血を吸う粘土/派生 RE-3678

作品紹介

公開年月  2019/10/11
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  梅沢壮一
脚本  梅沢壮一、神山順
製作  山口幸彦
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

カカメによって無残に殺された父・伏見恭三の死を警察から知らされた娘の果林。
恭三の遺体は火葬場で焼かれ、果林には遺骨が渡されるが、そこにはカカメの体の一部が含まれていた。
果林は美術作品制作キャンプに参加するが、そこに持ち込まれた恭三の遺骨からカカメが復活し、再び地獄が始まるのだった。

登場人物&出演者

伏見果林(演:藤井愛稀)
彫刻家・伏見恭三の一人娘。父親とは疎遠になり、養子に入るも肩身が狭い思いをする。
藤井愛稀は「ミスiD2018」出身で本作が長編映画デビューとなります。
父親の遺体を見ても悲しまずブチ切れ、腹に大きな穴が空いているのを知って驚いた。
大学受験した事をミズエに咎められ、美術作品キャンプに参加して遺骨をもらった。
カカメとなった良子を果敢に倒し、駆けつけた藍那やミズエに助けられる事になった。
最後は恭三がカカメの腹から出てくると、燃やして倒し、残りを藍那と監視する役を担う。

ミズエ(演:AMIKO)
果林の養子に入った夫婦と同い年の娘。果林に対してキツイ態度で上から目線で接する。
AMIKOは「ミスiD2018」出身で本作が長編映画デビューとなります。
大学を諦めた果林の話しを聞いて、悔しいので自分も蹴って、美術作品キャンプに参加。
果林が無造作に落とした父親の遺骨を拾うと、キャンプまで持ってきてくれたツンデレ。
正体を現したカカメに襲われそうになるが、なぜか果林が割り込んで助け出される。
最後は襲われる果林を見て、体を張って助けるが、笑顔のまま刺されて死亡した。

ケイ(演:藍染カレン)
木多天が主催する美術作品キャンプの参加者。常に笑顔で明るくスマホが手放せない。
藍染カレンは「ミスiD2018」出身でアイドルグループ「ZOC」のメンバーとして活躍し、本作が長編映画デビュー作となります。
マナミと良子たちと一緒にサイクリングに出ると、アライグマの死体を見つけてしまう。
作品を作る事よりも歌に合わせて踊る方に集中するが、いつの間にか出来上がっていた。
マナミに襲われてしまうが、逃げ出すと良子に襲われても藍那に助け出される事に。
最後は正体を現したカカメに鋼管を顔に刺すが、逆に刺されて血を吸われて死亡した。

リョウコ(演:美鈴)
木多天が主催する美術作品キャンプの参加者。大きな丸メガネと自然が大好きな女の子。
美鈴は代表作に『ザ・ギニーピッグ2/ノートルダムのアンドロイド』、『OLの性6/イケてる女のアブナイ手口』などがあります。
ケイとマナミたちとサイクリング中にアライグマの死体を発見し、なぜか持ち上げていた。
動物の骨を見ながら作品を作り上げるが、他とは違った独特なタッチを見せていた。
一人残っていたところで転がってきたマナミに襲われ、頭を刺され大量の血を吹いて死亡。
最後はケイを襲うも果林に倒され、鉄片が頭に刺さって後頭部から動物の骨が出てきた。

マナミ(演:正本レイラ)
木多天が主催する美術作品キャンプの参加者。ハキハキと明朗にしゃべる女の子。
正本レイラは「ミスiD2018」出身で、本作が長編映画デビューとなります。
ケイと良子たちとサイクリングに出ると、アライグマの死体を発見して気味悪がる。
横でケイが踊っていても気にせず、マイペースに作品を確実に作り上げていた。
カカメとなったユイに襲われて殺されると、そのまま次のターゲットを探していた。
最後はケイを襲おうとするも顔を切り裂かれるが、追いかけるも静かに退場する。

ユイ(演:やね)
木多天が主催する美術作品キャンプの参加者。すぐに文句を口にしてしまう女の子。
やねは「ミスiD2018」出身で本作が長編映画デビューとなります。
他の5人と比べて派手な見た目であり、唯一の喫煙者でもタバコを吸うところはない。
ケガをしていたサエを心配して様子を見に来るが、カカメに乗っ取られた彼女に殺される。
外に出て頭部だけが茂みに入ると、そこにいた小鳥を食うという意味不明な事をする。
最後はスマホを見ていたマナミを襲うと、交代するかのように退場していた。

サエ(演:ろるらり)
陶芸家を目指している女の子。木多天の助手として働くが、かなり雑な扱いを受けている。
ろるらりは「ミスiD2018」出身でイラストレーターとして活躍し、本作が長編映画デビューとなります。
木多天とは助手以上の関係性を持つが、キャンプの参加を認められずリストカットする。
粘土の作品をやり直そうとするが、カカメが乗り移っていてあっさりと寄生されてしまう。
最後は心配してきたユイの前で正体を暴くと、ゆっくりと襲ってからそのまま退場した。

木多天(演:笠原紳司)
アーティスト。六角形をモチーフに様々な作品を作る。若い女の子から人気を博している。
笠原紳司は代表作に『演じ屋』シリーズ、『進撃の巨人』シリーズなどがあります。
人里離れたアトリエに美術作品キャンプと称して、若い女の子を6名選び作品を作らせる。
助手のサエを雑に扱っているが、プロの陶芸家になりたい彼女をただ利用しているだけ。
助けにやって来た藍那を邪魔して、遺骨が生きていると分かって金儲けを思いつく。
最後はカカメに体を乗っ取られ、大量の血を吹き出しながら復活させる土台となった。

藍那ゆり(演:黒沢あすか)
芸術大学の予備校「AINAアカデミー」の経営者。カカメを退治して粘土を埋めていた。
黒沢あすかは近年の出演作に『恐怖人形』、『積むさおり』などがあります。
警察に事情を話す前に車で事故を起こし、病院に運ばれるもずっとうなされてしまう。
恭三の骨にカカメが寄生していると推測し、病院を抜け出して木多のアトリエを探し出す。
果林たちのピンチにタイミング良く助けるが、木多に邪魔されて拘束されてしまう。
最後はカカメから生まれた恭三に助けられ、残った部分を果林と監視する役目となった。

伏見恭三(演:津田寛治)
かつて陶芸家として活躍していた。青年実業家として陶芸品を売り捌いていた。
津田寛治は近年の出演作に『山中静夫氏の尊厳死』、『つむぐ』などがあります。
土の粉が体内に入ってしまい、カカメが腹の中で育って、そのまま殺されてしまった。
娘の前には遺骨として再会を果たすが、残っていたカカメが復活をしようと画策していた。
奇跡的な要素でカカメが復活すると、果林を殺す手前になって腹から生まれてきた。
最後は果林にバーナーで燃やしてもらい、カカメとともに消滅する事になった。

カカメ(演:笹野鈴々音)
恭三の体から生まれるも藍那たちに葬られた。恭三の遺骨にまだ存在して復活を企む。
笹野鈴々音は近年の出演作に『爆裂魔神少女ば/バーストマシンガール』、『黒い乙女』シリーズなどがあります。
ツンデレなミズエがキャンプに連れてもらい、コケた果林が落として水を浴びて復活する。
たまたま近くにあったアライグマの死体に寄生し、アトリエまで来て粘土と融合する。
女の子たちを血祭りに上げて増殖するが、駆けつけた藍那に殺戮を邪魔される事に。
最後は腹から恭三が出て燃やされるが、他の部分がミミズと融合して東京に上陸を果たす。

感想

個人的な評価

本作は『シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019』にて出品されました。
前作が微妙にヒットしたせいで続編が作られましたが、津田寛治と黒沢あすかは引き続きちょい役で登場しています。
本作の登場人物はほとんど「ミスiD2018」というグランプリの受賞者で、全員が演技は初めてというフレッシュさで挑んでいます。
当然のように演技の素人なのでレベルは全体的に低いですが、知名度だけのアイドル役者よりは多少マシな印象を受けた。
そんなレベルが低い演技の中で、黒沢あすかと津田寛治はさすがのベテランという感じで慣れたような堂々とした演技でした。
特に前作で散々な目に遭った黒沢あすかが演じる藍那先生役は序盤で頑張っていて、カカメに唯一対抗できる存在となりました。
終盤に救世主となってカカメの動きを止めると、何もしていない主人公の果林を助けていくちう前作とまったく同じ流れはワザとなのだろうか。
津田寛治はラストでカカメの腹から出てくる演出は笑いを誘うが、それ以上に昇天する時の顔芸もまた面白いです。
本作はまったく怖くないのですが、ラストはカカメと津田寛治のおかげで色々と笑わさせてくれたのは良かったです。
ただ、本作は「ミスiD2018」の出身者たちを宣伝する目的なので、彼女たちが作品を作っている間のシーンは作品の雰囲気をぶち壊しています。
ホラー映画なのにBGMの選曲がひどすぎて、怖さを演出するより女の子たちを宣伝する方に力を入れていたように感じた。
ラストでみせてくれたカカメの東京上陸が大規模になりすぎて、それまでの茶番をひっくり返したのは個人的に良かったです。