作品紹介
公開年月 | 2014/06/07 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | 平山夢明 『東京伝説』 |
監督 | 千葉誠治 |
脚本 | 千葉誠治 |
製作 | 百武弘二、池崎嘉康 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
【ぬいぐるみ】薄汚れたクマのぬいぐるみが志保美の元に送られると、捨てても捨てても何度も戻ってきてしまう。
【野外】鬱蒼とした森の中の小道を走るワンボックスカー、尿意に耐えきれず車を降りた朋美は用を足し、戻ろうとする人の気配を間近に感じる。
【素振り】一人暮らしをするリサは、深夜に「ブン、ブン」という低音の耳鳴りで目を覚ますと、見知らぬ男が部屋の中で素振りをしていた。
【廃墟】ほんの遊びのつもりで廃墟を訪れた若者三人だったが、そこで思わぬ恐怖体験をする事となる。
【ホテル】ホテルの廊下で車椅子がうまく部屋に入れず困っていた男性に、助けようと声をかけた由佳は想像を絶する事態に巻き込まれる。
登場人物&出演者
【ぬいぐるみ】
・志保美(演:中島愛里)
主人公。何度捨てても戻ってくるクマのぬいぐるみ。恋人の真吾に相談して心の支えにする。
中島愛里は代表作に『JAWS IN JAPAN』、『野良犬はダンスを踊る』などがあります。
実家からアパートに送られてくるが、警察にも相談しているもゴミなので事件性はない。
真吾がそれを聞いて近くの公園に埋めに行くが、彼が戻る前に配達人が箱を届ける。
その中からクマのぬいぐるみが取り出され、それが11歳の誕生日にもらったモノだという。
最後は脅されて配達人に背中を向けるが、彼は外に出てドアの前でカチカチと音を立てる。
・真吾(演:戸谷公人)
志保美の恋人。クマのぬいぐるみを聞かされ、警察が対応しない事に腹を立てていた。
戸谷公人は代表作に『椿三十郎』、『真夏のオリオン』などがあります。
実家に帰ろうとする志保美を見かねて、自分の家に泊まるように言って安心させた。
ついでにクマのぬいぐるみを公園に埋めて来ると言って、そのまま出るが戻らなかった。
【野外】
・朋美(演:小野川晶)
主人公。ナオキとともに山の中を走っていたが、コーヒーを飲み過ぎて飛び出すように外へ。
小野川晶は代表作に『恋愛戯曲/私と恋におちてください。』などがあります。
無事に用を足すが、なぜかナオキがクラクションを響かせて苛つきながらも終わらせる。
すると、物陰からナオキだと思っていた人影だったが、実は熊手を持った見知らぬ男だった。
怖くなって急いで車に戻るが、ナオキは外に血まみれの状態で倒れて悲鳴を上げる。
最後は目を覚ましたナオキが男に反撃をして、なんとか山の中から走り去る事ができた。
・ナオキ(演:片山亨)
朋美とともに山の中に車を走らせていた。朋美が尿意をガマンできず外に飛び出していく。
片山亨は代表作に『石井のおとうさんありがとう』、『22年目の告白/私が殺人犯です』などがあります。
木陰に駆けていった朋美を見ながらも、呆れた表情で仕方なくヘッドライトで照らす。
熊手を持った男に襲われてケガを負うが、なんとか反撃に出て車のキーを取り戻し走り去る。
【素振り】
・リサ(演:堤千穂)
主人公。仕事のストレスを発散する為にバッティングセンターにやって来ていた。
堤千穂は本作が映画デビュー作となります。
野球部のマネージャーをしていた時は打てていたが、今は仕事が忙しくて腕が落ちていた。
帰ろうとした時、奥の方でガンガン打っている若い男がいて、それに目を奪われる。
家で眠っていた時に突然、バッティングセンターにいた若い男がなぜか素振りをしていた。
最後は素振りをしていた男が汗を拭き、水を飲んで着替えるとそのまま家を出て行った。
【廃墟】
・知里(演:秋山タアナ)
主人公。ユウジとコウスケとともに廃墟へ来た。ドライブを希望したが廃墟に不満を持つ。
秋山タアナは代表作に『マウント・ナビ』、『「超」怖い話』などがあります。
二人が先に廃墟に入っていったが、置いて行かれたのですぐに追いかけて建物の中に入る。
不安になって二人を探すもいない事に怖さが募ると、背後からコウスケが驚かされる。
コウスケの自主映画の女優を頼まれていて、嫌々言いながら満更でもないという表情をする。
ユウジが再び廃墟に戻って追いかけたコウスケ、それを見て後から追っていく事に。
最後は廃墟に住んでいた殺人鬼に見つかり、抵抗する間もなく撲殺されてしまう。
・ユウジ(演:坂田直貴)
知里とコウスケとともに廃墟へやって来た。車の持ち主で張り切って廃墟へ入っていった。
坂田直貴は代表作に『恋空』、『ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ』があります。
廃墟が大好きで噂を耳にしていたが、実際に来るのは初めてにも関わらずズカズカと入った。
実はコウスケの自主映画を撮る為に協力していて、知里を驚かそうと仕掛けをしていた。
文句を言っていた知里だったが、殺人鬼が突然現れると背後から襲われて一瞬で撲殺される。
・コウスケ(演:春日由輝)
知里とユウジとともに廃墟へやって来た。車の運転手でユウジに言われるまま廃墟に来た。
春日由輝は代表作に『ワルポロ』、『ボクたちの交換日記』などがあります。
ドキュメンタリー自主映画を製作していて、それに知里を主演女優としてスカウトしていた。
勝手に廃墟へ戻っていったユウジを追いかけるが、実は二人とも計画を立てて知里を騙す。
結局は知里に文句を言われるが、本物の殺人鬼が現れると、逃げる間もなく撲殺された。
【ホテル】
・由佳(演:黒川芽以)
主人公。ホテルのエレベーターが壊れていて、仕方なく階段を使って待ち合わせの場所へ。
黒川芽以は代表作に『ボーイズ・オン・ザ・ラン』、『ぼくたちの家族』などがあります。
廊下でカギを落とした車椅子の男性を見つけると、すぐに助けて部屋の中まで押していく。
ドアの方に車椅子を向けると、男は立ち上がってカギを閉めるとアンケートを取り始める。
怖がって顔を背けるが、男の強い語気に脅されて同じ場所に戻って質問に答えていく。
最後は男がホテルのオーナーであり、今度はスタンガンを取り出して質問を始めるのだった。
・車椅子の男(演:諫山幸治)
カギを落として拾えない状況を見た由佳に助けられ、部屋に押してもらう事となる。
諫山幸治は代表作に『UFO食堂』、『ユニットバスシンドローム』などがあります。
車椅子をドアの方に向けると、突然立ち上がってカギを閉めて、高圧的な態度に変貌する。
トンカチを取り出すと由佳にアンケートを取り始め、その答えに怒りを爆発させる。
次々と出されるアンケートに適当な答えを許さず、その度に怒鳴りつけて質問を繰り返す。
トンカチでの質問を終えて同じ場所にしまうと、今度はスタンガンを取り出して質問する。
そして、由佳の友達は監禁されているかもしれない上にホテルのオーナーだと告白する。
感想
個人的な評価
本作は平山夢明の『東京伝説』シリーズを実写映画化したオムニバス作品の二作目。
『恐怖の人間地獄』と同時上映されていて、こちらも全5話を収録しています。
一作目では基本的に一本の作品が15分程度となっていたが、本作も似たような感じです。
短編作品なのでストーリー性は皆無であり、ホラー映画なのに一切怖くありません。
前作で唯一気持ち悪い変態紳士が5話目に登場して、少しだけ良かったという印象がある。
本作も前作同様に低空飛行をずっと続けている感じで、単なるストーカーみたいな変人が登場しているだけ。
1話目はストーカー、二話目は殺人鬼、三話目は不思議、四話目は殺人鬼、五話目は殺人鬼という具合の内容になっています。
前作では五話目に変態紳士が登場してインパクトを与えたが、本作は残念ながら匹敵するようなキャラクターはいなかった。
一応、五話目に強烈なキャラクターを配置したはずだが、前作の変態紳士ほどじゃない。
基本的に前作もそうだったが、本作は女性が主人公でほとんど悲鳴を上げている感じです。
ただ、三話目が変わり種で女性の家で男が素振りしてから普通に帰るという意味ではインパクトがあったと思います。
こういうオムニバス形式の作品というのはオードブルみたいな感じで、いろんな味を楽しめるのが一番の魅力です。
前作ではそういう感じがあったけど、本作ではキャラクターにインパクトがなかったせいで全体的に薄味な印象でした。
全話を鑑賞してみると、やはり、異質だった三話目が終わってから一番強烈だと思ってしまうほど他が微妙すぎたと思います。