シャークネード/ワールド・タイフーン RE-2649

作品紹介

公開年月  2017/08/06
ジャンル  パニック/アクション
原作  なし
監督  アンソニー・C・フェランテ
脚本  スコット・マレン
製作  デヴィッド・マイケル・ラット
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

一連のシャークネード撃退の活躍により、フィンはNATOによるシャークネード戦略会議に招集され、妻エイプリルと息子ギルを連れてロンドンのMI6本部を訪れていた。
一方、対シャークネードの秘密組織を結成したノヴァは、ストーンヘンジの洞窟でかつて人類がシャークネードとの戦いに使った秘宝「デュークワカのハーネス」を発見する。
しかし、ハーネスを持ち出した瞬間、巨大なシャークネードが発生し、フィンの息子ギルがその中に呑み込まれてしまうのだった。

登場人物&出演者

フィン・シェパード(演:アイアン・ジーリング)
主人公。伝説的英雄。地球を何度も救った功績から『シャークネード戦略会議』に呼ばれる。
アイアン・ジーリングは近年の出演作に『ラバランチュラ/全員出動!』、『デイ・アナザー・トゥモロー』などがあります。
ノヴァとともに「デュークワカのハーネス」を手に入れたが、シャークネードを発生させた。
シャークネードに呑み込まれた息子を助けるべく、エイプリルとノヴァたちとともに戦う。
ギルを救う為にシャークネードに何度も突入するも失敗し、ノヴァも目の前で死んでしまう。
最後はエイプリルも失ってしまい、世界をさまよっているところに成長したギルに出会う。

エイプリル(演:タラ・リード)
ヒロイン。過去に襲ったシャークネードでの戦いで全身をサイボーグ化している。
タラ・リードは近年の出演作に『ハングオーバーゲーム』、『アメリカン・パイパイパイ!完結編/俺たちの同窓会』などがあります。
シャークネードが発生してロンドンが混乱している時、過去の経験で車より避難を選択。
フィンが乗ったヘリが墜落する寸前に素手で掴み、彼らが脱出してから放り投げる怪力ぶり。
オーストラリアの海でサメに襲われ重傷を負ったが、シスターズによって修復される。
最後はシャークネードを消滅させようとエネルギーを放出するも爆発四散して首だけとなる。

ノヴァ(演:カサンドラ・スケルボ)
かつてフィンたちとともに戦った女性。今は「シャークネード・シスターズ」のメンバー。
カサンドラ・スケルボは代表作に『House Broken』、『クレイジーミッション』がある。
人類がシャークネードとの戦いで使った「デュークワカのハーネス」を手に入れようとする。
石を取ったせいでシャークネードが発生し、フィンの息子ギルを助けられずに呑み込まれる。
シャークネード・シスターズ総出で世界各地を襲うシャークネードに対象するも追いつかず。
最後はギルを助けようとシャークネードに生身で突入するも失敗し、フィンたちの前で死亡。

ギル(演:ビリー・バラット)
フィンとエイプリルの次男。レイヴンウッド首相の前では父親の偉大を自慢していた。
ビリー・バラットは代表作に『To Dream』などがあります。
MI6の兵器開発担当のルウェリンから追跡装置のついた最新鋭のヘルメットをもらう。
シャークネードに発生した際、一緒にいた政府関係者と避難し彼を勇気づけていた。
ヘルメットを被ったまま移動するシャークネードの中でフィンとエイプリルを呼び続けた。

ジェム(演:マシエラ・ルーシャ)
フィンの姪。シャークネード・シスターズのメンバーだがフィンは知らなかった。
マシエラ・ルーシャは代表作に『ラスト・ブラッド』、『キングダム・ウォーズ/魔界からの侵略者』などがあります。
中国を活動拠点として大量の核廃棄物質を船で運んでいたが、シャークネードに遭遇する。
核廃棄物質を呑み込んだシャークネードがサメの群生体として一つの生き物に変えてしまう。
なんとか最後まで戦っていたが、結局はシャークネードから派生した爆発の余波で死亡。

マット(演:コディ・リンリー)
フィンの長男。前回のシャークネードの襲撃で破壊された農場で仲間と復興作業をしている。
コディ・リンリーは代表作に『ザ・スクリーミング/連・鎖・絶・叫』などがあります。
スティーヴンとともにシャークネードに備えていたが、巨大化して避難もできず死亡した。

レイヴンウッド(演:クリス・カッテン)
イギリス首相。ロンドンにやって来たフィンたちをMI6の本部で出迎えて案内していた。
クリス・カッテンは代表作に『TATARI/タタリ』、『リディキュラス・シックス』がある。
シャークネードが発生して「スカイフォール」を起動させるも右足を食われてしまう。
満身創痍でなんとかシャークネード戦略会議に来るが、結局は降ってきたサメに潰され死亡。

大人になったギル(演:ドルフ・ラングレン)
シャークネードによって世界が荒廃し、エイプリルの首とともにさまようフィンと再会した。
ドルフ・ラングレンは近年の出演作に『ハイジャック・ゲーム』、『ゾンビ・ハンター』などがあります。
実はシャークネードにいた時に数年かけて操り方を覚え、タイムトラベルの方法を見つける。
荒廃し飛行するジープを運転し、フィンとともに世界を救う為にタイムトラベルをする。

感想

個人的な評価

本作はサメ映画シリーズの中で一線を画するほどの面白さが詰まったシリーズである。
これまで何度もゾンビ映画には無限の可能性があると主張してきましたが、実はサメ映画にも同様に無限の可能性を秘めています。
本シリーズはサメ映画の可能性を貪欲に求めてきた素晴らしい作品だと思っています。
一作目が登場するまで名作サメ映画『ジョーズ』のような地に足が付いたリアルなサメが基本となっていました。
しかし、『シャークネード』というテレビ映画が登場した事により、それまでのサメ映画の常識を見事に打ち破りました。
サメは海だけじゃなく、竜巻とともに人間を襲う脅威に変化した事で可能性を大きく広げたと言っても過言じゃありません。
何より本シリーズは劇場映画ではなく、あくまでテレビ映画として製作されている点です。
劇場映画だと興行収入を考えてマイルドな内容にしがちだが、テレビ映画にはそれがない為にどこまでも追求ができるのです。
この自由な製作方法によって本作でついに五作目を迎える事となりました。
主人公のフィンは相変わらずの超人であり、妻のエイプリルのサイボーグ化も凄まじいです。
この二人がいればシャークネードは恐くないが、逆にこの二人がいるところにはシャークネードが発生するという元凶でもあるのです。
本シリーズの持ち味は「ありえない」展開の連続であり、本作でも充分に発揮しています。
あまりにもぶっ飛んだ展開に笑うしかないのはシリーズ最大の魅力だが、それ以上にフィンの超人化ぶりが面白い点でもある。
ですが、本作はすでに伝説的な英雄となってしまい、進化よりもドラマ性を選択したせいでなんだか勢いがなかった気がしました。
フィンというキャラクターは劇中で進化してシャークネードと戦っていく姿こそが最大の魅力だと言えるのです。
本作はそれよりも家族内の絆に重点を置いてしまった為、これまで培ってきたメチャクチャな展開が悪い方にバカらしくなりました。
その主因となったのは最後に登場した大人になったギルであり、序盤から積み上げていた伏線を予定調和に回収してしまった。
登場人物が軒並み死んでいくし、シャークネードに飛び込んで世界各地に瞬間移動した時点でタイムトラベルの可能性を予想できてしまう。
そうなれば、登場人物たちがいくら死んでもリセットができると分かった時点で本作の面白さが失われてしまった。
やはり、そのような反則技を使わず、純粋に登場人物たちが超人化していくから面白いシリーズだっただけに、今回の方向性は少しガッカリしました。
それにシリアスなドラマを普通にやってしまっているので、完全に勘違いした展開にも期待感を裏切られたような印象を持った。
本作は前後編の前編となっているので中途半端な終わり方になったが、最後に登場した大人になったギルをドルフ・ラングレンが演じるなら期待を持ちたいと思います。