恐怖ノ白魔人 VD-115

作品紹介

公開年月  2014/03/10
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
脚本  ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
製作  ファブリス・ランボ、ジャン=ピエール・プッテル、ほか
製作国  フランス
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

親友同士のヴィクトル、トマ、ダニエルの問題児三人は退屈な学校を抜け出して、長年放置されて廃墟となった映画の撮影所に忍び込む事を計画する。
田園地方の道を抜けて三人は元撮影所にたどり着くが、彼らはピエロの面を被った謎の大男が女性を拉致している現場を目撃し、なんとか逃げ出して途中で警察に拾われる。
それぞれが自分の家に帰って落ち着くと、元撮影所から三人を追ってピエロの面を被った大男が彼らの後を尾行し、目撃者を全員殺そうとするのだった。

登場人物&出演者

ヴィクトル・カンベール(演:テオ・フェルナンデーズ)
仲良し三人組の一人。授業中にマンガを読み、食事時には食べ物で遊んで1時間の居残り。
テオ・フェルナンデーズは代表作に『あの頃エッフェル塔の下で』、『最強のチーム』などがあります。
久しぶりに訪れた撮影所の跡地で見知らぬ車のトランクに女性が囚われて助けようとする。
義父は妹と仲が良く、家族としても理想的だが、なぜか一人だけ浮いているような状態。
クラランスの襲撃で義父を失い、妹がさらわれると、すぐに元撮影所に隠れ家へ向かった。
最後は毒ガスを食らって吐血しながらも、警官の銃を拾ってクラランスを射殺した。

トマ・アゼル(演:ザカリー・シャセリオ)
仲良し三人組の一人。父親は善良で服役した。ヴィクターたちと食べ物で遊んで居残りに。
ザカリー・シャセリオは代表作に『タンゴ・リブレ/君を想う』、『メニルモンタン/2つの秋と3つの冬』などがあります。
三人の中では体格が一番良いが、喘息持ちで運動した後は必ず呼吸器を必要としている。
ヴィクトルが囚われた女性を助けようと提案し、それに賛同して連れて行かれた建物の中に。
帰ってきて早々に父親に殴られていたが、隠していた銃を向けるも結局また殴り倒される。
クラランスがやって来て父親を殺すと、見に来たトムの前に現れて容赦なく彼も越した。

ダニエル・シレー(演:ダミアン・フェルデル)
仲良し三人組の一人。メガネ。両親が離婚間近。ヴィクターたちと食べ物で遊で居残りに。
ダミアン・フェルデルは代表作に『プチ・ニコラ』、『最高のチーム』などがあります。
三人の中で体が一番小さくメガネをかけていて、いつもからかわれるが本人は気にしない。
ヴィクトルが囚われた女性を助けようとするが、危険だと主張して結局は外で見張り役に。
実家は金持ちでベビーシッターを雇うほどで、火遊びとウソをついた事に両親は怒る。
ベビーシッターがクラランスに殺され、ベッドの下に隠れるも見つかって殺されてしまう。

ナタン(演:ニコラ・ジロー)
ヴィクトルの義父。アル中で仕事をしておらず、電球を交換する時に左手を骨折している。
ニコラ・ジローは代表作に『96時間』、『アデル/ファラオと復活の秘薬』などがあります。
火遊びとウソをついたヴィクトルに対して、逆にフォローをするような良い父親ぶり。
家族を愛している典型的な父親で、アル中という設定がどうにも納得ができなかった人物。
クラランスが侵入して家族が危険な時に立ち向かうも、力の差で呆気なく殺された。

ジュリア(演:アンヌ・マリヴァン)
ヴィクトルの母親。芸術家。夫を亡くしてからアル中のナタンを新たな父親にする。
アンヌ・マリヴァンは代表作に『裏切りの闇で眠れ』、『君のいないサマーデイズ』がある。
火遊びとウソをついたヴィクトルに対して厳しく叱るが、ナタンになだめられる。
クラランスが家に侵入して最初は信じなかったが、ベッドにいた事ですぐに理解する。
ナタンが殺されている間に末娘が食洗機に入っていて、なぜかドアが開けられない。
クラランスにボコボコにされ、刺されても死なず、最後は元撮影所に乗り込む力強さ。

クラランス(演:ファビアン・ジェグーデ)
ブラックウッズの元撮影所に住んでいた。化学兵器の影響で遺伝子があって全身が真っ白。
ファビアン・ジェグーデは代表作に『Free Man』、『City of Lost Love』などがあります。
化学兵器の影響で病気だった父親の為に女性をさらい、隠れ家に連れ帰っていた。
隠れ家の存在がヴィクトルたちにバレると、父親の命令で全員を追って殺すよう命令される。
ヴィクトルの妹が作った猫を探すチラシから、なぜか友人たちの家を探し当てていた。
凄まじい怪力と耐久力を持つが、最後は父親に誤って刺され、ヴィクトルに射殺された。

アイザック(演:フランシス・ルノー)
クラランスの父親。元特殊部隊の兵士。自国の化学兵器による影響で体に異変を起こす。
フランシス・ルノーは代表作に『心の羽根』、『そして友よ、静かに死ね』などがあります。
息子のクラランスは遺伝子異常で全身が真っ白になり、次の子供は妻の自殺で亡くしている。
ブラックウッズの元撮影所に隠れ家を持ち、クラランスが連れ去った女を自分のモノにする。
警官たちがやって来て毒ガスを撒き散らして倒すが、間違えてクラランスを刺してしまう。
クラランスが殺されると、その場からいなくなり、見知らぬ土地に現れて新たな家族を作る。

感想

個人的な評価

本作は『恐怖ノ』シリーズにおいて四作目となり、黒のタイトルから白に変化しました。
とは言っても、このシリーズは完全なる「やりたい邦題」という感じで、内容と合っていない詐欺が大半である。
しかし、本作は原点回帰しているのか、ちゃんと内容とタイトルは合っている感じでした。
シリーズ化されているけど、製作国がバラバラで一作目はイギリス、二作目はカナダ、三作目はスペイン、本作がフランスとなっています。
アメリカで作られていないので、大味なアメリカン映画とはまた違った雰囲気があります。
本作では化学兵器が原因で自国の兵が毒性に冒され、遺伝子異常を起こして子供たちが奇形になるというのが発端となります。
ただ、あとから出てくる仲良し三人組とはまったく関係を持たず、たまたま女性を連れ去る現場を目撃されて追われる事になる。
タイトルにある白魔人は遺伝子異常で肌が白く体毛がなく、6歳でありながら体は大人よりも大きく力は強い。
しかしながら、中身は6歳の子供なので、父親の命令に従って悪意なく殺人を犯していく。
迷い猫のチラシ一枚だけでその家族に限らず、一緒にいた友人たちの家まで突き止めるという凄まじい超能力というご都合主義が展開される。
殺人鬼の典型的な姿は見えないけど殺されるパターンを発揮するが、なぜか主人公たちと対決する時は恐ろしく弱体化する。
特にヴィクトルの母親が単なる脇役だと思えば、ファイナルガールたちに匹敵するだけの凄まじい生命力を発揮します。
男の腕を簡単にへし折る怪力の殺人鬼にマウントポジションからボコボコにされ、ナイフで腹部を刺されても死ぬどころか、娘を助ける為に警官を引きつけれて追いかけてくる。
白魔人は確かに恐ろしい殺人鬼なのですが、母親がそれ以上の生命力を見せたせいでインパクトをすべて持っていかれました。
本作はそれなりの不気味さを持ち合わせているが、根本となる殺人鬼側の設定が甘く、何より父親が何をしたいのか分かりません。
白魔人に女を誘拐してもらっているが、その目的は分からず、ラストのエピローグでなんとなく分かる程度でしかない。
やはり、こういう殺人鬼を扱った作品には彼らの物語も必要であり、その目的や動機をハッキリさせないと面白味がないです。
フワッとした設定で不気味さだけを出すと、最後に殺人鬼が倒れたにしても、どこかスッキリしない感じになってしまう。