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オトシモノ VD-304

オトシモノ VD-304

作品紹介

公開年月  2006/07/27
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  古澤健
脚本  古澤健、田中江里夏
製作  石塚慶生
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ある日、駅で定期券を拾った高校生の奈々の妹である範子が姿を消し、他にブレスレットを拾った人が姿を消す奇妙な出来事が起きた。
妹の行方を探していた奈々は、彼氏がブレスレットを拾って消えた経験を持つ口を利いた事がない同級生の香苗と謎を解こうとする。
二人が名座を解き明かしていく中で、駅のホームに出没する黒服の女性を見かけると、以前起きた事故で死亡した「青沼八重子」の存在を知るのだった。

登場人物&出演者

木村奈々(演:沢尻エリカ)
主人公。女子高生。学校では委員長。母親が心臓病で入院している間は妹の面倒を見ている。
沢尻エリカは近年の出演作に『人間失格/太宰治と3人の女たち』、『億男』などがあります。
本来は留学を希望していたが、母親の病気と妹の事を考えて就職しようと考えていた。
妹が行方不明になると必死に探すも見つからず、香苗や何か知っている俊一と協力していく。
久美子と地下鉄の脇にある洞窟に行くと、範子を見つけると死んだ人間たちに追われる。
最後は駆けつけた俊一や幻の香苗に助けられ、範子とともに脱出して元の生活に戻る事に。

藤田香苗(演:若槻千夏)
奈々の同級生。ギャルで真面目な奈々とは真逆。彼氏から拾ったブレスレットをもらう。
若槻千夏は代表作に『想色/オモイ・ノ・イロ』、『タッチ』などがあります。
その後、彼氏が行方不明になって駅のホームで見かけると「ヤエコ」の名前を聞いてしまう。
いつも連んでいたグループから彼氏を突き落としたと言われ、仲間外れにされる事に。
ブレスレットからヤエコに線路へ引っ張られるが、黒服の女性になんとか助け出される。
最後は線路に行く奈々を助けるべく黒服の女性と車で行くが、引っ張られ電車の衝突で死亡。

久我俊一(演:小栗旬)
三葉電鉄に勤める運転手。運転中に何度も女性の死体を線路で見かけて急停止している。
小栗旬は近年の出演作に『人間失格/太宰治と3人の女たち』、『Diner/ダイナー』がある。
多くの人間に迷惑をかけた事から上司に内勤へ回され、運転手に復帰しようと必死になる。
妹を探す奈々に防犯カメラの映像を見せるが、女性の影を見ても何も見てないと主張した。
奈々の説得で協力する事となり、川村から聞いていた地下鉄の脇にある洞窟に連れて行く。
最後は危険な洞窟を爆破して処分し、警察に出頭して一連の事件を強引に終わらせた。

川村(演:板尾創路)
三葉電鉄に勤めている。長年に渡って内勤をしていて、新入りとなった俊一を出迎えた。
板尾創路は近年の出演作に『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』、『泣き虫しょったんの奇跡』などがあります。
線路で女性の死体を見た俊一に冗談で話していたが、実際はその出来事に深く関わっていた。
ロッカーの中には「青沼八重子」について調べている資料があって、俊一に警告していた。
最後は「大沼八重子」に追い詰められてしまい、首吊り自殺した現場を俊一に発見される。

木村靖子(演:浅田美代子)
奈々と範子の母親。検査した際に心臓の病気が見つかり、そのまま長期入院する事になる。
浅田美代子は代表作に『釣りバカ日誌』シリーズ、『エリカ38』などがあります。
娘たちに心配をさせないようにしていたが、発作を起こすも奈々の将来を案じていた。
最後は心臓病が快復して、何も知らずに戻って来た娘たちと再び暮らす事に喜んでいた。

久美子(演:杉本彩)
青沼八重子がいる線路にいつ立っている黒服の女性。過去に息子が連れ去れてしまっている。
杉本彩は代表作に『花と蛇』シリーズ、『JONEN/定の愛』などがあります。
息子が帰ってくるも別人になってしまい、その際に右目を奪われて別のモノが見えてしまう。
ブレスレットが外れなくなった香苗が線路に引きずられると、それを見かけて助け出す。
香苗に線路は危険だと忠告するが、奈々を助けに行く彼女と同行するも目の前で死なれる。
最後は八重子の娘だと判明し、相討ちになりがらも奈々と範子たちを助けて絶命した。

青沼八重子(演:松浦佐知子)
三葉電鉄の水無駅に出没する女性。定期券を拾った人間をどこかへと連れ去っていく。
松浦佐知子は代表作に『手紙』、『暗闇から手をのばせ』などがあります。
更にブレスレットを拾った者と装着した者を連れ去るほどの凶悪な力を発揮する。
過去に水無駅の線路へ身投げ自殺をするも死なず、あとから来た電車に轢かれて死んだ。
赤ん坊を身籠もっていたが、身投げした勢いで出てきて、左胸の上部にアザを持つ。
最後は赤ん坊だった久美子に倒されるが、実は被害者の一人だと判明してしまう。

感想

個人的な評価

本作は邦画史上で初めて韓国にて先行上映された作品となります。
典型的なジャパニーズ・ホラーであるけど、主人公と後に協力する同級生との友情も描いた作品となっています。
近年のジャパニーズ・ホラーは都市伝説から多く生まれていますが、本作は純粋なオリジナル作品のようです。
コンセプトとしては身近な鉄道やタイトルにもある落とし物が中心となっていて、生活に密着した恐怖を描いています。
こういう作品は無名のアイドルや役者が演じる事が多いけど、本作は沢尻エリカや小栗旬といいう実力派を揃えています。
そのおかげで本作は安っぽいホラー映画ではなく、普通に楽しめるような内容になっている。
ホラー映画の熟練者にとって本作はかなり物足りないですが、逆にホラー映画の初心者にとって入りやすい作品だと言えます。
直接的なグロテスクなシーンはなく、ラストで多少の気味悪い音があるけど、それでも初心者には優しいホラー映画だろうと思います。
なぜか本作は主人公と同級生の友情を描いているが、残念ながら尺が短すぎて説得力に欠いてしまっています。
主人公と同級生は真面目な委員長とギャルという正反対の組み合わせで、ギャップを狙いに行っているのが裏目に出てしまったと感じました。
この二人が心を通わせるにはエピソードが少なすぎて、今一つ主人公が同級生の死に涙を流すだけの材料はなかったように思えます。
それと肝心の「青沼八重子」が被害者だったオチはいいにしても、大本となる原因を見せないまま爆発炎上で終わらせる強引な手段も首を傾げてしまう。
こうなってくると、単純に製作側がそこまで考えておらず、力業で強引に終わるしかなかったという予測を持ってしまいます。
やはり、これはハッキリした原因を提示した上で力業で解決させても問題はなかったはず。
ここら辺が作品全体に詰めの甘さを感じさせ、ホラー映画としても弱いが、安定した演技のおかげで最後まで鑑賞できた部分だけが良かったです。