作品紹介
公開年月 | 2016/06/10 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | エンフィールド事件(モチーフ) |
監督 | ジェームズ・ワン |
脚本 | チャド・ヘイズ、ゲイリー・W・ヘイズ、ほか |
製作 | ピーター・サフラン、コブ・コーワン |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
1974年に起きた“アミティビル事件”を調査したウォーレン夫妻の名声が高まる一方で激しいバッシングを受ける事に。
そんな中、1977年に夫妻の元に英国から新たな依頼が舞い込む。
それはエンフィールドの古い家に住むシングルマザーのベギー・ホジソンと四人の子供たちが怪現象に悩まされているというモノ。
前に住んでいた老人の霊が次女のジャネットに取り憑いてしまい、その真偽を確かめる為にウォーレン夫妻が訪れるのだった。
登場人物&出演者
・ロレイン・ウォーレン(演:ヴェラ・ファーミガ)
超常現象研究家。霊能力者。前作のアミティビル事件を引きずり、夫が死ぬ予知夢を見る。
ヴェラ・ファーミガは近年の出演作には『現地(にいない)特派員』、『ジャッジ/裁かれる判事』などがあります。
終始に渡って悪魔の夢を見ていて、それにずっと悩まされる事になってしまう。
夫を失う恐怖があるせいで本来の力が発揮できずにいるが、最終的には立ち向かっていく。
二人で力を合わせてこそ敵対する霊や悪魔に太刀打ちできるところが見どころでした。
・エド・ウォーレン(演:パトリック・ウィルソン)
超常現象研究家。霊的な出来事に面と向かって対話し、決して怯まない勇敢な態度を取る。
パトリック・ウィルソンは近年の出演作には『ホーム・スイート・ヘル/キレたわたしの完全犯罪』などがあります。
霊能力がなくても霊の存在を信じていて、父親から闘う事を教えられ実行している。
死ぬ予知夢を妻から聞かされても、助けを求める少女を見殺しにできない人物でもある。
本作ではロレインの心配も分かりながらも、しっかりと自分の役目を果たしている。
・ジャネット・ホジソン(演:マディソン・ウルフ)
ホジソン家の次女。霊能力を持っていて、家に潜んでいる老人の霊と悪魔に利用される。
マディソン・ウルフは代表作に『デビルズ・バースデイ』、『トランボ、ハリウッドで最も嫌われた男』などがあります。
ある意味、本作における主人公であり、彼女の演技によって作品の質が変わってきます。
マディソン・ウルフが抜擢されるだけの演技を魅せていて、そのギャップを上手く表現した。
・ペギー・ホジソン(演:フランセス・オコナー)
シングルマザー。生活苦で悩みが尽きない。怪現象によって疲労困憊していきます。
フランセス・オコナーは代表作に『ウインドトーカーズ』、『タイムライン』があります。
最初は怪現象を信じなかったが、それを目の当たりにしてから解決の道を求めていく。
段々と追い込まれていく心労がよく出ていて、途中で疑いをかけられるところも良かった。
・マーガレット・ホジソン(演:ローレン・エスポジート)
ホジソン家の長女。弟や妹の面倒をよく見る。特にジャネットの心配をしている。
ローレン・エスポジートにとって本作が映画デビュー作となっています。
終盤では空中に浮かされて吹っ飛ばされるけど、心は折れずに弟たちの面倒を見る。
・ジョニー・ホジソン(演:パトリック・マコーリー)
ホジソン家の長男。ホジソン家では影が薄いけど、いじめられる弟を助ける
パトリック・マコーリーにとって本作は映画デビュー作となっています。
終盤では再び集まった兄弟。その中で助けようと長男らしい行動をします。
・ビリー・ホジソン(演:ベンジャミン・ヘイ)
ホジソン家の次男。吃音症の持ち主。そのせいで学校でいじめられるも兄弟に助けられる。
ベンジャミン・ヘイにとって本作が映画デビュー作となっています。
ジャネットとは仲が良く、吃音症を治す為に一緒に歌を歌いながら訓練をしていた。
・モリス・グロス(演:サイモン・マクバーニー)
技術コンサルタント。心霊現象協会調査員。最初から最後までホジソン家を信じた人物。
サイモン・マクバーニーは俳優の他に舞台の演出家としても活躍し、『春琴』は読売演劇大賞の最優秀演出家賞を受賞しています。
テレビ局を介して霊との対話をして、更に数々の証拠写真やテープを記録している。
本作ではあまり目立った活躍が描写されなかったが、影の功労者と言える人物でした。
演じたサイモン・マクバーニーは本人に似せる為の特殊メイクを施しています。
・アニータ・グレゴリー(演:フランカ・ポテンテ)
超心理学者の助教授。以前に騙された経験を持ち、今回の事件を懐疑的に見ている。
フランカ・ポテンテはドイツ出身で代表作に『ラン・ローラ・ラン』があります。
完全に先入観で判断しているせいで、まんまと悪魔の策略に乗ってしまう。
感想
個人的な評価
一作目の『死霊館』はオリジナルホラー映画として『エクソシスト』に次いで史上2位という記録しています。
つまり、ジェームズ・ワン監督のホラー映画は世界的に認めらているという事になる。
個人的にも作り物のホラー映画とは一線を画していて、かなりリアルな路線だと言えます。
特に不安を煽ってくる演出が秀逸で、タイミングやカメラアングルは言う事がない。
それほど引き込まれるような展開を見せていて、長い上映時間でも退屈にさせないのです。
実際にあった出来事をモチーフにしているので説得力があるが、それ以上にジェームズ・ワン監督の実力が光ります。
何よりアメリカ的なホラー演出はもちろん、ジャパニーズ・ホラーのホラー演出も上手く融合させています。
だからこそ独特な不気味さが作品全体に漂っていて、引き込まれるような構成になっている。
前作から登場するウォーレン夫妻のヴェラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンは、本作でも上手い演技で作品を固めています。
そして、本作の主人公とも言えるジャネット・ホジソンを演じるマディソン・ウルフが作品の質を一段階上げています。
これは『エクソシスト』のリンダ・ブレアに通じるところがあって、段々と悪魔に支配されるギャップが印象的です。
ホラー映画というのは基本的に長尺だと間延びしてしまうが、本作は2時間を超える長い作品となっている。
しかし、ジェームズ・ワン監督の秀逸な演出と構成はそれをまったく感じさせない。
更に本作ではホジソン家とは関係ないウォーレン夫妻の絆もしっかりと描かれています。
何もかもが高いレベルの作品であるが、やはり、映画的な演出は少しやり過ぎな印象を受けてしまったところがある。
そのせいで冷めてしまう部分があったので、ドキュメンタリーじゃないので仕方ないだろう。
それでも、本作はしっかりとホラー映画をやっていて、ジェームズ・ワン監督の実力が窺える作品だと思います。