ウォリアー・ゲート/時空を超えた騎士 RE-2814

作品紹介

公開年月  2016/11/18
ジャンル  アドベンチャー/ファンタジー
原作  なし
監督  マサイアス・ヘイニー
脚本  リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン
製作  マーク・ギャオ、リュック・ベッソン
製作国  フランス、中国
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アメリカのワシントン、高校生のジャックはある日、バイト先の店主の家に代々伝わる古代の壺を譲り受ける。
しかしその夜、部屋に置いた壺の中から突然戦士のような服装の男が出現し、ジャックに「一緒に姫を救ってくれ」と言われ壺の中に入っていった。
すると、ジャックは古代の中国へとタイムスリップし、蛮族の侵略で崩壊寸前の帝国で姫を救い出す運命を背負う事になるのだった。

登場人物&出演者

ジャック・ブロンソン(演:ユリア・シェルトン)
主人公。格闘ゲームのオタク。「黒騎士」というキャラクターでゲーム内を無双していた。
ユリア・シェルトンは代表作に『NO RULES/ノー・ルール』、『Lifter』などがあります。
オタクなのにマウンテンバイクでスポーツを楽しむが、イジメっ子により場所を奪われる。
バイトしていた中国の骨董店の店主から壺をもらい、ジャオが出てきて協力を求められる。
古代中国では足手まといになるが、特に修行もしていないのに円の動きをマスターする。
殺しを日常としている蛮族たちを軽々と倒し、アルーンですらゲームのように倒した。
最後は現実世界でイジメっ子を倒し、格闘ゲームを売って金を儲け、スーリンと恋人になる。

ジャオ(演:マーク・チャオ)
スーリンを守る七人の戦士の一人。食事の時に遅れてきたおかげで毒殺されずに済んだ。
マーク・チャオは代表作に『モンガに散る』、『ドラゴン・クロニクル/妖魔塔の伝説』などがあります。
ジャックを味方にするが、まさかの無能でガッカリするもスーリンを残して任務を続行する。
スーリンがアルーンに奪われると、彼女を取り戻すべくやって来たジャックともに旅立つ。
あくまで姫君を守るのが生き甲斐だとジャックに語るが、人生を楽しむ事を教えられる。
最後はジャックとともにスーリンを助け、掟を破った彼を逃して戦士と認めて剣を渡した。

スーリン(演:ニー・ニー)
ヒロイン。皇帝の姫君。蛮族のアルーンによって皇帝と六人の戦士が殺されて国が崩壊する。
ニー・ニーは代表作に『君といた日々』、『奇門遁甲』などがあります。
アルーンから逃れる為にジャックの世界に来て、アイスクリームやブレイクダンスを楽しむ。
やって来たアルーンの部下にさらわれてしまうと、強制的に結婚の準備を始められる。
囚われの身になってもアルーンに対して強気で接し、ジャックたちが助けに来ると信じた。
最後は助け出されて女帝となり国の政治を取り仕切るが、ジャックの世界へ遊びに来た。

アニー・ブロンソン(演:シエンナ・ギロリー)
ジャックの母親。不動産屋。家が売れずに金銭的な余裕がない。家の支払いもギリギリ。
シエンナ・ギロリーは近年の出演作に『ドント・ハングアップ』、『アブダクション・プロジェクト/遭遇』などがあります。
なんとかしてジャックを大学へ行かせたいが、奨学金じゃないとムリで勉強をさせている。
ジャックが連れて来たスーリンが留学生だと紹介され、温かく出迎えゲストルームに泊める。
最後は家の支払いができず引っ越しする事になるが、ジャックのおかげで留まる事になる。

魔術師(演:フランシス・ン)
古代中国の魔術師。ジャックと古代中国を繋げる事ができ、魔術により敵の大群を止める。
フランシス・ンは代表作に『インファナル・アフェア/無間序曲』、『ラスト・シャンハイ』などがあります。
唯一ジャックを自分の世界に帰す事ができる人間であり、その為に一人で材料集めをする。
処刑されようとしたジャックとジャオを助け出し、魔法の粉でアルーンたちを混乱させる。
ジャックに魔法の粉を渡して、アルーンの兵士たちに囲まれると魔術でどこかへ消える。
最後はジャックを元の世界に帰す箱を作り、軍の追われる彼をギリギリで元の世界へ帰した。

ブルータス(演:ザハカ)
アルーンの忠実な部下。アルーンの命令は絶対に聞くが、指示を間違えて殺すクセがある。
ザハカは代表作に『ラスト・ソルジャー』、『ポリス・ストーリー/レジェンド』があります。
指示を間違えて無用な殺しをするせいで、アルーンから殺しの合図を教えられるも理解せず。
捕まりに来たジャックとジャオに飯を持ってくるが、隠し味として小便をしていた。
その時に油断して捕まってしまい、ジャックとジャオの見事な連携によって気絶させられる。
最後はジャックに魔法の粉をかけられ、巨大化してジャオを襲うも結局逃がしてしまう。

アルーン(演:デイヴ・バウティスタ)
蛮族のリーダー。通称「極悪非道のアルーン」と呼ばれ、皇帝を殺して国を崩壊させている。
デイヴ・バウティスタは近年の出演作に『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『2048:ノーウェア・トゥ・ラン』などがあります。
その目的はスーリンと結婚をして、皇帝となって国を自分のモノにしようとしている。
欲しいモノの為ならどんな事でもする男で、スーリンとの結婚で皇帝の座をずっと欲する。
スーリンとの結婚を控えるも、何度も拒絶されて飯をぶっかけられてもガマンする野心の男。
最後は大した訓練を受けていないジャックに翻弄され、ゲームのようにあっさりと倒された。

感想

個人的な評価

本作はリュック・ベッソンの脚本と製作による作品となっています。
総製作費が58億円の大作となっていて、フランスと中国の合作として製作されています。
本作の企画に興味を示したリュック・ベッソンが脚本を務め、自身が率いるヨーロッパコープ社によるプロデュースまでしています。
ハッキリ言って、本作は設定の段階から『ドラゴン・キングダム』を彷彿とさせる内容です。
冴えないオタクなアメリカ人が古代中国に来て、国を救うという展開はそのままでした。
その段階で主人公はイジメっ子に家を失うという悲惨な状況だが、壺から出てきた戦士と姫君によって大きく運命が変わる。
本作は一言で表現するなら「ご都合主義」であり、それが主人公にとって起きています。
あとは「主人公補正」というモノもフル活用していて、あまりにも主人公に肩入れした展開に辟易させられました。
『ドラゴン・キングダム』ではジャッキー・チェンとジェット・リーという夢の競演があったけど、主人公もきちんと努力をしていました。
ちゃんとした修行の描写があって、主人公が徐々に強くなっていく展開はお見事でした。
しかし、本作では主人公は基本中の基本しか習っておらず、気付いたら日常的に殺しをしている蛮族たちを翻弄しています。
あまりにも「ご都合主義」と「主人公補正」が強かったせいで、本作は個人的にあまり好きにはなれないタイプでした。
そもそも、主人公は部屋にこもって格闘ゲームをやるような人間なのに、命のやり取りをする古代中国で通じるとは思えません。
その点では『ドラゴン・キングダム』はきちんと納得させるような構成にしていて、それと比べると本作はあまりにもヒドイ。
ただ、『ドラゴン・キングダム』と肩を並べているのはヒロインの美しさでした。
姫君のスーリンを演じているニー・ニーは東洋美女とも言えるキレイさで、まさに中国美人をそのままにした感じでした。
本作では主人公に肩入れした気持ち悪い展開は鼻につくが、ヒロインの存在により多少はマイルドになっていたと思います。
どうしても『ドラゴン・キングダム』という素晴らしい作品と比べてしまうと、本作は残念ながら出来は今一つでした。