作品紹介
公開年月 | 2018/01/13 |
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ジャンル | アクション/コメディ/ホラー |
原作 | ジョー・ケイシー、クリス・バーンハム 『オフィサー・ダウン』 |
監督 | M・ショーン・クラーン |
脚本 | ジョー・ケイシー |
製作 | スキップ・ウィリアムソン、マーク・ネヴェルダイン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
近未来のロサンゼルス、複雑化し凶悪化する犯罪に対して、地元警察は究極の警察官を誕生させた。
何度刺されても、何回轢かれても、何発撃たれても次の日には何事もなかったように復活して凶悪現場に戻るスーパー・コップのダウン。
ダウンは宿敵フォーチュン500と名乗る凶悪犯罪を牛耳る極悪メンバーとの壮絶な戦いが繰り広げられるのだった。
登場人物&出演者
・テリー・ダウン(演:キム・コーツ)
主人公。スーパー・コップ。腐ったロサンゼルスの市民を救う為に体を張って戦っている。
キム・コーツは代表作に『バイオハザードⅣ/アフターライフ』、『俺たち喧嘩スケーター』シリーズなどがあります。
生前は職務に忠実な警官であったが、任務中ではなく、電気ケーブルに絡まって死んでいる。
超能力によって何度も蘇生されているが、その度になんの疑問も持たずに現場へ復帰する。
フォーチュン500が雇ったフラッシュの罠にハマり、刑務所で拷問を受けるもずっと耐えた。
最後は遠隔蘇生され、マザー・シュプレームの足を千切り、フラッシュの両目を潰した。
・ゲーブル(演:タイラー・ロス)
ロサンゼルス市警の警官。出勤前には鏡の前で銃を構えて「正義の味方」だと自身に説く。
タイラー・ロスは代表作に『The Wise Kids』、『The Lovers』などがあります。
同僚からはあまり好かれていないが、署長から一目を置かれて交通課から異動をする。
署長からダウンの仕事が終わった時の後処理として任命されるが、それだけでは満足せず。
色々と首を突っ込んだおかげでダウンの秘密を知るも、同僚には漏らさない忠実な男。
最後はダウンを遠隔蘇生させるべく署長を説得し、そのダウンから信頼を得る事となった。
・カーター(演:レノ・ウィルソン)
ロサンゼルス市警の警官。ダウンの仕事を援護するが、実際は彼の後処理をする役目。
レノ・ウィルソンは代表作に『アドレナリン』シリーズ、『トランスフォーマー』がある。
新たにチームへ配属される事になったゲーブルに対し、威圧的な態度で見下していた。
ゲーブルが初めての現場に同行するが、正義感を振りかざしていた彼に辟易する。
警官たちが集うバーに来たゲーブルを挑発するが、なぜか次の場面では一緒に酒を飲む。
最後は警官としての職務に迷っていたゲーブルにダウンの資料を渡して励ました。
・フリンチ(演:ブルーノ・ガン)
ロサンゼルス市警の警官。カーターと同じチームに属し、ダウンの仕事の後処理をする。
ブルーノ・ガンは代表作に『バッド・ティーチャー』、『バチカン・テープ』があります。
カーターと同様にチームへ配属される事になったゲーブルに威圧感を出し見下していた。
ゲーブルが初めての現場に同行し、命を懸けたいと語っていたカーターに呆れていた。
警官たちが集うバーに来たゲーブルをカーターとともに挑発するが、次には一緒に酒を飲む。
最後はフラッシュの罠にハマったダウンが戦った現場に行き、血の海で言葉を失っていた。
・ハンゾ(演:トレイシー・ヴィラール)
ロサンゼルス市警の警官。カーターやフリンチと同じチームで紅一点として後処理をする。
トレイシー・ヴィラールは代表作に『クルックリン』、『ジョーズ・アパトーメント』などがあります。
ゲーブルが初めての現場に同行し、しきりに突入したい彼に呆れた表情を浮かべていた。
バーではゲーブルが同じ警官だと主張するが、すぐに否定するも、次には仲良く飲んでいた。
最後はダウンが連れ去られた現場に同行するが、特に目立った行動をせずフェードアウト。
・ベリンジャー署長(演:ローレン・ルナ・ヴェレス)
ロサンゼルス市警の署長。交通課に所属していたゲーブルの心理データを読んで興味を持つ。
ローレン・ルナ・ヴェレスは代表作に『ブロンクス・ストリート』、『トライアル/希望への闘い』などがあります。
ずっとゲーブルを観察していて、彼の持っている警官としての誇りに目をつけていた。
抽象的な説明ばかりしかせず、その真意をくみ取れなかったゲーブルの仕事にダメ出しする。
ダウンに対して唯一意見が述べられる人物であり、彼もその指示に従って任務を遂行する。
最後は罠にハマって連れ去られたダウンを見捨てるが、ゲーブルの説得で彼を助ける。
・ヘッドケース・ハリー(演:コリィ・テイラー)
フォーチュン500の一人。首には「死」と「父」のタトゥーを刻み、テンションは常に高い。
コリィ・テイラーは代表作に『ウルフ・オブ・ウォー/ネイビーシールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』などがあります。
“ヘッドケース”と呼ばれる事を嫌い、単なる“ハリー”と呼ばせるように言い直す。
工場では「スーパー覚醒剤」なる薬物を製造するが、ダウンの介入によって邪魔をされる。
最後は次々と部下を殺され、大人しく逮捕されず、ダウンとともに工場を爆破して死亡。
・禅マスター・フラッシュ(演:ソナ・イヤンベ)
山に籠もって長年修行をしている。フォーチュン500の依頼でダウンを倒すべく雇われた。
ソナ・イヤンベは代表作に『Z108地区/ゾンビ包囲網』などがあります。
ダウンの素性をなぜか知っていて、弟子たちを従えて彼を罠にはめるべく暴れていた。
罠にハマったダウンの動きを止めると、弟子たちが斬撃や打撃を加えてダメージを与えた。
刑務所に連れて行くと、囚人を使って拷問させ、囚われたマザー・シュプレームも加わった。
最後は遠隔蘇生されたダウンと対決するが、念動力の影響で動きを封じられ両目を潰された。
・マザー・シュプレーム(演:メドウ・ウィリアムズ)
“天使の契約”修道院の院長。なぜかいつも声にエコーがかかり、大層な口調でしゃべる。
メドウ・ウィリアムズは代表作に『ブラッディ・ボディ』、『ザ・ブラックナイト』がある。
フォーチュン500とは敵対する組織であり、その裏では様々な重火器を取り扱っている。
購入している品物の割引を持ちかけた使いを出迎えるが、愚かな取引に腹を立てて殺害する。
修道院を襲撃したダウンに武装した修道女を迎撃させるが、まったく歯が立たず逮捕された。
最後はフラッシュに連れられたダウンを踏みつけるが、復活した彼によって足を千切られた。
・ライオン(演:ショーン・クラハン)
フォーチュン500の幹部。なぜかライオン上半身を持つ。幹部の中では短気ですぐキレる。
ショーン・クラハンはスリップノットのリーダーであり、映画では『ローラボール』に出演しています。
ヘッドケース・ハリーの工場がダウンによって潰され、怒りを惜しげもなく爆発させていた。
最後は裏切ったフラッシュの脅しにビビってしまい、結局は彼に見つかってボコボコに。
・タイガー(演:リンゼイ・プルシファー)
フォーチュン500の幹部。ホワイトタイガーの上半身を持つ。幹部の中では紅一点となる。
リンゼイ・プルシファーは代表作に『Jumping for Joy』、『God Bless the Broken Road』などがあります。
ハリーの工場が潰されてブチ切れるライオンに触発され、同じくヒステリックとなった。
最後は裏切ったフラッシュの脅しにビビってしまい、他の幹部同様に始末された。
・バルチャー(演:クリス・フェーン)
フォーチュン500の幹部。ハゲタカの上半身を持つ。幹部の中では頭脳的な役割を担う。
クリス・フェーンはスリップノットのメンバーであり、映画では『ローラボール』に出演しています。
ハリーの工場が潰されると、それをやったダウンの始末をするべくフラッシュを雇った。
最後はフラッシュの裏切りで脅され、ライオンやタイガーと同じく知らぬ間に始末された。
感想
個人的な評価
本作は人気を博している同名のグラフィックノベルを基にした作品となります。
製作には『アンダーワールド』シリーズのスキップ・ウィリアムソン、『アドレナリン』シリーズのマーク・ネヴェルダインが勤めています。
更に本作の注目するべき点は、ヘヴィメタルバンド「スリップノット」のリーダーであるショーン・クラハンにとって監督デビュー作となります。
ミュージシャンが映画監督をする意味では、『マーダー・ライド・ショー』シリーズや『ハロウィン』シリーズで知られるロブ・ゾンビ監督がいます。
ロブ・ゾンビが映画監督として成功しているので、本作のモチーフやショーン・クラハンにも多大な期待をしました。
結果として、せっかくの良い素材を見事に殺している最悪な演出のオンパレードでした。
とにかく、センスのカケラも感じられない演出が連続し、ストーリーはずっとグダグダでダラダラな感じでした。
一瞬本作はアサイラム製作かと思えるほどで、インパクトのあるキャラクターをまったく活かせていなかったのです。
何より期待していた内容と大きく違い、肝心の主人公であるダウンの描写はかなり適当だったのもガッカリでした。
もっとダウンにはカリスマ性があると思ったら、単なる嫌われ者の変人という枠でした。
主人公的なポジションとなる特殊部隊に異動となった新人のゲーブルも、生前のダウンを連想させるも今一つ機能していなかった。
更にところどころでは「?」となってしまう場面があって、ストーリー展開では不自然な状況を平然とやっていました。
例えば、あれだけダウンの遠隔蘇生を拒否していた署長だったが、なぜかゲーブルの「警官」という言葉であっさりと折れてしまう。
まず、署長が拒否している理由は正しいはずなのに、根拠のない精神論を説いたゲーブルに説得される意味が分からなかった。
あとはダウンを蘇生させるシステムに大きな問題があって、彼は「念動力」によって生き返っているという設定。
念動力というのはそんな効果があるモノじゃないので、原作の設定だったらも、自分的にはその時点でナシになってしまう。
本作を鑑賞した後、ロブ・ゾンビはどれだけ映画監督としてちゃんとしているのか分かってしまうほどダメダメな演出でした。
みんなが見たいのは新人の苦悩ではなく、暴れ回るダウンであり、彼を置いてけぼりにした展開は完全に方向性を間違えていました。
ショーン・クラハンは映画監督よりもミュージシャンに専念するべきだと思う作品でした。