した。
・ママ・イメルダ(声:アラナ・ユーバック/吹替:松雪泰子)
ミゲルの曾曾祖母。夫が家を出てから、ココを育てる為に靴職人となって音楽を禁止した。
アラナ・ユーバックは代表作に『天使にラブ・ソングを2』、『バッド・ティーチャー』などがあります。
松雪泰子は吹替の代表作に『ボーン・レガシー』があります。
リヴェラ家を支えた人物であり、死者の国でもリーダー的な役割を担っていた。
死者の国に迷い込んだミゲルを一度帰すが、言いつけを破った戻ってくると厳しくなる。
町中を探しているとヘクターとともに見つかり、ミゲルの条件を呑んで仕方なく協力する。
最後は昔の歌を思い出し、音楽禁止の掟を排除して、ミゲルに音楽を自由にやらせた。
・エルネスト・デラクルス(声:ベンジャミン・ブラット/吹替:橋本さとし)
ミゲルの住む町出身のミュージシャン。カルト的な人気を博し、ミゲルが信奉している。
ベンジャミン・ブラットは近年の出演作に『ブラッド・スローン』、『ドクター・ストレンジ』などがあります。
橋本さとしは代表作に『極道の妻たち』、『暗殺教室』などがあります。
町のヒーローとして扱われていると、祭壇の写真とギターが一緒でミゲルが曾曾祖父と断定。
死者の国では盛大なパーティを催して、選ばれた客だけが参加できるコンサートを開く。
実はすべての音楽はヘクターが書いたモノで、辞めようとした彼を毒殺し自分のモノにした。
最後は自分の悪事をコンサートの客に聞かれてしまい、すべての名誉を失ってしまった。
感想
個人的な評価
本作はピクサーの長編映画として第19作目であり、同年に『カーズ/クロスロード』とともに複数公開された作品です。
アカデミー賞では長編アニメ映画賞と主題歌賞を受賞し、これにより6年連続でディズニー作品が長編アニメ映画賞の受賞となっています。
テーマとなっているのはメキシコで盛大に行われる祝祭「死者の日」となっています。
死者の日というと、個人的に『デスペラード/レジェンド・オブ・メキシコ』を思い出してしまいます。
そんな本作ではメキシコを舞台にしている作品らしく、音楽が物語の中心にありました。
もちろん、ピクサーが得意としている家族の絆も描かれていて、その二つの要素が見事に融合していました。
やはり、ピクサーの作り出す物語というのは心に訴えかけるモノがあって、アニメーション映画ながら当たり前のように泣きました。
音楽を禁止された家族の中で、一人だけやたらと音楽にこだわる主人公が先祖と出会い、そこで自分の歩むべき道を見出して行く。
それは夢である音楽家よりも大切な家族の絆に気付かされ、それはこれまで家族の闇となっていた部分に光を照らす意味でもありました。
本作は一見してファンタジーのような死者の国が登場していますが、霊的な観点から言うと決してウソではないと思います。
死者の国は本作のようなファンタジックな世界ではないだろうが、必ず存在していると思っています。
メキシコには「死者の日」があるように、日本でも「お盆」があって、ご先祖様が帰ってくるという習慣があります。
本作は文化の違うメキシコの祝祭をテーマにしているが、日本人にも馴染みのある題材だと感じさせました。
先祖が何を思って現状の子孫を見ているのか分からないですが、彼らに顔向けできるような立派な人間になるべきだと本作から伝わってきます。
忘れられる事がどれだけ辛いのか本作が上手く表現していて、それを代弁する邦題になっている「リメンバー・ミー」は秀逸だと感じました。
原題はヘクターの娘の名前だけど、珍しく邦題の方がしっくり来るパターンで、色々と感慨深い思いになった作品でした。