作品紹介
公開年月 | 2011/08/26 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | なし |
監督 | マシュー・パークヒル |
脚本 | セルジオ・カシー |
製作 | アミナ・ダスマル、ロビン・フォックス、ほか |
製作国 | イギリス |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
嫉妬心が強い夫との離婚で環境を変えようとマリーが引っ越したアパートには、すでに回線の繋がった黒電話が備え付けていた。
やがて、前の住人だったボビーに毎日電話する老婆がいて、マリーは仕方なく彼女の頼みを聞いてしまう。
そこからマリーの周りで怪事件が次々と発生していき、その元凶となるのは備え付けの黒電話から始まった老婆の電話からだった。
登場人物&出演者
・メアリー・キー(演:ラシェル・ルフェーブル)
主人公。夫との離婚でストレスが溜まり、環境を変えるべくアパートへ引っ越した。
ラシェル・ルフェーブルは代表作に『トワイライト/初恋』、『バトルフロント』がある。
引っ越し先のアパートには備え付けの黒電話があって、そこから老婆から連絡が入る事に。
大学ではフランス会話クラスに通うが、間違えて数学クラスに入り、ジョンと出会う。
ローズから逃げようとジョンと計画するも、それがバレて彼が過去に消される。
最後は現代にいるローズが殺しくるが、過去の幼い自分が彼女を殺してめでたく解放された。
・ジョン・グイディ(演:スティーヴン・モイヤー)
大学で機械工学の数学クラスを担当する講師。クラスを間違えたメアリーに
スティーヴン・モイヤーは代表作に『88ミニッツ』、『コンカッション』などがあります。
スーパーにて買い物していたメアリーと出会うが、突然の出来事に彼女は逃げ出した。
イタリア系で両親がダイナーを経営し、祖父がニューヨーク行きの船を間違えたらしい。
元夫のスティーヴンやローズに振り回されるメアリーを気遣い、いつしか恋人関係に。
出し抜かれると気づいたローズによって、幼い頃に誘拐されて消息不明となってしまう。
・ジョージ(演:ルイス・ガスマン)
メアリーが引っ越してきたアパートに住んでいる男。普段は庭の手入れしている。
ルイス・ガスマンは近年の出演作に『ナインレイヴン/運命を分けた日』、『ドゥ・オーバー:もしも生まれ変わったら』などがあります。
引っ越してきたメアリーに優しくして仲良くなり、前の住人について話してくれた。
しかし、ローズの正体を話してしまったせいで狙われて、過去に殺されて存在が消えた。
・スティーヴン・キャンベル(演:エド・クイン)
メアリーの元夫。裁判の判決によってメアリーに対して接近禁止命令を出されている。
エド・クインは代表作に『ハウス・オブ・ザ・デッド2』、『ネイビーシールズ:オペレーションZ』などがあります。
メアリーに対し嫉妬心が強く、離婚を言い渡されても近づいて二人だけ話し合おうとする。
裁判からの命令で近づく事が禁じられているが、平然と破ってメアリーのアパートに来る。
ローズを倒したメアリーの部屋にまるで自分の家のように入ってきて暴力を振るった。
最後はローズを幼い頃に殺した経験を得たメアリーの警告を無視して結局殺される。
・ローズ・ラザー(演:ローナ・レイヴァー)
アパートに引っ越してきたメアリーの部屋に備え付けてある黒電話に連絡を入れた女性。
ローナ・レイヴァーは代表作に『スペル』、『アーマード/武装地帯』などがあります。
ベトナム戦争へ行った夫の事を心配しているが、すでに40年前の出来事で話しに違和感。
メアリーのアドバイスを聞いて夫を始末して電話をかけるが、気味悪いと思われ敬遠される。
唯一の友達となったメアリーの裏切りを知って、自分の正体を知る者を次々と消していく。
現代のメアリーを殺そうとするが、幼い彼女の反撃に遭って命を落として消え去った。
感想
個人的な評価
本作はシッチェス映画祭ファンタスティック・セレクションで上映された作品。
シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクションはスペインのカタロニアで行われる映画祭で、ホラーやサスペンスに特化しています。
世界最古にして最大の映画祭だが、上映される作品は必ずしも面白いとは限りません。
そんな本作はホラー映画テイストのタイトルですが、実はちょっとしたタイムパラドックスを含めた作品となっています。
とにかく、本作の主人公であるメアリーが暴力夫のせいで脳細胞がかなり壊されてしまい、行動の一つ一つが頭の悪さをかもし出している。
そのおかげ元夫が簡単にアパートへ侵入したり、過去から電話をかけるローズに狙われる事になるのです。
脳細胞が死にまくっている主人公がなんとかローズの正体を突き止めようとするが、所詮はバカにできる事は限られます。
当然のようにローズからの電話は止まらず、なぜかメアリーは周囲の人間について情報をベラベラと垂れ流していく。
その結果、アパートに引っ越してから親しかったジョージが存在そのものが消えてしまい、挙げ句は心を許したジョンすらも消えてしまう。
実際に消しているのは過去のローズだが、その元凶となっているのは明らかに主人公のメアリーという悪気のない極悪人でした。
邪魔者がいなくなったローズのターゲットが幼いメアリーとなるが、もうどうしようもない状態で体を傷つけられます。
ローズが言ったように「自業自得」という言葉がこれほど合っていると思えるような傷です。
普通なら主人公に対して同情を持つけど、本作のメアリーは自分の軽率な行動で起こした事だから当然としか思えませんでした。
やはり、暴力夫に体と心だけじゃなく、脳細胞まで破壊されているならば仕方ないだろう。
結局は幼い主人公の方がずっと行動的で、あれだけ苦戦したローズを意図も簡単に始末してくれました。
つまり、今のメアリーは本当に無能のクセに、関係ない人たちを巻き込んだ害悪という立場を逆に強調してしまったと思う。
本作は最初のダメ人間であった主人公が、徐々にサイコな殺人者に育てる作品でした。