作品紹介
公開年月 | 2004/07/16 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | アイザック・アシモフ 『われはロボット』 |
監督 | アレックス・ブロヤス |
脚本 | アキヴァ・ゴールズマン、ジェフ・ヴィンター |
製作 | ジョン・デイヴィス、ウィック・ゴッドフレイ、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
2035年のシカゴ、街中では家庭用ロボットが普及し、人間の生活に必須のモノだった。
ある日、巨大企業USロボティックス社に勤務するロボット工学の第一人者アルフレッド・ラニング博士が謎の死を遂げる。
ロボットを毛嫌いするシカゴ市警のデル・スプーナー刑事は、博士が開発したNSー5型ロボットの“サニー”に疑いの目を向ける。
捜査に協力するUSロボティックス社のロボット心理学者スーザン・カルヴィン博士は、“3原則”を理由にロボットが人間へ危害を加えるはずがないと主張にするのだった。
登場人物&出演者
・デル・スプーナー刑事(演:ウィル・スミス)
・スーザン・カルヴィン博士(演:ブリジット・モナハン)
・サニー(演:アラン・テュディック)
・アルフレッド・ラニング博士(演:ジェームズ・クロムウェル)
・ローレンス・ロバートソン(演:ブルース・グリーンウッド)
・ファーバー(演:シャイア・ラブーフ)
感想
個人的な評価
この作品はSF作家のアイザック・アシモフの短編集『われはロボット』と、脚本家ジェフ・ヴィンターの『ハードワイヤー』を参考に作られています。
世界観や登場人物、それに企業名などはそのまま使われているが、主人公の設定が映画オリジナルである。
何より本作は注目するべきはアイザック・アシモフが作り出した『ロボット工学三原則』が中心となっているところです。
この『ロボット工学三原則』とは、その名の通りロボットが守るべき原則であり、その内容は以下のようになっている。
第一条、ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険に看過する事によって人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条、ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が第一条に反する場合、この限りではない。
第三条、ロボットは前掲第一条および第二条に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。
このようにしてロボットは社会に溶け込んでいて、人間の為に多くの労働を引き受けている。
もちろん、舞台は未来の世界であって、現在の技術よりもずっと優れていて、登場する技術は実にユニークである。
物語は基本的に事件を追うロボット嫌いの刑事がロボット工学の第一人者の博士が自殺してから始まる。
その中で刑事は真実を追い求めているうち、世界に対する危機を知り、それを阻止しようとするという展開となる。
さて、本作で冒頭からヤケにロボット嫌いという印象を持たせるデル・スプーナー刑事を演じるのはウィル・スミスです。
今ではハリウッドを代表するドル箱スターであり、出演する作品は全て大ヒットという誰もが知る俳優です。
挙げるだけでも『インデペンデンス・デイ』から始まり、『メン・イン・ブラック』シリーズや『バット・ボーイズ』シリーズが浮かぶ。
だけど、こういうタイプの俳優というのは大作ばかりで大味な演技しかできないと思われる。
だが、ウィル・スミスは2001年公開の『ALIアリ』で高い演技力が認められ、2006年公開の『幸せのちから』ではアカデミー賞にノミネートされている。
このようにウィル・スミスは娯楽作だけじゃなく、芸術作にも出演して高い評価を受ける性格俳優の地位も築いている。
本作ではまさしくウィル・スミスの良いところ取りとなっていて、人を楽しませる演技とドラマを魅せてくれる演技も見事にこなしている。
過去のトラウマに囚われる主人公というのは多い中で、それを語る時に涙ぐむシーンは説得力があり、その実力を窺わせる。
当然のように本作は例に漏れず、ヒロインも登場しますが、珍しく主人公とのロマンスはない。
やはり、本作はアイザック・アシモフの作品を基にしている事もあり、ベタベタなロマンスとは違うところで魅せている。
それでもヒロインとしてきちんと主人公をサポートしたのはロボット心理学者のカルヴィン博士を演じたブリジット・モナハンです。
残念ながらブリジット・モナハンに関して本作で初めて観ましたが、堅物な博士として演じきっていると思います。
ただ、どうしてもロマンスに至らないので、女性である必然性はなく、どこか中途半端な印象があります。
で、本作において忘れてはいけないのは物語の中心にあるサニーと名乗る人間に近い感情を持つロボットである。
当初からサニーを疑っていたスプーナー刑事とは途中までその関係が続くが、最後の方で分かり合うところは良かったですね。
冒頭からしつこく設定されたロボット嫌いの主人公が最後にロボットと和解し友情を築くのは王道パターンだが、悪くない展開だったと思います。
本作は単なるSFアクション映画として片付けるのは非常にもったいない作品だとオイラは思います。
ウィル・スミスの人間味ある演技が光っていましたし、何より近未来という設定の中で魅せてくれた世界観は良かった。
正直、初見はあまり良い印象はなかったのですが、こうして映画を観る目を養ったおかげで本作の素晴らしさを知りました。
オイラ的にはオススメしたい作品で、ウィル・スミスが好きな方にも是非ともオススメしたいですね。