作品紹介
公開年月 | 2009/06/27 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | なし |
監督 | 安里麻里 |
脚本 | 安里麻里 |
製作 | 加藤和夫、一瀬隆重、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
看護師の裕子は芙李絵という少女の担当を任されてから奇妙な体験をするようになる。
検査の結果、芙李絵の体内に嚢腫が発見され、生まれてくる事ができなかった者の怨みが少女を蝕み、やがて周囲の人間を呪っていく。
裕子の隣人は黒い少女に捉えられ、芙李絵の父は殺人を犯し狂っていく中、芙李絵の母・李和子は霊力を持つ妹の真理子の力にすがるのだった。
登場人物&出演者
・徹也(演:瀬戸康史)
一人暮らしのフリーター。隣に住んでいる裕子とは顔馴染みで以前から彼女に声をかける。
瀬戸康史は代表作に『となりの801ちゃん』、『ミックス。』などがあります。
一家惨殺事件があってから様子が変わり、すれ違い様に挨拶をしても無視されてしまう。
裕子の部屋からうめき声を耳にして彼氏がいるとふて腐れるが、壁を強く叩く音に驚く。
翌日、バイトに向かうが、裕子が帰ってきてドアが開いて中に入ると黒い手に掴まれる事に。
黒い手によって裕子の家に引き込まれ、壁に頭部を叩きつけられてそのまま死亡した。
・裕子(演:加護亜依)
看護師。嚢腫を患う芙李絵の担当をしていた。住んでいるアパートの隣に徹也がいる。
加護亜依は代表作に『カンフーシェフ』、『肉食系女子。』などがあります。
芙李絵とは特に仲が良く、病室を訪れる度にイタズラを仕掛けられて驚かせる事があった。
しかし、異様なうめき声を耳にした日以降、精神的に不安定となって夜はうなされる。
毎日のように魂が抜けた状態で家に帰り、バイトに行こうとした徹也とすれ違っても無視。
ある日、家に帰ってドアが勝手に開いて徹也が心配して入るが、黒い手による彼は殺される。
・藤井綾乃(演:中園友乃)
会社帰りにタクシーを拾って社長に送ってもらっていた。エロ目線の横田社長を嫌がる。
中園友乃は本作が長編映画デビュー作となっています。
なんとか横田社長の手から逃れて一人帰っていると、突然うめき声とともに黒い手に捕まる。
横田社長が部屋を訪れるが、すでに囚われていて彼を襲うが次の日には絞殺されて死亡。
・真理子(演:中村ゆり)
季和子の妹。霊能力者。芙季絵が何か取り憑かれているとして姉に除霊を頼まれる。
中村ゆりは代表作に『天国からのラブレター』、『破門/ふたりのヤクビョーガミ』がある。
軽い気持ちで病院を訪れるが、裕子を見て状況の重さを察知してその日は退散してしまう。
三日後、体を清めて家中にお札を貼って万全の体制にして、病院へ芙季絵の除霊を敢行した。
芙季絵に取り憑いた呪われた双子の姉妹を一時的に取り去り、姉に供養をアドバイスした。
最後は芙季絵の方を除霊してしまい、黒い少女によって家族全員が殺されてしまう事に。
・横田李和子(演:高樹マリア)
学校で貧血によって倒れた芙李絵を迎えに行った。家に帰ると夫がいる事に表情を曇らせる。
高樹マリアは代表作に『マーメイド/海から来た少女』、『死んだ目をした少年』がある。
夫とは不仲となっていて表情がずっと不機嫌で、芙李絵との会話を否定していた。
奇声を上げて倒れた芙李絵を翌日に病院へ連れて行き、なんとか治療してもらおうとした。
医者でもお手上げ状態になってしまい、最終的な手段として霊能力者の妹に除霊を頼む。
しかし、芙季絵はすでにいないと悟ると、病院の屋上から一緒に飛び降りて後始末をした。
・横田弘(演:勝村政信)
季和子の夫で芙季絵の父親。会社の社長。季和子とは不仲であまり家に帰っていない。
勝村政信は代表作に『ボクが病気になった理由』、『無限の住人』などがあります。
部下の綾乃と関係を迫るもやんわり断られるが、それでも諦めず彼女の部屋を訪れていた。
綾乃はすでに黒い手に憑依され、襲われそうになって反撃をしてそのまま意識を失う。
翌日、自分のベルトで彼女の絞殺していて、死体を隠そうと山中に埋めようとする。
しかし、次の瞬間に穴の土がなくなり、綾乃の死体を確認したらうめき声により行方不明に。
・横田芙季絵(演:松本花奈)
季和子の娘で小学生。下校していた男子小学生に発作を起こして倒れたのを目撃される。
松本花奈は代表作に『真っ赤なポピー』、『過ぎて行け、延滞10代』などがあります。
母親の季和子に連れられ病院で診察を受け、強いストレスによる精神的な問題と判断される。
精神科医によって胎児まで精神を退化させるが、生まれて来なかった姉妹を刺激する事に。
季和子の妹が除霊を敢行して呪われた霊を浄化するが、騙された芙季絵の方がいなくなる。
最後は意識のない状態で李和子がすべてを悟り、病院の屋上から突き落とされて死亡。
感想
個人的な評価
本作は清水崇の『呪怨』シリーズの番外編で『呪怨/白い老女』と同時上映されました。
当然のように『呪怨/白い老女』と同じく、ストーリー構成がリンクしています。
本作は第一作であるビデオ版『呪怨』から10周年となって製作された作品となります。
加えて、本作は『呪怨/白い老女』に登場したタクシードライバーの柏木が登場しています。
どうやら時系列的には『呪怨/白い老女』の前日譚で、それを窺わせる登場人物たちが出ているような感じです。
本作も『呪怨/白い老女』と同じく、時系列を変えている感じだが、こちらよりは順当に進んでいるような印象でした。
白い老女のメイクがコントっぽくてギャグになってしまったが、本作の「黒い少女」は出番が少なかったおかげでギャグにはならなかった。
『呪怨/白い老女』の方は構成がしっかりしていた分、本作は劣っているけど、ギャグみたいな要素がなかったのでトントンと言える。
本作ではみんなが黒い少女に振り回されるだけで、特筆して目立ったようなキャラクターがいなかったのはちょっと痛い。
だからと言って、その黒い少女が強烈な存在感をアピールしていないので、全体的になんだかインパクトに欠ける感じでした。
あと、必然性のないキャラクターが何人かいて、彼らをもっと上手く組み込めなかったのかと思わせる雑さもありました。
本シリーズではギャグのようなキャラクター映画になっているが、本作と『呪怨/白い老女』は原点回帰しようとする製作側の意図が伝わりました。
でも、伽椰子が登場した方が何かと盛り上がるだろうと思わせる物足りなさを感じました。