バトル・オブ・ガーディアン/暗黒部隊 vs 謎の少女 RE-2598

作品紹介

公開年月  2017/09/02
ジャンル  SF/アクション
原作  なし
監督  コリンダ・ボンガース、タイス・ムーウェーゼ
脚本  タイス・メーヴェセ
製作  コリンダ・ボンガース、タイス・メーヴェセ、ほか
製作国  オランダ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

文化が衰退し荒廃した世界、通称“サプリカント”と呼ばれる狂暴化し人間を食らうモノたちが蔓延っていた。
一人で生きるモリーはサプリカントに襲われ傷を負い、安静にできる場所を探すと海辺のテントにいた幼い子供のベイリーと出会う。
ベイリーは“サンダーランド”と呼ばれる海の中の要塞に住む人々に助けを求めに行った両親の帰りを待ち続けていた。
だが、そのサンダーランドではサプリカントを人工的に作り出し、殺し合いをさせる危険な場所であった。

登場人物&出演者

モリー(演:ユリア・バテラーン)
主人公。荒野で一人生きている。メガネをかけ、ワシを飼っていて見張り役をしてもらう。
ユリア・バテラーンは代表作に『Magistratus:Overtura』などがあります。
とある研究によって衝撃波や叫びによる強力な音波を出せる超能力を身につけている。
ディーコンによる追跡に何度もピンチになるが、高い戦闘能力と超能力で切り抜けている。
大ケガを負ってベイリーの元で治療するも、ウィールによって居場所がバレて逃げる。
捕まったベイリーを助けるべくサンダーランドで暴れて、見事に壊滅させて脱出した。

ベイリー(演:エマ・デ・パーウ)
荒野で両親の帰りを待つ少女。ケガを負ったモリーに針と糸、それと食料を分けた。
エマ・デ・パーウは本作が長編映画デビュー作となっています。
当初は両親が帰る前に出て行くように言うが、モリーの優しさに触れて留まるように頼む。
ウィールによって居場所がバレてしまい、モリーとともに外へと逃げ出した。
しかし、追ってきたキミーたちによって捕まり、モリーを誘い出す口実になってしまう。
最後はサンダーランドに乗り込んだモリーが暴れ、最終的に彼女とともに脱出した。

アール(演:アーノスト・クラウス)
サンダーランドに所有のサプリカントをチャンピオンに挑ませ勝利を収めた。
アーノスト・クラウスは代表作に『Erik of het klein insectenboek』などがあります。
しかし、絶対王者のサプリカントを破った事でメンツを潰されたディーコンに監禁される。
モリーが侵入した混乱に乗じてアジトを破壊しようとしたが、気づいたら死んでいた。

ウィール(演:アンドレ・ドンメールマン)
ディーコンの手下の男性。仲間の死体を見つけ、モリーの足取りを追って捕獲を企む。
アンドレ・ドンメールマンは代表作に『Goulash』、『Of ik gek ben』などがあります。
モリーの戦闘能力が高く、仲間は全員殺されてしまい、アジトになんとか帰った。
しかし、モリーから命からがら逃げ延びるが、ディーコンによりサプリカントにされる。
モリーの侵入でサプリカントが暴れ回る中、ディーコンを襲うもナイフで殺された。

マーガレット(演:タマラ・ブリンクマン)
ディーコンの手下の女性。サプリカントの戦いでは掛け金を集める係をしている。
タマラ・ブリンクマンは代表作に『Magistratus: Overtura』などがあります。
ディーコンが超能力を持つモリーをアジトに誘う作戦について危険性を説いていた。
モリーの侵入で混乱する中、隠れているところを見つかってベイリーの居場所を教える。
ベイリーの居場所を教えたので見逃すよう頼むが、モリーになぜか殺されてしまう。

オーガー(演:アリ・スルタン)
ディーコンの手下の男性。片腕として常に傍にいる。片方しかないメガネをかける。
アリ・スルタンは代表作に『Vlees』、『De Boskampi’s』などがあります。
圧倒的な権力を振り回すディーコンの前では忠実な犬として一切の反論はしない。
モリーがサンダーランドに乗り込み、混乱しているところでディーコンを見捨てる。
しかし、その直後に放たれたサプリカントに吹き飛ばされて食い殺されてしまう。

キミー(演:アネリース・アッペルホフ)
ディーコンの手下の女性。右腕に強化スーツを装着する。武闘派で子供が嫌い。
アネリース・アッペルホフは代表作に『Finn』、『Breekbaar』などがあります。
戦闘能力に長けていて、右腕のパワードスーツには刃物などが仕込まれている。
右腕の強化スーツでの戦闘は強いが、素手でもモリーと互角に渡り合えるほどの腕前。
ディーコンにモリーの始末を懇願するが、金になると考える彼に撃ち殺される。

ディーコン(演:ヨースト・ボルト)
サンダーランドを取り仕切るボス。サプリカント同士を戦わせて大儲けをしている。
ヨースト・ボルトは代表作に『De Punt』、『Magistratus: Overtura』などがあります。
ベイリーの父親と母親が薬を懇願するも、当然のように彼らをサプリカントにする。
絶対王者のサプリカントが連勝するが、中年男性のサプリカントに負けると持ち主を監禁。
モリーをずっと追っていたが、ベイリーを捕まえた事で彼女をサンダーランドに誘った。
その結果、モリーが暴れてサンダーランドが崩壊し、一対一の対決でも敗れてしまう。

感想

個人的な評価

本作は原題が『Molly』で邦題がムダに長ったらしくVSシリーズを彷彿とさせます。
しかしながら、中身は放題とまったく違うのは当然と言えるような展開です。
謎の少女というのは間違っていないが、暗黒部隊というほどの規模ではありません。
さすがに単純すぎる原題では中身が分からないけど、邦題も大概としか言えないですが。
製作はオランダで監督は共同で作っているが、低予算映画の割には頑張っています。
ただし、この「頑張っている」という表現は基準が低い事が前提となります。
主人公であるモリーを演じるユリア・バテラーンは残念ながら微妙でした。
終末世界の中でたった一人で生きているが、明らかに生き残れるような感じじゃない。
奥の手である超能力を持っているけど、それは万能じゃないし気楽に使えません。
従ってモリーは基本的に弓矢で先制攻撃し、ムダに大きなナイフで接近戦を挑みます。
この設定はなんだか『バイオハザードⅢ』を思い出すが、ミラ・ジョヴォヴィッチのアクションと比べて圧倒的に劣っています。
ミラ・ジョヴォヴィッチは説得力のある体作りとアクションのキレがあるけど、ユリア・バテラーンはそれがまったくない。
明らかに大きな武器に振り回されているのに、なぜか男たちが次々と倒れていきます。
ここで違和感がもの凄いけど、これは日本のアニメやライトノベルでは当たり前の光景です。
屈強な肉体を持つ巨漢の男を華奢な少女が倒すというパターンをそのままやっています。
しかし、そんな物理法則を無視したアクションは個人的に嫌いであり、説得力皆無だからずっと引っかかりました。
クライマックスでは悪役のアジトに乗り込むが、強いのか弱いのか分からない主人公が全滅させます。
華奢だし、メガネないと見えないし、脇腹にケガを負っているのに何十人も殺されていく。
もはや、日本のアニメやライトノベルを見ているようで気持ちがドンドン萎えていきました。
チートな超能力も都合良く発動するなど、なんだか監督たちは日本のアニメとライトノベルに憧れているようにしか見えなかった。
『バイオハザードⅢ』のアリスを演じたミラ・ジョヴォヴィッチの凄さを逆に再認識した。