作品紹介
公開年月 | 2017/01/07 |
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ジャンル | アドベンチャー/ファンタジー/アクション |
原作 | テンカパシン 『鬼吹灯』 |
監督 | ウー・アールシャン |
脚本 | チャン・チアルー |
製作 | チェン・クォフー |
製作国 | 中国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
伝説の盗掘師フー・バーイーとカイシェンは、20年前に愛する女性ディンを亡くした悲しみを経て、深い友情を築いてきた。
ある日、カイシェンは古墓発掘プロジェクトで地下宮殿を調査中、墓に仕掛けられたトラップで魔物と化した発掘隊員に襲われてしまう。
カイシェンの危機を救うべく駆けつけたフー・バーイーと、発掘パートナーであるシャーリーは脱出ルートを模索するが、洞窟崩落の危機が迫るのだった。
登場人物&出演者
・フー・バーイー(演:チェン・クン)
主人公。中国では探金官だったが廃業し、アメリカで一旗揚げようとするが上手くいかず。
チェン・クンは代表作に『ドラゴンゲート/空飛ぶ剣と幻の秘宝』、『魔界戦記/雪の精と闇のクリスタル』などがあります。
風水の知識を豊富に持っていて、普段の生活もそれに基づいて行動を決めている。
20年前にディンを失った事で探金官を廃業し、二度と盗掘をしないと決めていた。
勝手に彼岸花を探しに行ったワンを連れ戻す為にシャーリーとともに中国へ行って合流する。
最後は彼岸花の幻想を打ち破り、墓から見事に脱出してシャーリーにプロポーズした。
・ワン・カイシェン(演:ホァン・ボー)
フーの相棒。探金官としての誇りを持つが、アメリカで上手くいかない事に不満を持つ。
ホァン・ボーは代表作に『レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳』、『西遊記/はじまりのはじまり』などがあります。
探金官を廃業したフーに呆れている一方、彼と違ってアメリカでも財宝を売っている。
20年前に自分たちを救う為に犠牲となったディンに縛られ、それが運命だと信じている。
それを否定しているフーに失望して勝手に彼岸花を取りに行くが、結局は合流する。
最後は彼岸花をフーから奪うが、彼の説得でようやく20年間の縛りから解放された。
・シャーリー・ヤン(演:スー・チー)
ヒロイン。アメリカに移り住んだフーとワンの面倒を見ている。探金官の知識を持つ。
スー・チーは近年の出演作に『西遊記2/妖怪の逆襲』、『親友の結婚式』などがあります。
ホームレスのような生活をするフーに振り回されるが、それでも彼に付いて行く。
過去に縛られるワンと語ろうとしないフーに疎外感を持つが、アメリカでは成功している。
彼岸花の盗掘ではフーとともにワンを連れ戻そうとするも巻き込まれて結局は協力する。
最後は脱出する際にフーが身を挺した事から悲しむが、最終的にプロポーズされる。
・金歯(演:シア・ユイ)
フーとワンのエージェント。交渉役として依頼者と話をつける。金目の物に目がない。
シア・ユイは代表作に『太陽の少年』、『ドラゴン・スクワッド』などがあります。
マシンガントークの営業が得意で、そのせいでイン会長の苛立たせて足を撃たれてしまう。
しかし、実は盗んでいた財宝が銃弾を防いでいて無傷でケガ人を装っていたという。
彼岸花で死者が蘇った状況でパニックになって、フーたちを死人だと勘違いする。
最後は墓から生還しても正気に戻らず、お宝を見てようやくパニック状態から脱した。
・ディン(演:アンジェラベイビー)
20年前にフーとワンの仲間だった女性。歌やダンスが得意でみんな中心的存在だった。
アンジェラベイビーは代表作に『ライズ・オブ・シードラゴン/謎の鉄の爪』、『封神伝奇/バトル・オブ・ゴッド』などがあります。
古い習わしを破る為に伝説の女神の墓を掘り起こそうとするが爆発で帰らぬ人になる。
・マーク(演:ジョナサン・コス=リード)
環球鉱業の法務担当。有名な探金官であるフーたちに盗掘の依頼を洋子とともにする。
ジョナサン・コス=リードは代表作に『イップ・マン/継承』、『おじいちゃんはデブゴン』などがあります。
盗掘では法務担当らしくスーツを着ていて、冷静であるが墓の仕掛けで驚いてしまう。
ワンの警告を無視して毒性の灰を浴びてゾンビ化するが、フーたちにより倒される。
・洋子(演:チェリー・ナガン)
会長秘書。派手な色の髪の毛をしている。怪しい雰囲気をまとっていて会長の片腕。
チェリー・ナガンは代表作に『狼たちのノクターン』、『ミッドナイト・アフター』などがあります。
発掘が上手くいかない事に苛立ちを覚えた会長の代わりに金歯の歯を抜こうとする。
格闘技が得意で会長の命令ならば、使えなくなった部下を容赦なく殺す武闘派でもある。
裏切ったフーたちを追って攻撃を仕掛けるが、実力で負けて危うく返り討ちに遭う。
彼岸花によって蘇った死者を相手にするが、気を取られている間に刺されて死ぬ。
・イン・ツァイホン(演:リウ・シャオチン)
環球鉱業の会長。左右の目が違うオッドアイ。香港に環球修霊会を設立して尊師となる。
リウ・シャオチンは代表作に『戦場の花』、『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』があります。
出生は四川省の農村で霊も見えたせいで疎まれ、その後は日本の富豪で養女となった。
過去をシャーリーに暴かれても動じないが、進まない状況に苛立って口悪く本性を現す。
実は脳に悪性の腫瘍があって余命幾ばくもない状態で彼岸花で生き返ろうとしていた。
最後はフーによって壊された彼岸花を取ろうとして深い地下へと落ちて絶命してしまう。
感想
個人的な評価
本作は中国の人気ウェブ小説である『鬼吹灯』を基にして実写映画化しています。
主人公であるフー・バーイーは伝説の盗掘師であるが、以前にも聞いた事のある名前でした。
それで思い出したら、同じように実写映画化した『ドラゴン・クロニクル/妖魔塔の伝説』がありました。
こちらの方はよりファンタジー色が強くなっていて、いわゆる“お金アルよ、チャイニーズ・ファンタジー”となっていました。
内容としては非常に微妙で映像は豊富な資金力で派手になっているが、肝心のストーリーは退屈で仕方なかったです。
そのおかげで本作に対しても似たようなイメージを持ってしまい、スタート時点からハードルはかなり下げました。
本作は『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』、『ハムナプトラ』シリーズなどを中国風にアレンジしたような内容という印象でした。
ただし、上記の作品と比べて内容はかなりダラダラしていて、回想が途中で入ってくるのでテンポはあまりよくありません。
そもそも、土台となっている彼岸花についての設定も大雑把すぎて説得力に欠けていました。
純粋に作品の面白さでは上述の作品に格落ちしていて、ドキドキとハラハラがまったく伝わってこないです。
演出が下手すぎて盛り上げるべきポイントが単なる流れになっていて、これは監督の魅せ方が上手くないと感じました。
何より上述の作品の劣化版にしか見えず、中国らしく八卦を使っているけど、意味が分からない上に説明的すぎてテンポを悪くしている。
こういう作品はテンポこそが命だと思うので、それを悪くしてしまう構成は命取りでした。
キャラクターとしても主人公のフー・バーイーの信念が伝わらず、単純にイケメンだからモテているだけで中身はスカスカ。
その相棒となるワン・カイシェンは一途で思った事を口にする主人公みたいな感じだが、見た目が三枚目だから説得力がない。
ヒロインとなるシャーリー・ヤンは強い女性として悪くないが、フーとワンが心に留めるディンのせいで存在感が薄くなっている。
それとコミカル担当であるエージェントの金歯は、不快になるほどのマシンガントークで逆効果を生んでしまっている。
このように本作はストーリー構成、キャラクターともに微妙であり、映像だけがそれなりという感じになっています。
やはり、金をかけた中国の映画は見映えばかりで中身がない作品が多く、本作はまさにその典型と言えるタイプでした。