サイレント・ノイズ/リベレーション RE-2697

作品紹介

公開年月  2007/01/07
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  パトリック・ルシエ
脚本  マット・ヴァン
製作  ショーン・ウィリアムソン
製作国  アメリカ、カナダ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

愛する妻と子供が目の前で殺され、エイブは自暴自棄になって薬物自殺を図るも一命を取り留めてしまう。
しかし、その日からエイブはテレビやラジオから奇妙な音が聞こえたり、歩いている人の背後に光が見える超常現象に悩まされるようになる。
やがてエイブはその白い光を放つ人は近いうちに死ぬ運命だと悟り、その理由を知った彼はなんとか助けようとするのだった。

登場人物&出演者

エイブ(演:ネイサン・フィリオン)
主人公。妻と息子を愛する平凡な男。ダイナーで朝食を取っている時に妻と息子は殺される。
ネイサン・フィリオンは代表作に『エアポート1994』、『スリザー』などがあります。
三ヶ月経過しても心の傷は癒えず、ついに大量の薬で自殺を図るも結局は助かって生還する。
それ以来、白く発光する人間が死ぬ運命だと分かり、人助けをするべく見かけたら助ける。
妻と息子を殺したヘンリーも同じ能力を持っていると知り、人助けは最悪を生むと知る。
最後はシェリーを殺そうとするも警官に殺されるが、幽霊になって彼女の命を奪い取った。

シェリー(演:ケイティー・サッコフ)
自殺を図ったエイブのリハビリを担当した看護師。落ち込んでいたエイブを励まそうとする。
ケイティー・サッコフは代表作に『ハロウィン/レザレクション』、『ドント・ノック・トワイス』などがあります。
ある日、仕事から帰っている最中、暴漢に教われるもエイブが駆けつけて助けられる事に。
結婚指輪をネックレスにしているが、その相手だった夫は過去に亡くなっている。
命を助けてくれたエイブに感謝の気持ちを示す以上に、亡くなった夫の面影を重ねていた。
最後はエイブの行動の意味を理解し、死を受け入れると、幽霊と化した彼に命を奪われた。

ヘンリー(演:クレイグ・フェアブラス)
ダイナーでエイブの妻と息子を射殺した男。その場でアゴに銃口を向けて自殺を図った。
クレイグ・フェアブラスは代表作に『ラン・オブ・ザ・デッド』、『ヴァイキングダム』などがあります。
実は弾丸が脳を逸れてしまい、顔の左側は醜い傷跡を残すも命に別状がない状態となる。
精神病院に収容され、裁判が受けられないほどに支離滅裂な精神状態になっているという。
その真実はエイブと同じく死者が見えていて、ずっと悪魔に惑わされているような状態。
最後はエイブと彼が助けた者たちが死ぬが、一人取り残され、死者の幻を見ている。

・マーティ(演:エイドリアン・ホームズ)
エイブの同僚。愛する妻と息子を亡くした彼の事を第一に思って休むように提案していた。
エイドリアン・ホームズは代表作に『メルトダウン』、『赤ずきん』などがあります。
人助けで活路を見出したエイブが、妻と息子の事件に向き合う時に資料を持ってきてくれた。
最後はエイブが徐々にヘンリーのような言動になってしまい、どうする事もできなかった。

レベッカ(演:ケンドール・クロス)
エイブの妻。結婚記念日にエイブがずっと欲しがっていた時計を息子とともにあげた。
ケンドール・クロスは代表作に『ボルケーノ・インフェルノ』、『バタフライ・エフェクト』などがあります。
しかし、どうにも調子が悪く、なぜかエイブはダイナーに息子とともに連れて行かれた。
実は以前に死ぬ運命が見えるヘンリーに助けられており、そのせいで危険人物となっていた。
最後は行動を把握しているヘンリーがやって来て、息子とともに彼に射殺されてしまう。

カラス先生(演:ウィリアム・マクドナルド)
臨死体験を専門にする医者。薬物自殺を図ったエイブが助かった事で専門家として担当する。
ウィリアム・マクドナルドは代表作に『インビジブル2』、『コールド・ブラッド』がある。
臨死体験したエイブが見る異様な光景を説明し、彼自体が受容体となった事に興味を示す。
最後はエイブが診察の為に来る前、突然の心臓発作を起こしてそのまま帰らぬ人となる。

感想

個人的な評価

本作はEVP(電子音声現象)を扱った作品の続編となります。
とは言っても、前作とは一切の繋がりがなく、別の作品と言える内容です。
ノイズとして死者からのメッセージを受け取る設定に変更され、主人公はビデオなどを使わなくても生身で感じ取るようになっています。
ある意味、主人公は死の淵から蘇って、人の死を見る事ができる超能力を得た感じです。
この大きな変更点は前作の良さを完全に潰してしまい、なんだかスーパーヒーローっぽい雰囲気になってしまっている。
しかも、それが面白い構成になっているなら問題はないけど、こんなにつまらない方向へ流れていくのは逆にスゴイと思いました。
とにかく、主人公はバカ正直に人助けをして自己満足に浸っているが、どう考えても間違っているようにしか思えない。
死ぬはずの人間を助けたという事は、運命を変えてしまい、未来さえも変えてしまっている。
そうなってくると、その人間はいないはずなのに生きているという矛盾が生じて、色々と不都合が出てくるのは予想できるはずだ。
ただ、主人公は自分のすべてだと言っていた妻と息子を失っているので、もうマトモな思考能力はないだろうと思う。
それなのに、助けた担当の女医といい感じになっていく展開は、妻と息子を愛している彼のアイデンティティを崩壊させている。
主人公の立ち位置を壊してまで展開されたロマンスにまったく意味がなかったと思う。
もう助けられた看護師は単なるビッチになっていて、とても医療に携わっている者には見えず、道端にいる商売女にしか見えなかった。
それぐらい主人公の悩みをぶち壊す存在になってしまい、ラストでの展開も微妙でした。
主人公が死んだら終わりのはずなのに、まさか幽霊になって目的を達成するのも、もうコントと言っても文句は言えないほどおかしかった。
前作はマイケル・キートンの凄まじい演技力でカバーしていたが、本作はもう演技でフォローできないほど物語がファンタジックになってしまいました。
あとは一番やっちゃいけない宗教を中心に据えてしまい、前作を完全に否定してしまったせいで更なるダメな印象を持ってしまった。