GODZILLA/星を喰う者 VD-218

作品紹介

公開年月  2018/11/09
ジャンル  SF/アクション
原作  なし
監督  静野孔文
脚本  虚淵玄、村井さだゆき、ほか
製作  吉澤隆
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ゴジラ討伐に執念を燃やすハルオは“ゴジラ・アース”打倒で共闘したはずの異星人種族ビルサルドとの亀裂が表面化し、撃退の唯一のチャンスを逃してしまう。
人間たちに敗北感が広がる一方、宗教種族エクシフの大司祭メトフィエスは、ハルオが戦いを生き延びた事が奇跡だと唱え、信者を増やしていく。
やがて地上の覇者となったゴジラ・アースの前に金色に光り輝く“ギドラ”が降臨し、破壊王と虚空の神による異次元の戦いが始まろうとするのだった。

登場人物&出演者

ハルオ・サカキ(声:宮野真守)
主人公。大尉。ゴジラ・アースとの戦いナノメタルに浸食されず、英雄視される事になる。
宮野真守は代表作に『テイルズ・オブ・ヴェスペリア/The First Strike』、『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱』などがあります。
ユウコが脳死状態になった事で後悔し、生き残った者が宗教に浸食されて振り回される。
単なる祭壇のお飾りになり、マーティンにメトフィエスの暴走は止められないと理解した。
メトフィエスがギドラで惑星を破壊させようと説得されるが、マイナたちの力で思い留まる。
最後は憎しみの連鎖を絶つべく、マーティンが再起動したヴァルチャーで特攻して死亡した。

ユウコ・タニ(声:花澤香菜)
ヒロイン。ゴジラ・アースとの戦いでナノメタルに浸食され、脳死状態になってしまう。
花澤香菜は代表作に『センコロール』、『アラーニェの虫籠』などがあります。
ナノメタルが生命維持装置の役割を果たし、マーティンによる診察で二度と目覚めない。
最後はナノメタルが利用されない為にハルオの勝手な判断で心中する事となった。

マーティン(声:杉田智和)
環境生物学者。ゴジラ・アースとの戦いでメカゴジラシティから脱出し、なんとか生き残る。
杉田智和は代表作に『劇場版アクエリオン』、『劇場版七つの大罪/天空の囚われ人』がある。
ナノメタルがハルオを浸食しなかった原因がフツアの治療だと知るが、敢えて言わなかった。
唯一、メトフィエスがやっている事を理解して、ハルオと意見交換するも目立とうとはせず。
ギドラが登場してゴジラ・アースと戦うと、必死に解説と説明の役目を引き受けていた。
最後はフツアの生活に順応するが、ヴァルチャーを再起動させてハルオを特攻させてしまう。

アダム(声:梶裕貴)
揚陸艇とホバーの操縦士。ゴジラ・アースとの戦いでハルオのおかげで生還を果たした。
梶裕貴は代表作に『劇場版イナズマイレブン/最強軍団オーガ襲来』、『劇場版七つの大罪/天空の囚われ人』などがあります。
メトフィエスがハルオを英雄視して、彼の奇跡が神の意志だとして宗旨替えをしてしまう。
ゴジラ・アースに対する怒りを買われて、その代表としてギドラを神として崇めていた。
最後はメトフィエスがギドラを召喚するべく供物の一つとなり、そのまま犠牲となる。

ドルド(演:中井和哉)
異星人「ビルサルド」の族長。ゴジラ・アースとの戦いでハルオの叛逆を強く訴えていた。
中井和哉は代表作に『劇場版xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢』、『デジモンセイバーズ』がある。
船では少数派だった事もあって、ビルサルドの正当性を主張するべく船を乗っ取る事に。
最後はメトフィエスによって召喚されたギドラに襲われてしまい、船とともに死んだ。

ハマモト(声:山本兼平)
アラトラム号の副船長。中央委員会のメンバー。ハルオの行動は正しいと船長に意見する。
山本兼平は代表作に『蛍火の杜へ』、『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章- 第1章「ともだち」』などがあります。
ビルサルドのやっている事は間違っていると主張し、彼らが船を乗っ取って反論する。
最後はメトフィエスによって召喚されたギドラに襲われてしまい、船とともに死んだ。

ウンベルト・モーリ(声:堀内賢雄)
アラトラム号の船長。中央委員会のメンバー。ビルサルドの凶行を副船長から責められる。
堀内賢雄は代表作に『アモン・サーガ』、『薄墨桜/GARO』などがあります。
意見が衝突するハマモトとドルドの間に挟まれ、何も言えずに頭を抱えるしかなかった。
アラトラム号の動力源をドラドたちに奪われてしまうが、どうする事もできず棒立ちとなる。
最後はメトフィエスによって召喚されたギドラに襲われてしまい、船とともに死んだ。

メトフィエフ(声:櫻井孝宏)
異星人「エクシフ」の軍属神官。ゴジラ・アースとの戦い後にハルオを英雄として立てる。
櫻井孝宏は代表作に『デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!』、『えいがのおそ松さん』などがあります。
多くの信者を集める事でゴジラ・アースと戦う魂を集め、ギドラを復活させようとする。
その企みに気付いたミアナに迫っていき、ハルオと寝ていたマイナにバレてしまう。
信者たちを供物にしてギドラを召喚すると、仕上げにハルオの犠牲を求める失敗する。
最後はハルオに目を潰された事でなぜかそのまま命がなくなり、あっさりと死んでしまう。

ミアナ(声:小澤亜季)
フツアの神の卵を守る巫女。ずっとハルオを信じていて、彼こそが未来を繋ぐ存在と知る。
小澤亜季は代表作に『ポッピンQ』、『夏をやりなおす』などがあります。
ずっとテレパシーを使って人の心を読んでいたメトフィエスに対抗するも捕まってしまう。
メトフィエスによって祭壇に飾られるが、ただ気絶していただけでケガもせずにいた。
最後はゴジラ・アースに特攻するハルオを止めるが、結局止められず見送るしかなかった。

マイナ(声:上田麗奈)
フツアの神の卵を守る巫女。ミアナの双子の姉。ミアナと違って他種族に厳しい態度を取る。
上田麗奈は代表作に『アルモニ』、『ハーモニー』などがあります。
ハルオがフツアの未来を繋げるべく、自ら彼の子を宿そうとするもそのまま一緒に寝た。
色々と解説していたマーティンからヒントをもらい、ハルオこそがギドラを倒せると分かる。
マーティンをフツアの卵がある場所へ連れて行き、迷っていたハルオの意識を取り戻す。
最後はハルオの子供を妊娠していて、彼がゴジラ・アースに特攻する姿を黙って見守った。

感想

個人的な評価

本作は劇場アニメ『GODZILLA』三部作の3作目にして完結編となります。
スタッフや声の出演者たちは引き続き登場し、圧倒的な巨大さを持つ“ゴジラ・アース”に対抗する新たな怪獣の“ギドラ”と戦います。
『ゴジラ』シリーズというのは実写映画だと人類が問題を冒して、その罰としてゴジラがやって来るパターンである。
しかし、この三部作は単純な構図を哲学や宗教を絡めて、小難しくしてしまっています。
その為に従来のゴジラファンからはあまり良い評価を得られず、劇場版でもさほど話題になっていません。
その中心にいる虚淵玄の脚本にあって、元々はこういう世界観を持っているからこそ彼の特色が大きく出てしまっている。
同じく別の分野から新たなゴジラを描いた庵野秀明の『シン・ゴジラ』とは雲泥の差となってしまった。
残念ながら本作は更にゴジラがオマケ扱いになってしまい、どうでもいい宗教が物語の中心と化して面白さが大きく損なっている。
本来、『ゴジラ』シリーズが持っている面白さを踏み潰していて、魅力がない主人公の物語に付き合わされてしまう。
主人公を魅力的に思い、宗教的な考え方を面白いと思っている人間なら楽しめるが、多くの日本人は拒否反応を起こしてしまうだろう。
それぐらい本作は宗教臭くなった上に変な説教もあって、みんなが期待している本来の『ゴジラ』とはかけ離れた展開になっている。
せっかくのアニメ映画で可能性が無限にあるのに、なぜ宗教に走ってしまったのかまったく理解できません。
この作品は怪獣映画に必要なエンターテイメント性がなく、虚淵玄の自己満足な内容になっただけで彼に賛同する人間しか楽しめないモノでした。