人生万歳! RE-1439

作品紹介

公開年月  2010/12/11
ジャンル  コメディ/ドラマ
原作  なし
監督  ウディ・アレン
脚本  ウディ・アレン
製作   レッティ・アロンソン、スティーヴン・テネンバウム
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

かつてはノーベル賞候補になるなど天才物理学者と持てはやされ、順風満帆かに思われたボリスも、自ら招いた災いを機に今ではすっかり落ちぶれ、冴えない中年に成り下がっていた。
こうして淡々と日々をやり過ごしていたボリスはある夜、南部の田舎町から家出してきた若い娘メロディと出会い、彼女に同情して数日だけという約束で自分のアパートに泊める事に。
ところが一緒に暮らすうち、メロディはなぜか親子ほども歳が離れ、会話もまるで噛み合わないボリスを運命の相手だと思い込んでしまうのだった。

登場人物&出演者

・ボリス(演:ラリー・デヴィッド)
メロディ(演:エヴァン・レイチェル・ウッド)
マリエッタ(演:パトリシア・クラークソン)
ランディ(演:ヘンリー・カヴィル)
ジョー(演:マイケル・マッキーン)
レオ(演:コンリース・ヒル)
アル(演:オレク・クルバ)
ヘレナ(演:ジェシカ・ヘクト)

感想

個人的な評価

本作は2009年に公開されたコメディ映画です。
この作品はウディ・アレンが監督と脚本を務めています。
ウディ・アレン監督にとって本作は40作目の作品となります。
代表作『アニー・ホール』ではアカデミー監督賞と最優秀作品賞を受賞し、ノミネートは21回と最多である。
しかしながら、ウディ・アレンが監督した作品は残念ながら一つも鑑賞していません。
どっちかと言えば、俳優として出演した『007/カジノ・ロワイヤル』や『アンツ』の作品で見かけています。
更にウディ・アレンは映画監督や俳優だけじゃなく、コメディアン、小説家、クラリネット奏者などの顔も持っています。
実績があって多くの作品を残しているウディ・アレン監督ですが、なぜか本作の配給がアルバトロス・フィルムである。
マイナーなクソ映画を提供するアルバトロスは、たまにこんな無茶をしてしまうから面白いとは思いますが。
主人公となる落ちぶれた天才物理学者のボリスを演じるのはラリー・デヴィッドです。
ラリー・デヴィッドはコメディドラマシリーズで企画と製作総指揮、それに出演している事で有名でしょう。
ただ、オイラは本作で初めて知った俳優であるけど、主人公ボリスというキャラクターを上手く表現していたと思います。
特に冒頭のシーンでは主人公のボリスが観客に向けて語りかける演出はなかなか面白いと感じました。
これは主人公がどんな人物か分からせる効果があり、つまらないセリフの垂れ流しを引きつける効果もあると思います。
ある意味、開き直った演出で一歩間違えれば大きな失敗になるけど、ラリー・デヴィッドは堂々と演じていた事でその心配は無用だった。
口から生まれたかのようなマシンガントークは凄まじく、どんな相手でも確実に論破するキャラクターはなかなか面白かったです。
そんな冴えないボリスが運命の相手だと思い込む家出娘のメロディを演じるのはエヴァン・レイチェル・ウッドです。
エヴァン・レイチェル・ウッドは『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』でキルスティン・ダンストと少女クローディア役を最後まで競い合ったようです。
結局は落ちてしまい、その後はテレビドラマに出演し、『サーティーン/あの頃欲しかった愛のひと』ではゴールデングローブ主演女優賞などにノミネートされました。
ハリウッド期待の若手女優というだけに、本作でのメロディという役はマシンガントークで偏屈なボリスとは上手く調和していた。
他人を見下すボリスであるけど、素直で天然なメロディに言いくるめられるのは現実にありそうな組み合わせでもある。
だからこそ二人の絡み合いが面白く感じるだろうし、特に大きな展開がないけど、二人だけの会話だけでも成立する作品だと思います。
だから娘の元にやって来た母親のマリエッタを演じるパトリシア・クラークソンの会話はちょっと退屈に感じてしまった。
マリエッタの退屈さ、それとボリスとメロディ以外の絡みなど、逆に二人の掛け合いが面白いと感じさせる裏の効果があったと思いますが。
ただ、テンポが良かったボリスとメロディだけのシーンから、登場人物が増える中盤以降は勢いがなくなったのは残念でなりません。
下ネタに走ってしまうコメディ映画とは違い、まさにシニカルなコメディというべき作品。
今まで知らなかったウディ・アレン監督ですが、今後は彼の作品を鑑賞したくなるほど面白いと感じました。
アルバトロスでありながらも、たまにこういう良質な映画を提供してくれるのでやめられない部分がありますね。