ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー MY-264

作品紹介

公開年月  2016/12/16
ジャンル  SF/アクション/アドベンチャー
原作  ジョージ・ルーカス 『スター・ウォーズ』
監督  ギャレス・エドワーズ
脚本  クリス・ワイツ、トニー・ギルロイ
製作  キャスリーン・ケネディ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  購入ブルーレイ

あらすじ

銀河全体を脅かす帝国軍の究極兵器“デス・スター”。
その設計図を奪う為、名もなき戦士による反乱軍の極秘チーム「ローグ・ワン」に加わった女戦士ジンは、個性的な仲間たちとともに不可解なミッションに立ち向かうのだった。

登場人物&出演者

ジン・アーソ(演:フェリシティ・ジョーンズ)
主人公。デス・スター開発に携わったゲイレン・アーソの娘。ソウ・ゲレラに育てられる。
フェリシティ・ジョーンズは代表作に『博士と彼女のセオリー』、『インフェルノ』がある。
16歳でソウ・ゲレラから戦場に置かれ、その後は天涯孤独に宇宙を渡り歩いていた。
帝国軍に捕まっているところを反乱軍に助けられ、ソウ・ゲレラとの交渉役を依頼される。
当初は帝国が銀河を支配する事を気にしなかったが、父親の言葉で考えを改める。
デス・スターの設計図を奪う為、キャシアンを含むならず者たちとともに命を賭して戦う。

キャシアン・アンドー(演:ディエゴ・ルナ)
反乱軍のスパイ。反乱軍の為に裏で汚い任務をこなし、命令なら絶対に従う兵士である。
ディエゴ・ルナは代表作に『夜になるまえに』、『天国の口、終りの楽園。』があります。
当初はジンを信用していなかったが、一緒に旅をする事で彼女との絆を深めていく。
自分たちがやって来た事を無に帰さない為、ジンの勝手な行動に賛同する。
反乱軍の将軍からゲイレン・アーソの殺害を命令されるもジンとの絆で実行をやめる。
最後は設計図を手に入れ、追ってきたクレニックを止め、無事にデータを反乱軍に送る。

K-2SO(演:アラン・テュディック)
元帝国軍ドロイド。再プログラムされ、キャシアンとともにスパイ活動をしていた。
アラン・テュディックは代表作に『アイ,ロボット』、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』などがあります。
キャシアン以上にデータでジンが危険な人物だと何度も警告するも無視される。
ドロイドなので感情はまったくないが、本作においてコミカルなキャラクターとなる。
ジンやキャシアン以上にキャラが立っていたけど、出番は思っていたよりも少ない。
最後は反乱軍の為であるが、それ以上にジンやキャシアンの為に英雄的な行動をする。

ボーディー・ルック(演:リズ・アーメッド)
元帝国軍の貨物パイロット。ゲイレン・アーソのメッセージをソウ・ゲレラに届ける。
リズ・アーメッドは代表作に『ナイトクローラー』、『ジェイソン・ボーン』があります。
ソウ・ゲレラにメッセージを届けるも、彼の猜疑心によって拷問に近い尋問を受ける。
たまたま捕まったキャシアンたちに助けられ、そのまま仲間として一緒に行動する。
反乱軍の本拠地から勝手に出動する時、コールサインとしてローグ・ワンを咄嗟に言う。
設計図を送る為、帝国軍の通信システムを乗っ取るも、グレネードによって命を落とす事に。

チアルート・イムウェ(演:ドニー・イェン)
フォースを信奉する盲目のウィルズの守護者。常に運命はフォースの導きだと口にする。
ドニー・イェンは近年の出演作に『トリプルX:再起動』、『イップ・マン/継承』がある。
盲目でありながらストームトルーパー相手では無双するほどの戦闘能力を持つ。
目が見えなくても音や雰囲気などで周囲の状況を鮮明に感じ取る事ができる。
最後はデス・スターの設計図を送る為に身を挺して回線を開くも爆発に巻き込まれて死亡。

ベイズ・マルバス(演:チアン・ウェン)
チアルートの友人で同じくウィルズの守護者。守護者としての信仰心は失っている。
チアン・ウェンは代表作に『紅いコーリャン』、『鬼が来た!』などがあります。
重連射式キャノンという武器で大勢のストームトルーパーを一掃する攻撃力を持つ。
チムルートとは違って現実的な考え方の持ち主だが、両者は互いを助け合う良いコンビ。
最後は散っていった友人のチアルートを看取り、自身もグレネードの爆風で死亡する。

オーソン・クレニック(演:ベン・メンデルソーン)
悪役。デス・スター開発の保安任務の長官。ゲイレン・アーソを強引に開発へ戻す。
ベン・メンデルソーンは代表作に『ジャッキー・コーガン』、『ダークナイト/ライジング』などがあります。
あくまで自分がデス・スターを建造したと主張し、ターキン提督と反目するような立場。
ケイレン・アーソを手足のように使うも、ターキン提督から指揮官の器じゃないと言われる。
設計図を奪おうとするジンやキャシアンを追いつめるが、返り討ちに遭ってしまう。
結果としてターキン提督によるデス・スターの攻撃でスカリフとともに消滅してしまう。

ソウ・ゲレラ(演:フォレスト・ウィテカー)
過激派の反乱軍パルチザンの司令官。両脚は義足で定期的に呼吸器を使うほど体がボロボロ。
フォレスト・ウィテカーは近年の出演作に『メッセージ』、『サウスポー』などがあります。
戦いへ身を置いていたせいで他人を信用できず、常に警戒心と猜疑心を持っている。
最後はジェダに向けたデス・スターの攻撃による余波でアジトと運命を共にする。

ターキン提督(演:ガイ・ヘンリー/ピーター・カッシング)
デス・スターの開発をクレニックに任せるが、実は最後に掌握しようと企んでいる。
ガイ・ヘンリーは代表作に『ハリー・ポッターと死の秘宝』、『名探偵ポワロ「複数の時計」などがあります。
本作のターキン提督は顔がピーター・カッシング、動きと声はガイ・ヘンリーが演じる。
このように故人であったはずのピーター・カッシングがターキン提督として復活しています。
さすがに帝国軍の中でも実力者だけあって、クレニックは最初から最後までザコに見える。

感想

個人的な評価

本作は本編である『スター・ウォーズ』シリーズを補完するスピンオフシリーズ『アンソロジー・シリーズ』の第一作目となります。
スピンオフという事で本編のように映画の冒頭にあるシリーズでお馴染みのオープニング・クロールはありません。
本編は一人の英雄であるジェダイの騎士を中心に盛り上がっていくが、本作はあくまで反乱軍のメンバーが活躍しています。
その為、基本的に敵を圧倒するような事はなく、帝国に対する反乱軍は常に劣勢を強いられている現実を見せる状況となっている。
これまで本編シリーズに登場した個性豊かなキャラクターはカメオ出演に留まり、本作限りに登場するキャラクターがほとんどとなっています。
ですので、どうしても本編シリーズと比べて登場人物の個性は少し弱いように感じられる。
しかし、本作はレイア姫のセリフにあった「多くの犠牲」という言葉を体現しています。
本作の主人公であるジン・アーソは今までのシリーズでは異質な存在と言えます。
本編シリーズでは主人公は必ずフォースの使い手だが、本作のジンは帝国軍の兵器開発をした科学者の娘出フォースとは無縁である。
追いつめられた時に何かの力が覚醒するワケじゃないし、ライトセーバーも使いません。
あくまで目的はデス・スターの設計図を手に入れる事であり、その為にはどんな犠牲でも払う覚悟を持っている。
まさしく、主人公のジンは兵士のような存在であり、目的の為なら犠牲も厭わない。
それはこれまでのヒーローサーガとは一線を画すような内容で、どっちかと言えば現実的な戦争を舞台にしています。
全体的にシリアスな展開であるが、息抜きに登場する元帝国軍ドロイドのK-2SOの存在は非常に大きいと言えます。
ただ、それはこれまでのR2-D2やC-3POと比べると、少し出番が少ないのが残念である。
そして、すでに故人であるピーター・カッシングがCGでターキン提督として蘇ります。
これこそ現代の最新映像技術とも言えるモノで、違和感がほとんどないという凄さ。
実際の俳優が年を取ったり、若返ったりする事はよくあるけど、故人がスクリーンに再登場するのは本作が初なのかもしれない。
しかも、思っていた以上に出番が多く、違和感が少ないので自然と物語に溶け込んでいる。
更にダース・ヴェイダーも登場し、最後にはこちらも蘇ったレイア姫も登場します。
このように本作はファンに対するサービス精神がある内容だが、一つの作品として考えると感想はまた変わります。
まず、『スター・ウォーズ』シリーズは常にワクワクする構成や展開、それを盛り上げる音楽や映像が最大の特徴と言えます。
そんな世界に個性豊かなキャラクターが多く登場し、ジョージ・ルーカスによって細かなバックボーンが備わっている。
みんな『スター・ウォーズ』という世界に生きており、張りぼてのキャラクターではない。
だが、本作のジンは設定が先行してしまっているせいで今一つ魅力が伝わってこない。
ジンとともに行動するキャシアンはハン・ソロをイメージしているだろうが、残念ながら足元にも及びません。
唯一のコミカルなキャラクターであるK-2SOはいいキャラクターだが、出番が少なすぎた。
『スター・ウォーズ』シリーズで初の主要キャストにアジア人が起用された、チアルート・イムウェとベイズ・マルバスも思ったほどの活躍はない。
このように本作の主要人物たちは微妙という印象があって、面白味があまりなかった。
悪役となるクレニックも単なるザコにしか見えず、その後に登場するターキン提督とダース・ヴェイダーの存在感に消されてしまう。
世界観として楽しめますが、過去の本編シリーズと比べて格落ちしているのは否めない。
ただ、本作はあくまでスピンオフなので、それ以上の何かを求めるのは間違いだろう。