恐怖ノ黒洋館 VD-113

作品紹介

公開年月  2012/10/27
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ロドリゴ・グディーニョ
脚本  ロドリゴ・グディーニョ
製作  マルタ・ペコタ
製作国  カナダ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

骨董品コレクターのレオン・リーは、別居中に死別した母から巨大な屋敷を継承する。
屋敷の中を散策しているうちに、そこが奇妙なカルト教団の聖地だと判明し、未だに母の霊魂が居座っていて彼にメッセージを送っていた。
その後、屋敷では超常現象が起こり始めると、レオンは母の信仰には恐ろしい真実が隠されていると知るのだった。

登場人物&出演者

レオン・リー(演:アーロン・プール)
主人公。骨董品コレクター。疎遠となっていた母が亡くなって、大きな屋敷を手に入れる。
アーロン・プールは代表作に『コンフィデンスマン/ある詐欺師の男』、『ワイルドガン』などがあります。
売っていた骨董品がすべて屋敷にあって、実は母親のロザリンドが買い占めていたと知る。
屋敷内を調べているうちにここがカルト教団の聖地となっていた事を突き止める。
いつも飲んでいる薬を飲んだところで裏庭に何がいて、様子を見たら巨大な猫の怪物がいた。
外に怪物がいると動揺するが、精神科医である親しいアンナに相談して一旦は落ち着く。
最後は怪物に追われるが、信仰を否定した事で消え失せ、不気味な屋敷を売ると決める。

ロザリンド・リー(演:ヴァネッサ・レッドグレーヴ)
レオンの母。屋敷内には様々な物を置いている。亡くなって遺産を息子のレオンに託した。
ヴァネッサ・レッドグレーヴは代表作に『ミッション:インポッシブル』、『ディープ・インパクト』などがあります。
骨董品を売っていたレオンの品物をすべて高値で買い占めていたという事実が発覚する。
信仰心を捨てて家を出たレオンをずっと思っていて、それは死んでも彼を求めていた。
死後、家に戻ってきたレオンに自分の存在を示そうと彼を導くも結局は会う事はできず。
売り家になってしまった屋敷で愛した息子のレオンを今でも求めている姿が窓に映る。

アンナ(声:シャーロット・サリバン)
精神科医。レオンの親しい知り合い。忙しい中でもレオンの電話にちゃんと出る親切さ。
シャーロット・サリバンは代表作に『呪い村436』、『コロニー5』などがあります。
レオンが怪物に襲われそうになり、電話口から落ち着いた声で彼を落ち着かせた。

感想

個人的な評価

本作は『恐怖ノ』シリーズの二作目という感じですが、実際はまったく関係のない作品を勝手にシリーズ化したパターンとなります。
ですので、一作目の『恐怖ノ黒電話』とは一切の繋がりがないどころか、そもそも製作国がイギリスで本作はカナダなのでまったく違う作品となります。
ただ、邦題の繋がりがあるので、このシリーズは4作目まであるという事で一気に鑑賞しようと思っています。
本作は監督であるロドリゴ・グディーニョの実体験が元ネタとなっているようです。
つまり、本作で起きた大半の事は実際にロドリゴ・グディーニョ監督が体験し、それを実写映画化した作品となります。
ハッキリ言って、邦題は完全に詐欺であって、当初予想していたハウス系ホラー映画の類ではなかったのです。
本作はどっちかと言えば、愛する息子と疎遠になった母親の悲痛な想いが語られる人間ドラマ寄りの作品という印象でした。
しかも、本作はほとんど主人公のレオンの一人芝居になっていて、あとはチラッと顔を出すか、ナレーションや電話で声だけが登場する程度となります。
そうなってくると、主人公を演じたアーロン・プールの演技力に本作の命運がかかります。
アーロン・プールは一人芝居としては悪くないし、作品の独特な雰囲気が手伝って一応は最後まで鑑賞できる感じになっている。
しかしながら、本作は一人芝居ゆえに起きる事はそこまで派手じゃないし、何よりフワッとした終わり方になっている。
ハウス系ホラー映画を期待すると肩透かしを食らってしまう非常に地味な作品でした。
カルト教団であっても母親は信仰心を持ち、死んでも魂は生き続けると強く思い、それを息子にも託そうとしました。
ですが、当の息子は父親が死んだ事で人間は無になると考え、母親との意見の相違で疎遠になってしまうのです。
本作では母親のロザリンドは息子に対する想いをナレーションという形の遺言を残している。
一方的な愛情に息子のレオンは近寄ろうとするが、最後の最後でやはり、彼は頑なに信じずに家を売り払う事になります。
そんな出て行った息子を今でも待っている母親の幻影が窓に映った姿が印象的でした。
これは主人公と似たような感じで、観ている側の受け止め方で本作の面白さが変わります。
個人的には霊魂の存在は信じているが、本作はもう少し分かりやすく映像的な工夫があれば良かったと思います。
扱っているテーマは非常に理解できるが、映画的な観点からすれば、本作はつまらないと言われても仕方ありません。
いくら実体験が元ネタであっても、本作はあくまで映画なので、観ている側に伝わらないと意味がないと思います。