作品紹介
公開年月 | 2013/08/30 |
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ジャンル | アクション/歴史劇 |
原作 | なし |
監督 | ファーレン・ブラックバーン |
脚本 | マシュー・リード |
製作 | ルパート・プレストン、フベルタ・フォン・リール、ほか |
製作国 | イギリス |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
西暦870年のイギリス、ヴァイキングの王バグセックの軍は、増進するサクソン人との激しい抗争を繰り広げていた。
やがて、ヴァイキングの支配力が衰退し、ケガを負ったバグセックは国外からの援軍を要請し、真っ先に駆けつけた末息子スタイナー王子。
スタイナー王子は死期の迫る父からヴァイキング一族を率いる者として行方不明の兄の捜索を命令されるのだった。
登場人物&出演者
・スタイナー(演:チャーリー・ピューリー)
主人公。ヴァイキング王の末息子。父の要請で援軍を連れて来るが、すでに劣勢であった。
チャーリー・ピューリーは代表作に『エクリプス/トワイライト・サーガ』、『ソルジャーズ・アイランド』などがあります。
一週間の命しかない父王から行方不明となった長兄ハーゲンの捜索を命令されて従う事に。
ハーゲンの居場所を唯一知るアイバーの元で腕相撲三番勝負を挑み、ずる賢い策で勝利する。
サクソン人の襲撃を切り抜けるが、ハーケンからバリーは裏切り者の主張に反対して粛清。
最後はハーゲンと一騎打ちして勝利して王の元に帰り、ハラルドを粛清して軍を導いた。
・アグネス(演:アレクサンドラ・ダウリング)
アイバーの女性奴隷。元々は修道院に暮らしていて、様々な知識を持ちや読み書きができる。
アレクサンドラ・ダウリングは代表作に『マスケティアーズ/三銃士』などがあります。
ハーゲンを探す旅に出たアイバーの付き添いをして、ケガした時に彼の治療を行っていた。
サクソン人の襲撃を受けて捕まってしまったスタイナーたちを助け出す大活躍をした。
ついにハーゲンがいる森を探し当てるが、結局は彼を信奉する洞窟の一族に捕まってしまう。
最後は一騎打ちで勝ったスタイナーに従い、ヴァイキングの軍を率いる彼の下で戦う事に。
・ハーケン(演:エリオット・コーワン)
スタイナーの部下で親友。スタイナーが最も信頼し、何かあれば真っ先にアドバイスする。
エリオット・コーワンは代表作に『アレキサンダー』、『ライラの冒険/黄金の羅針盤』などがあります。
王からハーゲンの捜索を命令された事を聞かされると、反対するような意見を口にする。
しかし、唯一ハーゲンの居場所を知る男を知っている為、スタイナーの説得に応じて案内。
ハラルドの裏切りを伝えたバリーがサクソン人の硬貨を落とした事で彼も裏切り者だと断定。
最後はサクソン人に捕まった時に従ったバリーの死を望むが、スタイナーに粛清された。
・グリム(演:マイケル・ジブソン)
スタイナーの部下。動物の毛皮を羽織って斧を使う。野獣のような男で荒々しい戦いをする。
マイケル・ジブソンは代表作に『バンク・ジョブ』、『レ・ミゼラブル』などがあります。
ハーゲンの捜索へ出かけるスタイナーたちを引き留めるが、結局は同行する事となった。
アイバーを仲間にしてハーゲンを探すが、道中でサクソン人の襲撃を受けて戦死する。
・ジョークル(演:ガイ・フラナガン)
スタイナーの部下。物事を骨で例える独特な言い回しをする。二振りの剣を使う。
ガイ・フラナガンは代表作に『ミリオンズ』、『ダーク・シャドウ』などがあります。
グリム同様にハーゲン捜索をするスタイナーを引き留めるが、結局は同行する事となった。
サクソン人に捕まっていたが、アグネスの活躍で解放され、バリーを生贄にするべきと主張。
ハーゲンがいる森の中に入る事を拒んだが、スタイナーの変わらない意志に従う事に。
最後は予想していた通りに不気味な森で襲われ、そのままハーゲンたちの食料となった。
・バリー(演:テオ・バークレム=ビッグス)
バグセック王の私生児。スタイナーとは異母兄弟。援軍にやって来たスタイナーを出迎える。
テオ・バークレム=ビッグスは代表作に『インビトウォウィーナーズ/思春期まっただ中』などがあります。
先の戦いを拒んだ為に処刑される決まりだったが、スタイナーによって命を助けられる。
ハラルドの動きを監視していたが、サクソン人と繋がっていたとスタイナーたちに知らせた。
サクソン人の襲撃を受けて仲間が捕まる中、素直にキリスト教への改宗に従おうとした。
最後は洞窟の王となったハーゲンの仲間になるが、彼によって両目を潰されてショック死。
・ハラルド(演:フィンレイ・ロバートソン)
バグセック王とともに行動する次男。スタイナーとは仲が悪く現在でも和解できていない。
フィンレイ・ロバートソンは代表作に『インビトウォウィーナーズ/思春期まっただ中』などがあります。
王の命も一週間しかないとスタイナーに伝え、次の王になる宣言して彼を重用するという。
監視していたバリーによると、サクソン人と繋がっていて自分たちの神を捨てたと推測する。
最後は帰ってきたスタイナーが軍を指揮する事となり、裏切り者として処分されてしまう。
・アイバー(演:アイヴァン・ケイ)
ハーゲンの居場所を知る唯一の男。別名を“骨なし”と呼ばれる。優れた戦士だった。
アイヴァン・ケイは代表作に『レイヤー・ケーキ』、『ダーク・シャドウ』などがあります。
男色家であったせいで居場所をなくし、離れた場所で奴隷を従えて優雅に暮らしていた。
スタイナーとの腕相撲三番勝負で最後はずる賢い戦い方に負け、それを認めて道案内をする。
サクソン人の襲撃を受けるもケガを負いながらも蹴散らし、アグネスに治療をしてもらう。
最後はサクソン人に捕まって重傷を負い、ハーゲンの居場所をスタイナーに教えて死亡した。
・バグセック王(演:ジェームズ・コスモ)
ヴァイキングの王。先の戦いでサクソン人に応戦するが、劣勢に立たされて重傷を負う。
ジェームズ・コスモは代表作に『トレインスポッティング』シリーズ、『ベン・ハー/2016年版』などがあります。
一週間しか持たないと悟り、末息子スタイナーに行方不明の長兄ハーゲンの捜索を命令。
ようやく帰ってきたスタイナーがハーゲンの生首を持ち帰った事に満足そうな表情を浮かぶ。
更に裏切り者だったハラルドも殺したスタイナーの成長ぶりに笑みを浮かんでいた。
最後は集まったヴァイキングの軍団を指揮するスタイナーの表情を見て満足そうな顔になる。
・アストリド(演:グリニス・バーバー)
バグセック王の妻。スタイナーが10歳の時に死んだと聞かされ、ずっと記憶の人であった。
グリニス・バーバーは代表作に『ギロチノイド』、『ジキルとハイド』などがあります。
実際はハーゲンとともに追放されており、洞窟の王となっていた彼の下に従っていた。
ヴァイキングの王として連れ戻しに来たスタイナーと再会するも、ハーゲンを王と崇める。
最後はハーゲンを殺したスタイナーに刃向かったが、結局は穴に落とされて死亡した。
・ハーゲン(演:クライヴ・スタンデン)
バグセック王の長男。現在は行方不明となっている。暴走する性格で他の兄弟から疎まれる。
クライヴ・スタンデンは代表作に『Heroes and Villains』、『エベレスト3D』があります。
バグセック王により追放されたが、実は母親も一緒に追放されていた洞窟の王となった。
迎えに来たスタイナーを暴力で出迎え、アグネスとバリーを捕まえ、ジョークルは食料に。
スタイナーが王として戻るように説得するが、ケルト語で話して嘲笑うだけとなった。
最後はスタイナーと穴の中で生死を賭けた一騎打ちをするが、結局殺されて生首となった。
感想
個人的な評価
本作はヴァイキングとサクソン人との戦いを扱った作品となります。
ヴァイキングと言えば、ステレオタイプとして角の兜や斧、毛皮を着た姿、荒々しく戦って奪略の限りをする人々を思い浮かぶだろう。
しかし、実際のヴァイキングは交易が中心で奪略自体は非常に希な行為だったという。
更にステレオタイプの姿も作り物で、実際は当時の騎士が見つける鎧と同じ格好であり、あとは丸い盾と斧を持っていたという特徴がありました。
ヴァイキングは自分たちの歴史を書物として遺す事は少なく、そのせいで彼らのイメージが後世になって色々と脚色されているらしい。
そんな本作は作られたイメージではなく、史実にあった実際のヴァイキングを意識して製作されている作品です。
冒頭からいきなり戦闘となるけど、本作はそこまで予算がないので、どうしても地味な感じになってしまっています。
主人公は高い戦闘能力を持っていて、以前は軍を動かすだけの指揮能力も持っていました。
だが、最近はなんだか悟ったような感じになり、甘さが出ていて指揮官としての能力も落ちてしまい、王としての資質も失っている。
そこで父親である王は行方不明となった長兄の捜索を命じて、ヴァイキングの劣勢を立て直そうと考えて命令を下す。
主人公は部下を率いて兄を探しに行くけど、その道中で敵対するサクソン人の襲撃に遭って仲間が減っていく。
更に異母兄弟である弟に裏切りの容疑がかかって部下が殺そうとしたところで、主人公が兄弟という事で逆に部下を粛清してしまう。
それでようやく兄を捜し当てるが、部下を食われてしまい、ケルト語を話す狂人となっていて、それに反抗した事で一騎打ちをする事になる。
当然のように主人公は勝利して王の元に帰ると、そこには甘さが消え失せた以前の王と指揮官としての資質を持った男がいた。
つまり、本作では主人公が王と指揮官としての資質に目覚める為の旅だったと言えます。
それを最初から考えていた王に送り出され、帰ってきた時には待ち望んでいた後継者が誕生するという具合となります。
ヴァイキングの世界観をきちんと描こうとしていて、衣装などもステレオタイプではない史実を意識した作品となっている。
そこら辺はちゃんとしているが、肝心のストーリーはかなり退屈だと言えるだろう。
戦闘も同じような展開ばかりで面白味がなく、仲間の裏切りや粛清についても今一つ盛り上がりに欠けています。
全体的にちゃんと作ろうとしている分、これを活かせない脚本に大方の問題があると思う。
主人公の成長を促すような物語にするならば、もっと深くまで掘り下げるべきで、仲間を粛清する展開はもっと盛り上がっても良かった。
ここら辺の演出不足もあって、全体的に地味で退屈になってしまったの非常に残念な作品。