ベルベット・バズソー/血塗られたギャラリー VD-229

作品紹介

公開年月  2019/02/01
ジャンル  サスペンス/ホラー
原作  なし
監督  ダン・ギルロイ
脚本  ダン・ギルロイ
製作  ジェニファー・フォックス
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ロサンゼルスのアート業界、画廊の商売人たちは絵を高く売りつける事を考える中、そこに飛び込んだジョセフィーナは偶然素晴らしい絵を発見する。
それは同じアパートに住んでいた老人が描き残した絵で、その話しをモーフとロードラが聞いて彼女を出し抜いて手に入れる。
老人は亡くなる間際に絵を死後に廃棄して欲しいと言い残すが、遺言を無視したモーフとロードラの周辺で怪現象が起きるようになるのだった。

登場人物&出演者

モーフ・ヴァンデウォルト(演:ジェイク・ジレンホール)
有名な美術評論家。バイセクシャルで男と同居し、ジョセフィーナに好意を持っている。
ジェイク・ジレンホールは近年の出演作に『オクジャ/okja』、『ライフ』などがあります。
ジョセフィーナとは過去に酒の勢いで関係を持ち、それ以来彼女に想いを寄せていた。
念願だったジョセフィーナと関係を深めると、彼女に頼まれて元カレの酷評を書いていた。
ディーズの本を書くと知人たちが次々と死んでいき、何か起きていると察知して警告した。
最後は倉庫で絵を処分するが、酷評した機械人形が現れ、追い詰められて殺されてしまう。

ロドラ・ヘイズ(演:レネ・ルッソ)
ギャラリーを経営する画商。モーフとは長年に渡る友人でピアースと15年の付き合い。
レネ・ルッソは近年の出演作に『マイ・インターン』、『ナイトクローラー』があります。
ギャラリーではベテランのピアースを抱える一方、新人のダムリッシュにも力を入れる。
過去にパンクバンドを組んでいたが、それを捨てて今では画商としてギャラリーを展開する。
ジョセフィーナが見つけた絵のギャラリーを企画し、大儲けをしようと画策していく。
最後は知人が次々と死ぬと、慌てて絵を処分するも首のタトゥーに自ら刻まれてしまう。

ジョセフィーナ(演:ゾウイ・アシュトン)
ロドラのギャラリーで雑用係をしている。同棲していた恋人の浮気を知って悲しんでいた。
ゾウイ・アシュトンは代表作に『ブリッツ』、『ノクターナル・アニマルズ』があります。
モーフやギャラリーの設備担当のブライソンに言い寄られ、モテる事がツライという態度に。
同じアパートに住んでいたディーズが死んで第一発見者となり、その縁で彼の絵を見つける。
ディーズのおかげでロドラと共同経営者となり、モーフと別れてダムリッシュと付き合う。
最後はダムリッシュに振られて、ディーズの呪いによってストリートアートの一部となった。

グレッチェン(演:トニ・コレット)
美術館のスタッフ。モーフとは旧知の仲。ロドラが良い絵を購入している事を気にしている。
トニ・コレットは代表作に『ミュリエルの結婚』、『シックス・センス』などがあります。
自分の夢が叶えられないと考えて、美術館を辞めて、個人バイヤーのアドバイザーに転職。
モーフと会ってロドラが良い絵を手にしている裏ルートを口にするが、激しく拒絶された。
個人バイヤーのアドバイザーになって美術館と立場が逆転し、高圧的な態度で取引する。
最後はお気に入りのスフィアに手を入れて、腕が抜けられず切断されて失血死してしまう。

ジョン・ドンドン(演:トム・スターリッジ)
ロドラと競っていた画商。元々はロドラの下で経験を積んでいたが現在は立場が等しい。
トム・スターリッジは代表作に『悪女』、『メアリーの総て』などがあります。
ロドラのギャラリーに参加して、そこでめぼしい画家に声をかけてスカウトしていた。
ずっとスランプ状態だったピアースのアトリエを訪れ、新作の進捗状況を確認していた。
私立探偵を雇って独自にディーズの秘密を探っていると、実際に彼の絵を密かに入手した。
最後はココを雇ってロドラの情報を手にするが、ディーズの亡霊により自殺させられた。

ココ(演:ナタリア・ダイアー)
ロドラのギャラリーで働く若い女性。ジョセフィーナに同棲相手が浮気していると報告した。
ナタリア・ダイアーは代表作に『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』、『Yes,God.Yes』などがあります。。
ジョセフィーナが遅刻して受付から降ろされると、その代わりとして受付嬢に抜擢された。
ダムリッシュと契約していた男を止められず、ロドラに怒られてトイレで泣いていた。
依頼人からロドラに連絡しようとして、偶然にも謎の絵についての対応を聞いてしまう。
最後はドンドンからグレッチェン、最終的にモーフに雇われるもみんな死んで故郷に帰った。

ダムリッシュ(演:ダヴィード・ディグス)
新人の画家。元々はストリートでホームレスをしながら絵を描いていた経歴を持っている。
ダヴィード・ディグスは代表作に『ワンダー/君は太陽』、『Ferdinand』などがあります。
仲間内で出品していたが、ロドラの熱心なスカウトに折れて彼女のギャラリーと契約した。
先にジョセフィーナが見つけた老人の絵を展示され、それに明らかな嫉妬心を持ってしまう。
ジョン・ドンドンの葬式に出席すると、調子に乗るジョセフィーナに誘惑されて付き合う。
最後はディーズの作品を見て考え、ロドラやジョセフィーナと手を切って元の生活に戻った。

・ブライソン(演:ビリー・マグヌッセン)
ロドラのギャラリーで設備を担当している。過去にジョセフィーナをデートに誘っていた。
ビリー・マグヌッセンは代表作に『イントゥ・ザ・ウッズ』、『バース・オブ・ザ・ドラゴン』などがあります。
何度も遅刻しているジョセフィーナをロドラに告げ口して、少しした復讐をしている。
たまたま道具を探していたところで、ジョセフィーナが盗んだ作品を知ってロドラに告げ口。
ロドラのギャラリーから密かに老人の絵を盗み出して、運んでいる時に車が事故に遭う。
最後は火傷を洗い流していると、絵にあった猿に引っ張られて中に引きずり込まれてしまう。

ピアース(演:ジョン・マルコヴィッチ)
ベテランの画家。アルコール依存症。素面では良い絵が描けず、モーフにも酷評される。
ジョン・マルコヴィッチは近年の出演作に『バード・ボックス』、『マイル22』があります。
長年作品を提供していたロドラとの付き合いを止め、別の画商に移る噂が立っている。
ジョン・ドンドンの説得によってロドラのギャラリーから移るが、相変わらず不調である。
最後はディーズの作品を見て自信を喪失し、再び酒に手を出しているが何かを恐れていた。

感想

個人的な評価

本作は『サンダンス映画祭』にてプレミア上映された作品です。
『ナイトクローラー』で知られるダン・ギルロイが監督と脚本を務めています。
主演には同じく『ナイトクローラー』で怪演を魅せたジェイク・ジレンホールや出演したレネ・ルッソが再び共演しています。
『ナイトクローラー』ではパパラッチの闇を扱ったテーマで皮肉っていて、主人公を演じたジェイク・ジレンホールは凄まじかったです。
そんな本作では一般人にあまり馴染みのないアート業界をテーマにしているが、本作でもダン・ギルロイ監督の皮肉がたっぷりと注がれていました。
まったく無名の画家の作品を見つけたギャラリーの受付嬢により、世間に公表されて人気を博していきます。
しかし、その裏では奇妙な出来事が起き始めると、外側から関わった人間から殺されていくという主要人物たちに有利な展開となっています。
ジェイク・ジレンホール、レネ・ルッソ、ジョン・マルコヴィッチという濃すぎる役者たちが画面にいるだけでお腹いっぱいになる。
そこにモテるアピールをして受付から降ろされたジョセフィーナが登場して、どんどん調子に乗っていくクソ女ぶりを発揮しています。
とにかく、ジョセフィーナがモテる要素に疑問を持つし、下っ端で実力がないクセに段々と調子に乗っていくところが腹立たしいが監督の狙いだろう。
徐々に謎の画家であるヴェトリル・ディーズの呪いが発動し、なぜか主要人物以外が次々と死んでいく展開は恐ろしい。
ビッチなジョセフィーナに振り回され、モーフがヴェトリル・ディーズの記事を出そうとするが逆効果になる画商の欲もまた凄まじい。
本作では「絵」を単なる商売道具にしか考えず、それをモノとして扱っている登場人物たちに制裁を加えています。
やはり、本作はダン・ギルロイ監督からアート業界に対する痛烈な皮肉が描かれています。
しかしながら、どうしても本作は『ナイトクローラー』と比べてしまうと主人公の圧倒的な不気味さに負けてしまっている。
ちょっとばかり中途半端なホラー映画になっている部分もあって、主演のジェイク・ジレンホールも強烈なキャラクターとして物足りなかった。
あとは調子に乗っていくジョセフィーナの消え方にはスッキリした感じがなく、ここら辺は大きな不満を残しています。
濃いキャラクターがいっぱい出てくるけど、視点があっちこっちに飛んでしまう為に『ナイトクローラー』のような強烈さが薄められてしまっている。
ダン・ギルロイ監督とジェイク・ジレンホールとのタッグを期待しただけに、本作は微妙なホラーに終わったのは残念な作品でした。