作品紹介
公開年月 | 2016/08/26 |
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ジャンル | ホラー/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | ビリー・オブライエン |
脚本 | ビリー・オブライエン、クリストファー・ハイド |
製作 | ニック・ライアン、ジェームズ・ハリス |
製作国 | アイルランド、イギリス |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
ジョンは葬儀店を営む家庭に育った影響で死体や殺人に異常な感心を持ち、医師からソシオパス(社会病質者)と診断される。
ある日、町で連続殺人事件が発生し、自宅の葬儀店に運び込まれる死体から内臓の一部が消えていたとジョンは知る。
猟奇殺人鬼が近くに潜んでいると直感したジョンは、自ら調査に乗り出し、偶然にも殺人現場を目撃してしまうのだった。
登場人物&出演者
・ジョン・ウェイン・クリーヴァー(演:マックス・レコーズ)
主人公。葬儀店の息子。ソシオパスと診断され、自分に厳しいルールを課して制御する。
マックス・レコーズは代表作に『ブラザーズ・ブルーム』、『ピンチ・シッター』がある。
それでも募る殺人や死体への興味があって、学校では葬儀店の息子として変人扱いされる。
連続殺人事件の調査をしていると、その犯人が隣人のクローリーだと分かって接触する。
クローリーの殺人を止めようと妻を誤ってケガさせてしまい、後悔の念を募らせる。
最後は母親を狙われるが咄嗟の判断でクローリーの血を抜いて、悪魔を倒す事に成功した。
・クローリー(演:クリストファー・ロイド)
ジョンの隣人。ジョンが何かと手伝う友人のような関係。気さくで人当たりが非常の良い。
クリストファー・ロイドは近年の出演作に『ジーサンズ/初めての強盗』、『ピラニア/リターンズ』などがあります。
連続殺人事件が発生してハロウィンの夜では、訪れたジョンたちに気をつけるよう話した。
ホームレスと一緒に釣りへ行くと、殺される寸前に先手を打って殺し、内臓を抜き取る。
実はその正体は黒い液体のような悪魔であり、人を殺して朽ちていく体を治そうと考える。
最後はジョンに死体を隠され、反撃を受けると、正体を現して妻を託して自害を選んだ。
・エイプリル・クリーヴァー(演:ローラ・フレイザー)
ジョンの母親。葬儀店を営んでいる。廃業寸前まで閑古鳥が鳴く状態になっていた。
ローラ・フレイザーは代表作に『ROCK YOU!』、『バニラ・スカイ』などがあります。
町で連続殺人事件が発生すると、急に忙しくなるも決して喜ばしい事じゃないと話した。
ジョンがネブリン医師からソシオパスだと診断され、息子の将来について心配をする。
独自に調査していたジョンの口数が減り心配していたが、とことん拒絶されていた。
最後はクローリーに捕まってしまうが、ジョンの的確な判断で助け出される事になった。
・ブルック(演:ルーシー・ロートン)
ジョンの向かい側にある家に住む同級生。変人扱いを受けるジョンを普通だと言い切る。
ルーシー・ロートンは本作が長編映画デビュー作となります。
ジョンがクローリーの手伝いをしていると、着替えているところを見られるも笑顔になる。
ハロウィンのパーティではジョンと仲良く話すが、同級生から変人呼ばわりするも否定した。
最後は連続殺人事件の犠牲者の葬儀で、手伝っていたジョンに微笑んでハグをしていた。
・ネブリン医師(演:カール・ギアリー)
ジョンが提出するレポートの内容に不信感を持った校長らによって付けられた精神科医。
カール・ギアリーは代表作に『ペインテッド・レディ/肖像画の淑女』、『サブウェイNY』などがあります。
定期的にジョンと外で会ってセラピーを施し、彼が殺人鬼予備軍のソシオパスだと診断する。
ジョンが自分に強いルールを課して制御している事から、助言者として彼を見守っている。
クローリーの殺人を止めるべくジョンが妻を襲い、その後悔から電話を受け取って焦る。
最後は心配になってガウン姿で外に出たが、クローリーに殺されて心臓を奪われそうになる。
感想
個人的な評価
本作は『シッチェス・カタロニア国際映画祭』にてパラノマ観客賞などで受賞しています。
『ジェーン・ドウの解剖』に引き続き「松竹エクストリームセレクション」の第二弾作品となっています。
監督を務めるビリー・オブライエンは、『エイリアン・パンデミック』や『エイリアン・プラネット』の低予算SFホラーを手がけています。
そんなビリー・オブライエン監督は今回がホラー映画となりますが、低予算SFホラーを作っていたとは思えないほどマトモでした。
まず、主人公がソシオパスという興味深い設定となっていて、更にタイトルとの関連性からどのように展開していくのか気になっていました。
ソシオパスというのは社会病質者とも呼ばれ、後天的な環境の影響で他者に対する感情がなく、恐怖心がまったくない人々を指します。
同じようにサイコパス(精神病質者)もいますが、こちらは先天性な影響が大きく、ソシオパスよりも危険な存在と言われています。
それに『ジェーン・ドウの解剖』はなかなか面白い内容であったので、当然のように期待をしていました。
中盤から殺人鬼の正体が分かっていくのだが、それを演じているクリストファー・ロイドの雰囲気がとてもいいのです。
パッと見だと気の良いジイさんであるが、実は正体が連続殺人鬼で、殺した相手の内臓や体の一部を奪い去っていくというキャラクターは強烈です。
これをクリストファー・ロイドが演じているので説得力があり、クライマックスで見せた恐ろしい一面は非常に上手かったです。
最後には正体が悪魔の類だと分かりますが、もう少し早めにその兆候を見せるべきだったかと思います。
そうすれば、もっとクリストファー・ロイドの演じていた老人の不気味さがもっと強調できたはずでした。
それでも、本作でクリストファー・ロイドが魅せた怪演は非常に良かったと思います。