リディバイダー RE-3213

作品紹介

公開年月  2017/06/01
ジャンル  SF/アクション
原作  なし
監督  ティム・スミット
脚本  チャーリー・キンディンガー、オミッド・ノーシン
製作  デニス・ウィグマン、サンデル・フェルドンク、ほか
製作国  アメリカ、オランダ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

近未来の地球はエネルギー枯渇の危機に直面し、人類はもう一つの地球をコピーしてエネルギーを得ようとしていた。
しかし、二つの世界を繋ぐ巨大タワーの暴走で各地に異常現象が発生し、地球は崩壊の危機を迎えてしまう。
事態収束の為にエネルギー会社勤務の元NASA宇宙飛行士ウィルをもう一つの地球「エコー世界」に送るが、そこでは戦争が起きた跡のような荒廃した世界が広がっていたのだった。

登場人物&出演者

ウィル・ポーター(演:ダン・スティーヴンス)
主人公。元NASAの宇宙飛行士。物理学者でもある。アルタプレックス電力に勤務する。
ダン・スティーヴンスは代表作に『誘拐の掟』、『美女と野獣/2017年版』などがあります。
妹と甥の父親代わりをしていて、当初はアルタプレックス電力のスカウトを断っていた。
複製世界を破壊する為に呼び出されるが、状況を掴む事ができず、マイケルの協力を得る。
アビゲイルと会って社長の元に連行されるが、複製世界の破壊を選択して塔に向かった。
最後は装置を作動させるが、追ってきたアビゲイルに撃たれて、世界の崩壊前に死亡した。

アビゲイル・ヴォス(演:ベレニス・マーロウ)
アルタプレックス電力の運用部長。ウィルの経歴に興味を示して彼をスカウトした人物。
ベレニス・マーロウは代表作に『007/スカイフォール』、『リヴォルト』などがあります。
ウィルが経済的な問題に直面している事も知っていて、それを利用して彼を引き入れる事に。
複製世界に来たウィルと連絡を取ると、箱が破壊されたと知らせて彼を迎えに行った。
ドローンの襲撃に巻き込まれてウィルと一緒に逃げるが、結局は社長の元に彼を連行した。
最後は複製世界を破壊するウィルを銃撃するが、装置を作動させられて絶望のうちに死んだ。

マイケル(演:テイゴ・ヘルナント)
アルタプレックス電力の私設部隊の兵士。現実世界では新入りだったウィルに挨拶していた。
テイゴ・ヘルナントは代表作に『フォース・ダウン/敵地脱出』、『ドゥーニャとデイジー』などがあります。
複製世界ではヒューゴたちの組織に入り、アルタプレックス電力を襲撃して箱を破壊した。
何も知らないウィルが現実世界から来たと知り、崩壊する複製世界が救えると思い協力する。
ヒューゴを説得して負傷したウィルを治療させるが、ドローンの襲撃で結局は逃げる事に。
最後は複製世界を破壊する箱を設置する塔に来て、ドローンの襲撃でウィルを助けて死んだ。

ミア(演:チャリティー・ウェイクフィールド)
ウィルの妹。夫はおらず息子のマイケルといるが、生活面で兄のウィルに頼っている状態。
チャリティー・ウェイクフィールドは代表作に『分別と多感』、『スパイ・オブ・ギャラクシー』などがあります。
ウィルのおかげで住む家を手に入れるが、アルタプレックス電力に兄が協力する原因になる。
最後はウィルの優しさに感謝しつつ、そのせいで彼を不自由にしている事を悔いていた。

クリンセン博士(演:マイク・レウス)
物質複製理論を発表した人物。アルタプレックス電力で理論を使って実現させる事になる。
マイク・レウスは代表作に『闇を生きる男』、『Schneider vs Bax』などがあります。
無愛想でウィルとの初対面でも理論を褒める彼に感謝せず、事務的な対応しかしていない。
最後は複製世界にジャンプしたウィルが死体を見つけ、そのまま退場をしてしまう。

ヒューゴ・ロメイン(演:マイク・リバノン)
複製世界での指名手配犯。複製世界にあるアルタプレックス電力を襲撃した張本人。
マイク・リバノンは代表作に『Flodder』、『Bella Donna’s』などがあります。
環境問題があるとして長らくアルタプレックス電力を訴え、ついにテロリストとなった。
状況が分からないウィルを見つけると、仲間に捕まえるように指示をしていた。
負傷したウィルを連れて来たマイケルの説得を聞いて、情報の為に治療を許可した。
最後は黒い箱が世界を破壊すると分かり、ウィルを問い詰めるもドローンの襲撃で死んだ。

感想

個人的な評価

本作はYouTubeで驚異的な再生数を記録したショートムービー『What’s in the Box?』を長編映画化した作品です。
現実世界を客観視点、エコー世界を主観視点にした異なる表現方法を使った作品となります。
この違いで二つの世界を表現していて、特にエコー世界では文字が反転している点以外は現実世界と違いはない。
主人公の視点でエコー世界を見せているので、状況が分からない立場として一緒に探索する意味合いも出ています。
一方で現実世界は回想という形で演出させているので、そこら辺は少しばかりテンポを悪くしてしまっている。
ただ、冷静に考えると四つの視点が入り乱れており、現実世界と過去、エコー世界と現在とややこしくなっている。
しかも、主観視点での弊害として人によっては画面酔いするし、臨場感があったとしてもゲームにしか感じられず緊張感が今一つでした。
多分、エコー世界を一人称視点にしたのは色々とごまかす為で、限られた画面ならば、客観視点よりも安上がりにできたという理由が大きいかもしれない。
そもそもの出発点が複製した宇宙というぶっ飛んだ設定だという事を考えると、主人公たちがやっている事はあまりにも小さすぎる。
内容としては現実世界とエコー世界のバランスが保てなくなり、主人公が黒い箱を使って一方の世界を破壊し、もう一方を助けるという感じです。
視点が四つあるせいでワケが分からなくなりそうになるが、一応、主観と客観で違いが分かるけど、それでもややこしいのは言うまでもない。
結局、エコー世界が主人公によって破壊されるが、一緒に消えてしまう為に肝心の現実世界がどうなったのか描写は省かれている。
やはり、SF映画ではちゃんとした予算がないと成立しないし、作ったとしても製作側はまずごまかす事から考えるしかありません。
その為に実際の構想と大きく離れてしまい、それでもやりたい事の痕跡が残るせいでチグハグな内容になってしまいます。
本作はまさしくそれを体現した作品になっていて、やりたい事と実際にできる事を埋め合わせる演出が結果的に足を引っ張る形になってしまった。