キング・オブ・エジプト RE-2439

作品紹介

公開年月  2016/02/15
ジャンル  アドベンチャー/ファンタジー/アクション
原作  なし
監督  アレックス・プロヤス
脚本  マット・サザマ、バーク・シャープレス
製作  ペイジル・イバニク、アレックス・プロヤス
製作国  アメリカ、オーストラリア
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

エジプトの国王として民から慕われてきた神オシリスだったが、王座を息子である天空の神ホルスに譲る事を決定する。
しかし、納得がいかない砂漠の神で弟のセトは、兄を殺し甥のホルスの両眼を奪い、王座を手に入れると圧政で人々を苦しませる。
そんなある日、コソ泥の青年ベックがホルスの片眼を神殿から盗み出すが、脱出する際に恋人のザヤが犠牲となってしまう。
片眼を本人に返したベックは恋人ザヤを生き返らせる為、ホルスも王座奪還の為に過酷な冒険の旅へ繰り出すのだった。

登場人物&出演者

ベック(演:ブレントン・スウェイツ)
主人公。コソ泥。恋人とはマトモな生活をしたいが、手癖の悪さで次の王を盗品で祝うバカ。
ブレントン・スウェイツは代表作に『マレフィセント』、『ギヴァー/記憶を注ぐ者』などがあります。
どう考えてもリスクしかない奴隷の主の家で恋人と会うバカで、そのせいでザヤが死ぬ。
言動もあまり頭が良さそうに見えないが、人間のクセに神へ偉そうに発言する主人公補正。

ホルス(演:ニコライ・コスター=ワルドー)
天空の神。弟のセトによって両眼と王座を奪われる。オシリスから王として認められる。
ニコライ・コスター=ワルドーは代表作に『ブラックホーク・ダウン』、『オブリビオン』などがあります。
両眼を奪われたせいで身を隠す早業を繰り出し、ずっとニート生活を送っていた情けない神。
ベックが片眼を持ってきてやったのに、傲慢な態度を見せるなど、セトと変わらない印象。
それでベックとの旅を通じて王としての資質に目覚めるというご都合主義を発揮する。

セト(演:ジェラルド・バトラー)
砂漠の神。オシリスを殺し、ホルスから両眼と王座を奪い、すべてを手に入れようとする。
ジェラルド・バトラーは近年の出演作に『エンド・オブ・キングダム』、『ヒックとドラゴン2』などがあります。
刃向かってくる神を返り討ちにし、ホルスの妻すら手にする野心家で元妻すら手にかける。
典型的な悪役という感じだが、ホルスやハトホルが傲慢なせいであまり悪く見えないという。

ハトホル(演:エロディ・ユン)
愛の女神。ホルスの妻。元々は西方の女神で死者の国に行き来する事ができる女神だった。
エロディ・ユンは代表作に『アルティメット2/マッスル・ネバー・ダイ』、『G.I.ジョー/バック2リベンジ』などがあります。
戦いに敗れたホルスの命を助ける為、殺されない為、セトの妻として堂々と振る舞うビッチ。
当然ながらホルスの事は忘れられないが、交渉の場では自分の体を安売りするビッチ。

ザヤ(演:コートニー・イートン)
ベックの恋人。コソ泥をするベックにやんわりと注意するだけで手癖の悪さを容認する。
コートニー・イートンは代表作に『マッドマックス/怒りのデス・ロード』があります。
セトの圧政から解放する為にホルスの目を奪うようにベックをたきつける張本人。
吹き替えが素人のせいでキャラクターとして魅力がないけど、おっぱいだけは主張していた。

ウルシュ(演:ルーファス・シーウェル)
エジプト随一の建築家。セトが敷く圧政の中で来世を約束された数少ない人間。
ルーファス・シーウェルは近年の出演作に『高い城の男』、『ヘラクレス』などがあります。
なぜかザヤを奴隷にしていたが、そのせいでホルスの片眼を奪われる失態を演じる。
来世に行く準備として、普段から黄金の鎧を身につけている用意周到ぶり。

トト(演:チャドウィック・ボーズマン)
知恵の神。ホルスの先生。王になるホルスでは謙遜。ニートとなったホルスには傲慢な態度。
チャドウィック・ボーズマンは近年の出演作に『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』、『ジェームズ・ブラウン/最高の魂を持つ男』などがあります。
頭でっかちという言葉が似合うほど、自分以外は無能なバカに見ている傲慢な神。
最初はホルスたちへの協力を拒否するが、神でもない人間如きの言葉に乗るプライドの塊。

ネフティス(演:エマ・ブース)
守護の女神。人間の形態で翼が出せる。元々はセトの妻で共に砂漠で暮らしていた。
エマ・ブースは代表作に『ブラッド・フリーク』、『PAKER/パーカー』などがあります。
セトが王となってから反乱軍を結成するも返り討ちに遭い、翼をもぎとられてしまう。

ラー(演:ジェフリー・ラッシュ)
創造の神。セトやオシリスの父でホルスの祖父。創造の源でアポピスと戦っている。
ジェフリー・ラッシュは近年の出演作に『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『ミニオンズ』などがあります。
助けを求めたホルスに一時だけ隼になれる力を与えるが、それ以上の事は何もしない。

感想

個人的な評価

エジプトを舞台にした映画というのは多く製作されています。
アドベンチャー映画なら『ハムナプトラ』シリーズが有名でしょう。
古代エジプトを舞台にする映画ならば、名作として知られる『十戒』があります。
最近では『エクソダス:神と王』、『ヘラクレス』、『タイタンの戦い』などがあります。
このように現代となってもエジプトを舞台にしたアドベンチャーやアクションが多い。
エジプトを舞台にした作品には観ている者を魅了する手法が二種類あります。
『十戒』などの史実に基づいた歴史映画、『ハムナプトラ』のようなぶっ飛んだ設定で楽しむ作品があります。
そんな中で本作は最新の映像技術をふんだんに使った派手な作品となっています。
とにかく、製作費を映像に費やして、どれだけ頭を空っぽにして楽しめる作品となっている。
本作について、史実に基づいている作品として考えると色々と気になってしまう。
明らかにぶっ飛んだ脚色をされていて、それを踏まえた上じゃないと鑑賞ができない。
逆に映画で起きている事をそのまま素直に受け入れられるなら楽しめる作品となる。
本作の魅力は8割のほとんどが映像に傾いていて、内容は強引すぎる構成になっています。
ストーリーやキャラクターの設定を受け入れる事ができれば面白い作品だと思います。
神の造形が単なる巨人で、流れる血が黄金というオリジナル設定は悪くないと思う。
ただ、本作は映像以外では価値を見い出せるモノがないのも事実となります。
主人公であるベックは単なるコソ泥で、人間の分際で神に平然と意見する主人公補正。
そんな主人公が協力するホルス以下、悪役のセト以外の神は傲慢すぎて魅力がない。
つまり、本作では魅力的な登場人物がいないという大きな欠点を抱えています。
映像ではアクション部分をごまかせるが、演じている俳優たちはアクション自体が下手。
だからCGで派手なアクションをやっても、生身の俳優が下手なせいで迫力が伝わらない。
全体的にストーリーが完全に足を引っ張っている作品で、映像で持ち直している状態。
クライマックスのアクションがほぼCGなので盛り返しているのは良かったが。
本作は大人から子供まで単純に楽しめる映画にしたようだが、やり過ぎた脚色では綻びが出てしまうのは目に見えていました。
あとは主人公とヒロインの吹き替えが知名度先行のビジネス展開となっています。
当然ながら作品の完成度を下げているが、DVD版では主人公が素人とプロの二種類があるという素晴らしい処置をしています。
だが、逆にヒロインがヘタクソなままの素人吹き替えなので、ここはガッカリとなります。
二種類の吹き替えを用意しただけでも大きな進歩で、今後も増えてくれること願います。