ホール・イン・ザ・グラウンド RE-3201

作品紹介

公開年月  2019/07/27
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  リー・クローニン
脚本  リー・クローニン、スティーヴン・シールズ
製作  コナー・バリー、エルキ・アスタラ、ほか
製作国  アイルランド
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

若いシングルマザーのサラは、木々が生い茂る田舎町で息子と二人で暮らしていた。
ある時、サラは自分の息子クリスの不審な行動を目の当たりにして、得体の知れない奇妙な“何か”に取り憑かれていると感じていた。
サラたちが住む家の裏に広がる森の奥に巨大なシンクホール(陥没穴)があって、この穴に息子が取る異常な行動との関連性を疑い始めるのだった。

登場人物&出演者

セーラ(演:サーナ・カーズレイク)
主人公。息子クリスと田舎町で二人暮らしする。大学一年の時にクリスを妊娠して中退した。
サーナ・カーズレイクは代表作に『Dollhouse』、『マッド・メアリー』などがあります。
1年前に交通事故を起こして額にケガを負うが、なぜかまた出血するような状態になる。
クリスが勝手に森へ行った事に怒鳴るが、以前と違った様子に対して不信感を得ていく。
息子が別人だと確信を得ると、一人だけ発狂した状態になるが穴に原因があると気付いた。
最後は穴にいた本物の息子を掘り出し、家を燃やして新たな場所で人生をやり直す事になる。

クリス(演:ジェームズ・クイン・マーキー)
サラの息子で田舎町にて二人暮らしをしている。母親に騙されて父親と離れて暮らす事に。
ジェームズ・クイン・マーキーは代表作に『Mother’s Day』などがあります。
母親のせいで父親と引き離されてしまい、かなりの不満を持ちながらも黙ってしまう。
勝手に森へ遊び回っていたが、セーラには内緒にしていて、ある日を境に性格が変貌する。
その正体は穴の中にいた何かが化けたモノであり、正体を見破られてセーラを襲った。
最後はセーラが穴の中から助け出され、田舎町を後にして新たな生活をスタートさせる。

ルイーズ(演:シモーヌ・カービー)
骨董品のオーナー。田舎へ引っ越してきたセーラを店員として雇い、家族ぐるみの付き合う。
シモーヌ・カービーは代表作に『ジミー、野を駆ける伝説』、『イングランド・イズ・マイン/モリッシー,はじまりの物語』などがあります。
田舎町について何も知らないセーラの為に弟夫婦と一緒に食事してノーリンの話しをした。
ノーリンの遺体を発見したセーラに気遣うが、店を再開させて忘れるようにしていた。
最後はクリスの学芸会でセーラの様子がおかしくなり、心配して声をかけるも無視された。

・デズ・ブレイディ(演:ジェームズ・コスモ)
ノーリンの夫。息子を失った妻が精神異常を来し、近隣を徘徊するといつものように探す。
ジェームズ・コスモは代表作に『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』、『インビジブル/暗殺の旋律を弾く女』などがあります。
二度目にセーラたちの前にノーリンが現れて説明するが、暴走した彼女を止めるだけになる。
ノーリンが変死した状態で発見されても悲しまず、葬式を挙げてセーラに思い出話をした
最後はクリスが自分の息子じゃないと迫るセーラに答えられず、カメラを投げ捨ててしまう。

ノーリン・ブレイディ(演:カティ・オウティネン)
セーラの近所に住む老婆。地元では「叫ぶ隣人」と呼ばれ、イカれた老婆として知られる。
カティ・オウティネンは代表作に『過去のない男』、『希望のかなた』などがあります。
引っ越してきたセーラたちの前に立ちはだかり、何かブツブツと呟きながらクリスを見る。
再び出会うとクリスがセーラの息子じゃないと叫び、車の窓ガラスに頭を打ちつける。
過去に息子が偽物だと発狂するが、実はその正体を見破っていたが誰も信じてもらえず。
最後は自宅の庭に頭だけの土の中に埋めて、そのまま窒息死した状態でセーラが発見する。

感想

個人的な評価

本作は『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2019』にて上映された作品です。
この作品は珍しいアイルランド産であり、数々の傑作を世に出したスタジオ“A24”がピックアップしています。
まさにヨーロッパ映画という映像にこだわった作品であるが、全体的なインパクトは思っていたよりも薄かったです。
本作の肝とも言える「穴」について中盤までほとんど触れる事がなく、隣人の変な老婆に話しを持っていかれています。
しかし、老婆が死んでしまうと、今度は主人公に視点が戻って息子は息子じゃないという状態に変わっていきます。
「穴」について説明はまったくないが、人間を複製しているのだけしか分からず、何がどのような目的で行っているのか分からないままです。
つまり、本作に明確な答えが最初から用意されておらず、観ている側の解釈に任せるという個人的に嫌いなタイプのオチとなりました。
穴はクレーターのように見えるので、これはエイリアンの侵略として考えられるし、そもそも穴はなど最初からなくて母親の幻覚の可能性だってあります。
まず、前者については安易すぎる上に説明も伏線もないので、単純に製作側が考えていないのか、ワザと曖昧にしているだけかもしれない。
もしも、これだったら本作に対する個人的な評価はクソ以下になりますし、嫌いな手法に中途半端な謎要素を加えるのはもっと嫌いです。
後者になると何でもアリ状態になってしまい、これは「夢オチ」と同じで鑑賞していた時間がすべて無意味にされてしまう。
という事で、どちらの設定であっても本作には良い印象がなく、最悪なのが穴に入って暗黒世界で何が起きているのか分かりません。
嫌いな要素を立て続けに連発されると、本作にガッカリするようりも、イライラが募ってボロクソに評価したくなります。
ただ、映像に関してこだわっているのは分かるし、主演のサーナ・カースレイクは“アイルランドのスカーレット・ヨハンソン”と呼ばれるだけあって魅力的でした。
この点だけはプラス評価に働いていて、あとのマイナスをフォローまでできないけどゴミ映画にはならないレベルにはなっていると思います。