作品紹介
公開年月 | 2017/08/19 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | なし |
監督 | 梅沢壮一 |
脚本 | 梅沢壮一 |
製作 | 梅沢壮一、西村喜廣、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
とある地方の美術専門学校に東京から転入してきた日高香織は、建物の倉庫にビニール袋に入れておいてあった乾燥した水粘土の粉に水をかけ、粘土に戻してしまう。
しかし、その粘土は無惨な死を遂げた彫刻家の激しい怨念がこもった悪魔の粘土だという。
その粘土“カカメ”は専門学校の生徒たちを次々と取り込んで怪物と化していくのだった。
登場人物&出演者
・日高香織(演:武田杏香)
「AINAアカデミー」の予備校生。東京で講習を受けるほどでレイナに次ぐ実力を持つ。
武田杏香は代表作に『私たちのハァハァ』、『マスタード・チョコレート』などがあります。
自分が使う粘土を新人が使っていた為、藍那が採取したビニール袋に包まれた土の粉を使う。
使っていた粘土は三田塚の怨念が宿っていて、次々と予備校生たちを粘土人間に変える。
粘土人間となった寛治に教われるも伏見に助けられ、使っていた粘土の正体を聞き出した。
最後はいつの間にか粘土人間になり、伏見が持っていたガスバーナーで焼かれて死亡した。
・望月愛子(演:杉本桃花)
「AINAアカデミー」の予備校生。芸術大学の勉強を始めるのが遅く香織よりも実力が劣る。
杉本桃花は「ミスiD2017」として受賞し、本作が長編映画デビュー作となります。
香織とはいつもおしゃべりをしていて、授業に集中していない事から藍那に注意される。
連日に渡る藍那からの厳しい評価に東京との差を感じて、不満を爆発させていた。
粘土人間になった寛治に襲われ、香織にも警告して、藍那と襲われている時に手助けをした。
最後は藍那と協力してカカメを土に戻し、再び地中に埋めて出てこられなくして去った。
・谷レイコ(演:藤田恵名)
「AINAアカデミー」の予備校生。他の予備校生と比べて年上でどこか馴染めない立ち位置。
藤田恵名は代表作に『EVIL IDOL SONG』、『WELCOME TO JAPAN/日の丸ランチボックス』などがあります。
年長者という事でアカデミーの戸締まりを藍那に任されるほど信頼を寄せられている。
香織の作品が台無しにされた事で、周りに馴染めない理由で愛子たちから疑われてしまう。
藍那が東京からの援助が必要だと提案するが、個性が失われるとして一人だけ断った。
最後は香織の作品を見ていると手を食われ、そのまま粘土人間となって由香を襲って化ける。
・青木由香(演:牧原ゆゆ)
「AINAアカデミー」の予備校生。香織が東京にいる間に新しく予備校生として入った。
牧原ゆゆは「ミスiD2017」として受賞し、本作が長編映画デビュー作となります。
自分が使用する粘土がなかった為、藍那に言われて帰っていなかった香織の粘土を使う。
唯一の男子予備校生だった寛治といい感じになっていて、弁当を作るまでの仲になっていた。
実は隠れて喫煙していて、そこに粘土人間となったレイコに襲われて血をすべて吸われた。
最後はレイコが化けた状態で寛治と二人っきりとなり、彼も粘土人間にされてしまう。
・山下寛治(演:篠田諒)
「AINAアカデミー」の予備校生。唯一の男子であり、女性ばっかりで存在感が薄かった。
篠田諒は代表作に『人狼ゲーム/プリズン・ブレイク』、『RUN!3films』などがあります。
連日のように厳しい評価を下す藍那に不満を持ち、合格できないと反抗的な態度を出した。
レイコが教室を荒らしてしまい、その後始末に対して由香にずっと文句を言っていた。
由香とは仲が良くなっていて、弁当を作ってくるまで進展して、アカデミーでの楽しみに。
最後は由香に化けた粘土人間のレイコに襲われ、自身も粘土人間となって香織たちを襲った。
・藍那ゆり(演:黒沢あすか)
芸術大学に合格させる予備校「AINAアカデミー」の経営者。田舎の山奥に予備校がある。
黒沢あすかは近年の出演作に『最後の審判』、『楽園』などがあります。
授業で使う為の粘土を採取した際、土の中からビニール袋で包まれた土の粉を持ち帰った。
競争率の高い東京に負けない為、5人の予備校生たちに厳しい評価を下してしまっている。
香織が寛治に襲われているのを助けるも反撃され、ちょうど来た伏見に助け出された。
最後はカカメをなんとか愛子が倒し、土となったところで地中に埋めて立ち去った。
・伏見恭三(演:津田寛治)
かつて陶芸家として活躍していた。自分の才能に見切りを付けて青年実業家に転身する。
津田寛治は近年の出演作に『山田静夫氏の尊厳死』、『RUN!3films』などがあります。
飲食店を経営するまで成功を収めていて、かつての同志だった三田塚の作品に興味を持つ。
三田塚の代わりに作品売っていたが、売上を自分の借金に充ててバレると彼を殺してしまう。
残された粘土に怨念があると知り、埋めていたが藍那が持ち去った事で危惧していた。
最後は土の粉が体内に入り、カカメとなって腹を突き破り、最終的に頭を叩き割られて死亡。
・三田塚実(演:奥瀬繁)
「AINAアカデミー」の教室を住処にしていた陶芸家。昼は産業廃棄物処理工場で働く。
奥瀬繁は代表作に『GANTZ PERFECT ANSWER』、『太陽』などがあります。
長年に渡って作品がまったく売れず、それでも独特な人間型の粘土作品を作っていた。
同じ志を持っていた伏見と旧知の仲だったが、作品を代わりに売ってもらう事になった。
原因不明の病気にかかり、余命幾ばくもない状態で自分の血を含ませた「カカメ」を創作。
最後は伏見の裏切りで殺され、カカメとともに焼かれて土としてなって怨念を募らせる。
感想
個人的な評価
本作は『第4回夏のホラー秘宝まつり2017』にて上映された作品となります。
この作品は『ABC・オブ・デス2』で知られる梅沢壮一が監督、脚本、編集を務めています。
低予算のホラー映画となっているが、それに慣れている梅沢壮一監督にとって腕の見せ所になっている作品だろう。
粘土が生きているように成長していき、人間の血を吸って粘土人間に変える設定は非常に面白いと思います。
乾いた土から水分を与えると、怨念が形となって人間の血を吸っていく展開は興味深いです。
その際に聞こえてくる効果音が非常に気持ち悪く、梅沢壮一監督の観ている者を引き込もうとする試みが伝わってきます。
基本的にシリアス系ゾンビ映画と同じく、状況が分かるまで次々と犠牲者が出て、ようやく分かったところでカカメが正体を現す。
人間を襲う前からカカメを含めた作品群は不気味な雰囲気があって、それが実際に動き出したところもなかなかの気味悪さです。
恨みを持っている人間に対する徹底的な惨殺シーンはなかなかで、低予算ながらグロテスクなスプラッターも実現している。
あとは主人公だと思っていた人物は途中で退場して、すぐに死ぬだろう友人ポジションが代わりを務める予想外の展開も悪くないと思いました。
そして、なんと言ってもラストで姿をハッキリと現すカカメの不気味さは良かったが、もっと派手に暴れて欲しかったです。
さすがにそこは予算の問題があったのだろうと思うが、せっかくカカメというキャラクターが良かっただけに惜しいところでした。
低予算ホラー映画ながら楽しませようとする試みがあったけど、残念ながら怖くはないのが最大の難点だったと思いました。