作品紹介
公開年月 | 2012/02/23 |
---|---|
ジャンル | アクション |
原作 | なし |
監督 | アラン・デロシェール |
脚本 | アラン・デロシェール |
製作 | ジャン=マリー・コモー、ピエール・エヴァン、ほか |
製作国 | カナダ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
事故が元で引退した伝説のカーレーせーのマックスは、妻アリスのドナー心臓を手に入れるべく、賭けストリート・カーレースで稼ごうとする。
しかし、向かうところ敵なしのマックスに挑む者はいなくなり、妻の治療費が払えなくなる。
そこでマックスは足を洗ったはずの犯罪組織に頼み、妻の心臓を手に入れようとするが、そこへ警察の捜査が介入するのだった。
登場人物&出演者
・マックス(演:ギヨーム・ルメ=ティヴィエルジュ)
主人公。元ストリート・レーサー。建設現場で働く一方、重い心臓病を患う妻を持つ。
ギヨーム・ルメ=ティヴィエルジュは『Les années de rêves』がデビュー作となります。
数日中にアリスの心臓が止まると知って、なんとか心臓を手に入れようと賭けレースをする。
今度は心臓を手に入れようと弁護士の元を訪れ、アリスと同じ血液型の男をさらっていく。
過去の女であるモルガーヌを巻き込んでギャングや警察から逃げるという最低の行動に。
最後は警察の包囲網を破るも、モルガーヌを死なせて、彼女の心臓がアリスに移植された。
・モルガーヌ(演:ルーシー・ローリア)
弁護士のナイトクラブのストリッパーだった。現在は雑誌を飾る女性レーサーとして暮らす。
ルーシー・ローリアは代表作に『売春捜査官』、『大いなる休暇』などがあります。
9年間もマックスとは音信不通だったが、心臓を手に入れた彼の騒動に巻き込まれる事に。
マックスに対して憎しみを持つ一方で、彼の持ち物をずっと所持していて想いは残っている。
過去に弁護士と関係を持ったせいでマックスが自暴自棄になって危うく事故で死にかける。
最後は警察の包囲網から逃げるも池に突っ込み、窒息死して心臓はアリスに移植される。
・アリス(演:ミリアム・タラール)
マックスの妻。重い心臓病を患い、ドナーを見つけなければ数日のうちに死んでしまう。
ミリアム・タラールは本作が長編映画デビュー作となります。
マックスが大事故を起こして治療していた時、出産で入院していたところで出会っている。
その後、退院してマックスと一緒になるが、心臓病のせいで普通にできない事に悩む。
余命が数日しかない状態でマックスを駆り立てて、心臓移植を受けて生き延びる事になる。
・テオ(演:アレクサンドル・ゴイエット)
マックスとアリスの息子。建設現場で働いている時、責任者に黙って入り込んでいる。
アレクサンドル・ゴイエットは代表作に『7 DAYS/リベンジ』、『Mommy/マミー』がある。
実はマックスとは血の繋がりはないが、本当の息子と父親のような絆を結んでいる。
最後はマックスが様々な人を巻き込んで手に入れた心臓により、アリスは生き延びる事に。
・メグ(演:(演:レイモンド・バウチャード)
マックスの父親。整備士で工場を経営している。マックスにレース用の車を与える。
レイモンド・バウチャードは代表作に『La grande séduction』、『Le banquet』がある。
本当はジュリアンという名前だが、マックスの方が慣れている為にそう呼んでいる。
心臓を手に入れようとするマックスの為に、テオの面倒を引き受ける心の広い父親でした。
・臓器移植コーディネーター(演:レアル・ボッセ)
臓器移植局の担当者。アリスの事もあって、マックスとは知り合いで情報を提供している。
レアル・ボッセは代表作に『Post Mortem』、『La grande séduction』などがあります。
妻を救いたいマックスに心臓を調達すれば、書類を作れるという取引を持ちかける。
マックスが手に入れた心臓を受け取ろうとするが、直前に警察の介入があって結局失敗した。
・ニジャエ(演:マーティン=デヴィッド・ピーターズ)
動物病院を経営している獣医。弁護士の専属医師。金さえ払えば、なんでも引き受ける。
マーティン=デヴィッド・ピーターズは代表作に『J’en suis!』、『En plein coeur』がある。何事にも驚かず、冷静に受け止める性格で、マックスがやって来ても依頼をこなした。
・弁護士(演:マーティン・マット)
プライベートなナイトクラブを経営する。薬物や女はもちろん、心臓も手に入れられる。
マーティン・マットは本作が長編映画デビュー作となります。
過去に店のストリッパーだったモルガーヌとマックスの関係をよく思わず制裁を加えた。
またしても心臓の取引に来たマックスを迎えるが、まさかの裏切りでまたも恥を掻かされる。
なんとかマックスを追いつめようとするが、結局は簡単に逃げられてしまう事になる。
感想
個人的な評価
本作はタイトルから『ワイルド・スピード』のようなカーレースが中心の物語だと最初は予測していました。
しかし、実際に鑑賞してみると、カーレースは単なるオマケで物語は主人公が妻を助ける為に暴走をするという内容でした。
個人的には『ワイルド・スピード』シリーズは好きじゃないので、そのような雰囲気のある本作に期待はしていなかったです。
タイトルの『ニトロ』はカーレースに必要不可欠な燃料で、これをエンジンに注入すれば一時的にスピードアップする。
『ワイルド・スピード』でも頻繁に使用されているが、残念ながら本作では最初にやったレースだけでした。
その後は主人公が暴走するだけでギャングや警察を巻き込み、更に昔の女まで巻き込むという最低のクズだと分かります。
確かに妻を救うには手段を選ばないのは分かるけど、罪もない警官を殺し、裏切られたとは言え、助けてくれた昔の女まで巻き込むという。
あまりにも身勝手すぎる行動に同情の余地はなく、コイツのやっている事に正当性がまったく見当たりませんでした。
何より、主人公が心臓を手に入れるべく悪党なら殺してもいいというワケの分からない理論で行動をしていきます。
まず、大事な妻に犯罪者の心臓を移植して生き長らえて欲しい考え方が明らかにおかしい。
犯罪者は死んでも構わないのは百歩譲って理解できても、その心臓を愛する大事な妻に移植する考えが普通じゃないです。
本作は単純に死闘を繰り広げるカーレースだと思えば、実は頭のおかしい主人公がみんなを巻き込んでワガママを貫き通す作品でした。
しかも、いくら過去に裏切られたと言っても、9年ぶりに再会した女が献身的に助けてくれるのに巻き込んだ上に死なせる最悪のクズだと感じました。
こんなクズに助けられたアリスという女性は果たして、生き延びて満足するのでしょうか。
アリスにはちゃんとした常識が備わっているので、マックスのやった事を認めるとは思えないし、この先も普通には生きていけないと思う。
本作はある意味、主人公以外の登場人物が負った傷をどうやって克服していくのか、考えさせる内容だと言えます。
こんな男に惚れられた女たちは不幸としか言えないほど、主人公はギャングよりも最低のクズだと感じました。